『大切な人を救うために死に戻る能力』   作:破れ綴じ

25 / 49
[20:05] 少しお話を伺いたいんですが……

 8月11日。

 夏休みど真ん中で日差しの気持ちいい……若干暑い……いや正直暑すぎるぐらいの今日この日。

 

 僕は、数ヶ月前まで校則の名のもとに激しい争いを繰り広げていた桐島ミオと……二人で市民プールにやって来ている。

 

「……で、今日のコーデの感想は?」

 

「水着のことコーデって言わないんじゃないか普通」

 

 しかし、僕は桐島ミオと「校則の範囲内で楽しめる」「男子の好きそうな見た目」を共に研究し、それについて意見を述べる義務を持っている。

 女子の「感想は?」に正解の型があることぐらい僕にも知識はあるが、現在の僕達の関係においてただ定型文で返すのは不誠実だろう。求められたからには、僕にしか出せない、厳正な意見を返すべきだ。

 

 化粧はほぼゼロの状態、所謂スッピンの桐島ミオ。

 黒に戻った肩を超えて伸びる髪に、派手だが装飾が邪魔にならない程度のこだわりを感じさせる水着。彼女のプロポーションが遺憾なく発揮できている。

 

 悪くない。非常に健全な遊泳者の装いじゃないだろうか。

 ここは校外だ。普段なら、「なんてふざけた格好だ!」と激怒していただろうが、市民プールに校則なんてものはない。効力範囲外で的外れの規則を振り回すのは、運用として誤りだろう。

 ここで適用すべきは、この施設の利用規定だ。

 利用規定なら入場時に掲示されたものを全部読んでいる。水着について細かい数値基準は無し、公序良俗の範囲であること、と。入れ墨も無いし、当然ながら危険物の持ち込みも無し……。

 

 うん。いいんじゃないか? 

 悪い点は無し、良い点のみが存在する。理想的な市民プール利用者として胸を張っていい。

 

「非常に魅力的だ。君のスタイルの良さを引き出せているし、夏らしい色味が邪魔をしていない。完璧だと思う」

 

「……マコっちってそういうところ恥ずかしがらないよね」

 

 何を言っている。

 僕の役目は標準的な評価者だろう。「女性の水着姿をじろじろ見るのが恥ずかしい……」なんて言っていたら本来の役目を果たせないし、評価が欲しい君にとっても失礼じゃないか。

 これ以上無いお墨付きを出したはずなんだが。正当な評価の何が不満なんだ。

 普通に一人の健全な男子高校生の意見として受け取ってくれよ。

 

「まーでも、メイク薄めに慣れてたのはマジ正解だったかな。これなら水入っても悲惨なことになんないし」

 

「そうだな。僕の教育がよく生きていると言えるだろう」

 

「マコっちのおかげでひっさしぶりのプールだわー」

 

 まあ別にここは学校じゃないんだから好きにメイクなりなんでもすればいいと思うが。

 しかし、確かにプール会場でファンデーションが水に溶け出したりでもしたら迷惑極まりない。学生生活で化粧をすることが当たり前になっていた彼女のことだし、それもあって中々プールに来る機会が無かったんだろうな。

 何はともあれ、校則にはこんなメリットもあるということが理解できた。これからは辻セイラや他の違反者への説得材料にも使えるだろう。

 

 ……しかし、今更だが、これは良かったのか? 

 

 彼女には日高アサヒという想い人がいる。

 彼には恋人がいるとはいえ、僕に「だから全てを諦めろ」と言う権利はない。

 にもかかわらず、その身で別の男と二人きりでプールに来て、もし本人か、共通の知り合いにでも見られてしまったらどうするんだ。要らぬ誤解が立って、彼女の恋に不利に働くんじゃないのか。

 噂の訂正ほど分の悪い勝負も無いんだ。ああいうのは、広まってしまってからでは遅い。僕は彼女の恋に協力すると言った側の人間なのに。これでは協力どころか営業妨害になっていやしないか? 

 

「ところで桐島ミオ。念のため確認しておきたいんだが──」

 

「じゃ、今日はいずれ来る本番のための予習として! マコっち先生、今日もよろしくお願いしまーす」

 

「え? あ、ああ」

 

 なるほど、これは羽休めを兼ねた──講義の実地編ということか。

 

 服装と化粧の理論は一学期にやった。今度は本番と同じ舞台で場慣れしておく……理に適っているじゃないか。

 ぶっつけ本番ほど怖いものは無いからな、テストも恋も。そのために多少のリスクも容認しておこうと。感心だ、そこまで計画を立てているんだな。

 遊びの中にまで練習を組み込むあたり、夏休みの課題を初日に終わらせるタイプの発想……いや、課題は白紙の人だったな。適材適所ということにしておこう。

 

 それなら話は別だ。

 引き受けた以上は義理堅く務めよう。

 

「言っておくが、今日も教えられるのはサンプル数1の意見だぞ」

 

「それでいいっつーの。ほら行くよ!」

 

 そうだな。

 せっかく今日はプールに来た訳だ。彼女も約束通り指示したところまで課題を終わらせていたし、ここまでお膳立てさせられて、僕が楽しまないというのも後で後悔する。

 

 準備体操もさっき済ませたし、さっそくあの流れるプールに行くとしよう。

 人が多いから自由に泳げる訳ではないが、少なくとも水の中は涼しいし、ただ浮力に揺られているというのも中々楽しいことだからな。

 

 よいしょ……っと! 

 あー冷たい。一番初めに入る瞬間はどうしてこうも特別冷たく感じてしまうのか。

 

「じゃーとりあえず一周泳ぐ?」

 

「それだと人にぶつかってしまうだろう。周りに気を付けながら鬼ごっことかの方がいいんじゃないか」

 

「おっけー! じゃ、捕まえてごらーん」

 

「おい、どっちが鬼かまだ決めて……あっ待て!」

 

 一周泳ぐ、か。

 

 この一学期、「周」なんて言葉に良い思いを抱いた経験はほとんど存在しなかったかもしれない。

 辻セイラが急に「条件を満たせなければ死ぬ」なんて教えてきて、それが事実かどうかも分からずに録音を取られては彼女の大切な人を救うために動き回る日々。

 去年の頃はまるで想定していなかった。今年の夏も、普通に友人達とプールへ遊びに行くんだと思っていた。

 

 予想なんて当てにはならないな。

 この一学期で僕が一番関わった人間は、学校で一番嫌いな辻セイラだし。一緒にプールに行くはずだった相手は桐島ミオになっている。

 かといってその夏も辻セイラのために動き回ると思っていたら違っていた。動き回っているのは桐島ミオと、流れるプールの中で、だ。

 明後日にはハルキとの新しい予定も入っている。まさかこうなるだなんて、誰が想定できるんだ。

 

「一周終わったらさ! スライダー行こうよ!」

 

「いいぞ……あっおい、落ち着け。走るのは規定違反だからな!」

 

 しかし、それもまあ、悪くない。

 良い思い出になりそうだ。

 

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 

「そーいえばさ、見てよこれ」

 

 見てよ、と言われても。

 人が三十分泳いで、ようやく日陰とかき氷にありついた──その一口目に水を差さないでもらえるか。

 

 で、なんだ。何を見せたい。

 携帯の画面……というか、写真? 

 

「じゃーん。ゆうべ送られてきたセイラの旅行風景」

 

「……家族写真か?」

 

「そうそう。レアっしょ?」

 

 ……滝だ。

 白い筋が何本も落ちる、ずいぶん横に広い滝の前で、辻家の四人が並んでいる。

 

 やっぱり家族の前だと辻セイラは随分幸せそうだな。

 辻カリンと頬を寄せて、ピースまでして。

 学校のあの女と同一人物とは思えない。

 この写真を僕に見せたと知ったら怒るのではないか? 

 

「で、こっちはソフトクリーム食べてる写真」

 

「土産物屋か」

 

「そ」

 

 ははは。

 この写真を教室で回覧したら、クラスの半分は合成を疑いそうだ。

 学校では一度も見たことのない顔。おそらく、辻カリンを救うために辻家へお邪魔した僕と、親友二人ぐらいしか見たことないんじゃないか。

 まあ、何にせよ。少なくとも、切羽詰まった人間の旅行ではないな。

 

「順調そうじゃないか」

 

「でしょ? 『楽しい?』って送ったら返事が『避暑地のはずなんだけど暑いよー』だって」

 

「はあ。僕ともそんな素直に喋ってほしいものだ」

 

 避暑地。

 

 あの横に広い滝と、土産物屋の並ぶ洋風の通りで、避暑地……軽井沢か? 

 いかにもあいつが選びそうな「安全そうな場所」だ。六泊七日の四日目、ちょうど折り返しといったところか。

 

 避暑地のはずなのに暑い、ということはつまり、この夏が全国的に異常という話。

 ……向こうも暑いなら、こっちのプールは正解だな。

 

「……セイラってさ、友達少ないじゃん」

 

「どうした急に」

 

「いや、聞いて」

 

「……分かった」

 

 急に何を言い出すのか。

 まあ彼女に友人は少ない……というか君と三好ルナしかいない。

 

 紛れもない事実だな。一番の友人である君がそんなことを言うのもすごいが。

 当然、僕に「辻セイラを憐れもう」と思ってこんな話している訳じゃないだろう。きっと何か真面目な話をしようとしている。

 

 辻セイラ本人は事情もあるし、気にする素振りも無いが……親友の目にはまた違って映るんだろう。

 

「あの子、わざと嫌われるみたいなことばっかするじゃん。仲良くしようとしてる子にさ、特に」

 

「……そうだな」

 

「昔は違ったんだよ? ウチらに声かけてきて、友達になろうって言ってくれたし」

 

 ……それも事実だな。

 

 そして、その理由を僕は知っている。「大切な人」を増やさないための、あの女なりの工夫だ。

 桐島ミオと三好ルナに声をかけたのは……「一度協力者を増やそうとして、入れ込んでしまったから」。だからもう友好的でないフリをすることはできなかった。他の人間がそうなってしまわないよう、彼女は細心の注意を払っている。

 

 だが、それは僕の口から言えることじゃない。言える日が来るのかも分からない。

 知ってて黙っている、というのは思いのほか収まりが悪いものだな。法廷なら証言拒否権の行使で済むんだが。

 

「でも、根はいい子なんだよ。口も態度も最悪だけどさ、ほら、写真はこうやって律儀に送ってくれたり。好感度もウチに90あったんだよね」

 

「……」

 

「……だから、さ。正直ナゾなんだけど、マコっちってセイラと仲いいじゃん」

 

「果たしてそうだろうか」

 

「そう見えるケド……ま、だからあの子のこと、あんまり嫌ったりしないであげて、ね?」

 

 ……なるほどな、それを言いたかったと。

 

 親友としては確かに不安だよな。仲が良い訳ではないが、それまで排他的だった友人が急に新たな関係性を持ったんだ。

 その上で、桐島ミオは僕が悪人ではないと信用してくれている。だから、僕に「辻セイラを見限ったりせず、友人として接してやってくれ」と、そう言いたかったんだ。

 

 確かに、友人として見れば──彼女ほど、自分を顧みない人もそういない。

 桐島ミオが心配する気も、分からないでもない。

 

「まあ……善処する」

 

「ん。ならよし! しんみり終わり! 次、あっちのプール行くよ!」

 

 おお、すっごい一気食い。

 かき氷ってそんな一気に食べるものじゃないぞ。ちょっとセンチな話をして気恥ずかしくなったのかもしれないが、後で頭が痛くなっても……。

 

 ──ん? 

 

「桐島ミオ、ちょっと待ってくれるか」

 

「ん? どしたん?」

 

「いや、僕の方にも電話が来た。ちょっと出てくる。先に行っててくれ」

 

「……そ、おっけー」

 

 ……「辻セイラ」。

 

 噂をすれば、か。

 

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 

『あ、繋がった。ラッキー』

 

「何がラッキーだ」

 

 繋がった、じゃないんだよ。

 

 狙いも準備も感じられない、繋がったから喋り始めた、ぐらいの声じゃないか。

 こっちは着信画面の「辻セイラ」の四文字を見た時点で、休憩スペースの隅まで移動する程度の準備はしたというのに。

 

 なんだ、「私を気にするな、もっと夏休みを楽しめ」と言ったその口で、結局電話してくるんじゃないか。

 自分から「予定を入れていい」という旨の発言をしておいて、いざ電話して繋がったら「ラッキー」だと? 

 大体、もし携帯が手元に無かったらどうするつもりだったんだ。一歩間違えばロッカーの中で鳴り損になっていたところ。泳ぎに集中していれば気付きすらしなかった可能性もあるし……認識が甘すぎるぞ。

 

「言っておくが、今日は外だ。市民プールに来ている。あまり長話はできないぞ」

 

『ふーん。誰と?』

 

「桐島ミオとだ」

 

『……ミオが、プール?』

 

「そうだ。メイクを薄くする心がけの成果らしい」

 

『……ま、いいけど。絶対溺れさせないよう注意してね』

 

 今思ったが、桐島ミオが「プール久しぶり!」と言っていたのは、辻セイラが遠回しにそうなるよう手を回していたのかもしれない。

 僕という外部因子が現れてしまったせいでそうできなくなってしまっただけで。考えすぎかもしれないが、保護者みたいな彼女の口ぶりを聞けば、完全に嘘とも断定できない。

 

「で、何の用だ」

 

『……これ、例えばの話なんだけど。前さ、生き物が生きてるかどうかって聞いたよね』

 

 そうだな。

 セミと猫だったか? 死体であれば汚いし、もし辻カリンが触ったら困るから……そんな理由で聞かれた気がするが。

 

 どうしてそのことをもう一度聞いた? 一昨日の回答では不十分だったか? それとも追加で生死の判定がしたい生き物が出てきたか? 

 その旅行地はそんなに生き物が路上で死んでいる場所なのか。だんだん怖くなってきたぞ。僕を涼しませたいのか。

 

『それで、現実の話ではないんだけど』

 

「どうしてそう前置きが長い。いつも通り、スパッと言えばいいだろう」

 

『いや、言い方間違えたら誤解されそうだし……ああもういいや』

 

 

 

 

 

『人ってさ、どこまでやれば確実に息の根を止められる?』

 

「通報だーっ!」

 

 

 

 

 

『チッ──』

 

「おい、今の舌打ちは何だ。おい、聞いて──」

 

 き、切られてる! 

 くっ、かけなおして……あっ出ない! 無視してるな君! 

 

 ど、どういうことだ!? 路上で人が死んでいるのか!? それなら警察に通報するはず……。

 ああもう分かってる、正直察しがついている! 僕にわざわざ電話でかけてきたということはそういうことだ、相談したいことがあったんだ! 

 

 辻セイラは──おそらく、またループをしている! 

 そしてその過程で、人の死に関係する場面に直面し──隠蔽を考えている! 

 何が根はいい子だ。聞いてきたのは息の根の止め方だぞ。

 完全に根違いじゃないか! 

 

 ……待て、冷静になって考えろ。

 

 まず、路上で死体を見た……は考えにくい。なら素直にそう言えばいいし、息の根の「止め方」を聞く必要はない。完全に筋違いだ。

 しかし、既に息の根を止めた後……というのも無しだ。もし既に一線を踏み越えているのであれば、「息の根を止められる方法」ではなく、「息の根が止まっているか確認する方法」を聞いてくるはず。

 この前の質問はそれを知りたかったのか? セミや猫はミスリードで、本当は「人間という生き物」が確実に死んでいるか確認する方法を知りたかったのか? 

 

 つまり、辻セイラはこれから人を殺す、あるいはそれに準ずる違法行為を行う予定があるのでは……! 

 

「じゃあ、通報できないじゃないか……!」

 

 まだ何も起きていないんだから。実際に宣言した訳でもないし、対象も、時間も、正確な場所も分からない上、録音だってできてない。

 起きていない事件を受け付けてくれる窓口は、警察のどこにも無い。辻セイラはまだ計画を練っている段階……いや、練っている可能性すら定かじゃない状態だ。

 

 仮にこれが全部僕の考えすぎで、ただの作り話であればそれでいい。恥をかくのは僕一人で済むんだから。

 だが逆なら──考えすぎた場合の損失と、考えなかった場合の損失は、比べるまでもない。

 もう一度辻セイラに電話したいが、さっきから何度もかけ直しているのに全く返事が無い。

 ああ、辻カリンの番号を聞いておけば良かった! 

 

 とにかく、何か起こってからでは遅い! 

 人が死ぬようなことはあってはいけないし、あの女に「最悪殺せばいい」という成功体験を覚えさせるわけにはいかない。辻セイラは一度「これが最適」と判断したら、迷わない側の人間なんだ。

 

「行き先は……軽井沢だよな」

 

 ついさっき、写真で見たばかりだ。

 あの横に広い滝も、土産物屋の通りも。本人が「避暑地」と白状済みで、選ぶ基準まで知っている僕の推定だ。後で桐島ミオにも確認しよう。

 

 今すぐに行動しなければならない。

 何か悲劇が起きて、そのままループが終了してしまってはいけない。

 桐島ミオには謝罪しよう。ハルキにも、明後日の予定はキャンセルになるかもしれないと伝えなくては。

 二人には後で埋め合わせると約束して……。

 

 僕が直接……軽井沢に。

 あの女の元に向かうんだ! 

 

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 

「どうしたの、兄さん? 夏祭り、あまり楽しめてない?」

 

「いや、そんなことはないぞ。杞憂が杞憂であってほしいと思っているだけさ」

 

「兄さんはこの前も急に『軽井沢へ行ってくる!』とか言ってたし、僕はちょっと心配だよ」

 

「悪い……アラタは気にしなくていいから」

 

 8月14日。8月ももう中盤。

 夏祭りの日。辻家が帰って来た日。

 

 

 

 

 

 ……結局、僕は辻家を見つけることができなかった。

 

 

 

 

 

 当然も当然だ。

 夏休み期間の軽井沢。人口密度は凄まじいし、そこにいる4人の旅行客をピンポイントで、連絡も新情報も無しに学生一人が見つけ出すなんて、できる訳がない。

 しかも、僕が使えるのはバイト代だけ。往復だけでかなり額が飛んでしまい、2日目にはもう資金不足になっていた。

 結局、早々に帰って来て、「何もありませんように」と祈るぐらいしかできないのが情けない。

 

 辻セイラが連絡してこないのが何よりの証拠。もうほぼ黒と断言してしまってもいい。

 だが……それでも、あれがただの冗談だと分かれば安心できる。

 今日、辻セイラは帰ってきているはずなんだ。

 急いで見つけだし、事情を聞きださなくては。「どうして僕を頼らなかった」「どうしてループのことを黙っていた」「人を殺したりはしていないよな」と、問い詰めなくては気が済まない。

 

「……十分楽しんだし、もう帰ろうか」

 

「そうだね。混まない内に出ちゃおっか」

 

「ああ。しっかり手を握っていろよ」

 

「うん」

 

 桐島ミオには拗ねられ、ハルキとの約束も不安で後回しにしてしまう始末。

 ああもう、人生最低の夏休みだ。

 

 せめて、この不安が、不安のままで終わってくれればいいのに。

 

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 

 夏だ! 

 8月序盤! 夏休みのピーク真っ盛りだ! 

 

 ……しかし。

 今年の夏だけは……ただ楽しむ訳にもいかないんだよな。




感想やご意見をお待ちしていますのでよろしければ……(´・ω・`)
お気に入り・評価・ここすき等も、可能であればぜひお願いします。大喜びします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。