受験日当日
~駅~
「和人まだこないなぁ もう電車出発しちゃうのに」
早く来ないかなぁ 少しでも多くの時間を一緒に過ごしたいのに・・・
「もしかしたら1本遅くしているのかもしれませんよ」
あれ?和人さんってバイク持っていたような・・・もしかして・・・
「この時間の電車が1番混んでいるからね~」
「里香さんはどうしますか?」
「『どうしますか?』って何を?」
「もう1本遅い電車に乗るかですよ!」
「もちろん1本遅い電車に乗るわ。和人と一緒に行きたいから」
「なら私もそうしようかな。1番混んでる電車に1人で乗るのは嫌ですし」
来るはずもない和人を待って受験に遅れそうになるのはもう少しあとのことである
~和人宅~
「忘れ物とかない?」
「ちゃんと準備したよ」
「じゃあ、お兄ちゃん必ず合格してきてね」
お兄ちゃんにはずっと私の前を歩いていてほしいから
「ああ、じゃあ行ってくる」
「待って!」
「まだ何かあるのか?」
「はい、これ」
お兄ちゃんが合格できますように
願いを込めながら手渡してくれたのは手作りの御守りだった
「ありがと 必ず合格してくるよ いってきます」
スグのために自分のために何より詩乃のために合格しないとな
「いってらっしゃいお兄ちゃん」
和人はそう言ったのを聞いてからバイクにまたがり家を出ていった。
誰かが影から覗いているとも知らずに・・・
「あれ?あっちは駅の方向じゃないのに、もしかしてバイクでそのまま行くのかな?何か嫌な予感がするなぁ」
「学校休んだから追いかけてみようかな。あのバイクにGPSつけといたから場所もわかるし」
丁度いいタイミングでタクシーが通った
「すみません のせてください」
「どちらまで?」
「このバイクを追いかけてください」持っていたスマホから地図データをタクシーについているカーナビに送った
一方、誰かに追いかけられていることを知らない和人は詩乃と一緒に行けることを喜びながら安全運転して詩乃の家へ向かった。
詩乃の家に着くなりインターホンを押した
「詩乃、迎えにきたぞ」
和人が呼び掛けるとすぐに扉が開いた
「思っていったよりも早かったわね」
「今日は色々な結果を出す大切な日だからな」
「そうね」
「早く乗ってくれ 余裕をもって行きたいから」
「ええ」
「その格好寒そうだな」
おもむろにジャケットを脱ぎ詩乃にかけた
「ん、あったかい 和人のにおいがする・・・じゃなくって和人は寒くないの?」
今、最初にいったことも聞かれちゃったのかな?そうしたら私、変態だって思われたんじゃないかしら
「今は少し寒いけど走り出せば詩乃が抱きついてくれるから寒いのなんて大丈夫さ」
今のは聞いていなかったことにしておいたほうが良さそうだな
「そう//じゃあ、ありがたく借りるわ」
なんの変わりもないし聞こえてなかったみたいね よかったわ
「それじゃまぁ捕まっていてください」
「行きましょうか」ギュゥ
し、詩乃さんそんなに力強く抱きつかれるとむ、胸が当たって・・・
できるだけその事を考えないようにしてバイクを走らせた
追いかけられていることをまだ知らずに・・・
「どこに行くかと思えばシノノンの家に行くなんて・・・」
私じゃなくてシノノンを選ぶってことなの?
「ここで降りますか?」
「いいえ、このまま追ってください」
「同じ大学を受験するのは知っていたけど、他にもリズがいるし、近くの大学にはシリカちゃんが行くのにシノノンを選ぶっていうことは・・・」