第722軍団の分遣隊はストームトルーパーとスカウトトルーパーの混成部隊であった。数は小規模であったが、彼らの多くは実戦経験豊富なベテランである。
第二小隊長であるガイエルは銀河各地を転戦した精鋭であり、彼の部下である分隊長とその指揮下のトルーパー達も選りすぐりだ。
TS-9941 フレーバ軍曹指揮下の第二分隊
TK-7165 レイクス軍曹指揮下の第三分隊
GA-1666 ナーク先任軍曹(とガイエル)指揮下の第一分隊
精鋭は精鋭でも、小隊の人員は少ない。それは彼らが激戦区から引き抜かれてきた事を意味しており、定員不足は小隊に限らず軍団につきまとう問題だった。
オレンジの肩章、薄い黒い汚れが所々についたアーマー。都市部の治安維持に回されたトルーパーと比べたら、汚れていても、ガイエルのアーマーとヘルメットは激戦をくぐり抜けてきたベテランにしては綺麗であった。
「我々は第433師団の第二大隊と共に正面から攻撃を掛ける。左翼は第433師団の第三大隊が。右翼はデロ惑星政府軍の第117連隊が担当する」
分遣隊の指揮官トロニー中尉の説明をガイエル達、現場指揮官達は黙って聞いていた。
軍服姿のトロニー中尉は顔立ちが整っている若い将校であったが、その実力は確かな物だった。“クローンの上官を敵陣深くから単独で救出した”エピソードは彼の数多い武勇伝として部隊内で語り継がれている。
「攻撃は夜明け。銀河標準時2000に行う。何か質問は?」
一人のトルーパーが手を挙げた。第三小隊のマルナだ。アーマーの右胸につけられたブラスター痕が特徴的だ。
「右翼の補強は? 現地人だけに任せるつもりですか?」
「補強はない。右翼の攻撃は連隊単独で行う手はずだ」トロニーの答えにマルナは顔を下に向けた。「何か問題でも?」
「いいえ、何も」と、マルナ。
「地上軍の練度はどうなんです?」
そう質問を続けたのは第四小隊のクレックス。彼は両脚のアーマーを装甲板で補強している。
「直ぐに撤退するようでは頼りにできませんよ」
「その点は問題ない」と、トロニー。「彼等はこの戦役を耐え抜いている精鋭だ。信用していい」
「耐え抜いたねぇ」と、マルナがガイエルに耳打ちする。「攻めあぐねているの間違いじゃないのか?」
「重砲の支援もあるし、何も問題ないだろう。お前達は目の前の事だけに集中して部下を導け。いいな?」
沈黙。トロニーはそれを肯定と受け取った。
「よし、解散。作戦開始まで待機しろ」