術の戦い。
クソつまんねぇ。
好みじゃないジャンル、たいして作り込まれてもない内容、死ぬほど下手な演技。
とにかく面白くない、ただただ虚無が支配してる。
「あー早く帰ってこないかな………」
「戻りました、御森さん」
私が振り返ると、そこには見計らったように帰ってきた虎杖くんたちがいた。
虎杖君に伏黒君、乙骨君に真希ちゃんに……ん?
「あれ、兄ちゃんと九十九さんは?」
「天元様の護衛として、向こうに残りました。それはそうとーーー」
取り敢えず乙骨君から簡潔に、重要なことだけ聞いた。
まずは加茂憲倫について。
本名は「羂索」といい、他人の体を乗っ取って転々としながら生きてきた術師らしい。
加茂憲倫や夏油傑なども、数ある姿の一つに過ぎないとか。
エイリアンかよ。
そして加茂憲倫……改め、羂索の目的。
それは「天元と人類の同化」。
なんでも今の天元様は過去の同化失敗で人間というより呪霊に近い存在らしく、羂索の術師としての実力も考えれば接触した時点で取り込まれる可能性があるらしい。
けどそれは私的には重要なことじゃない。
重要なのは、羂索がしようと…いや既にした、とあること。
呪術を与えられた者たちによる殺し合い。
その名はーーー死滅回游。
8個の
日本各地に計10個の
前に聞いた、「マーキング済みの二種類の非術師」は泳者として各地の結界に配置されているらしい。
「………めちゃくちゃだね」
「俺もそう思います。じゃあ何か、今説明した部分で聞きたいことがあれば答えますよ」
伏黒君の親切に甘えて、気になることを片っ端から質問してみた。
Q:術式の剥奪ってどうなるの?
A:多分死にます。家入さんと天元様が言ってたのでほぼ確定です。
Q:
A:誰でもないです。死滅回游のプログラムそのものを指すそうです。
Q:管理者と交渉って、どうするの?
A:各泳者に一体ずつ支給される式神「コガネ」が窓口になってくれるそうです。
Q:既にある総則を消すことってできる?
A:出来ません。けど遠回しに否定する総則を追加するのは出来るかもしれません。
Q:総則7って判断が管理者任せすぎない?不公平だと思う。
A:既にここまでの総則を強いている羂索にこれ以上利益が傾くのは呪術的にあり得ないので、
ある程度公正な判断が見込めるそうです。
Q:総則8だけど、要は19日以内に1人は殺さないと死ぬってことでいい?
A:今のところは。でも何とかします。
「……とりあえず、こんなもんかなぁ」
「わかりました。じゃあ、これからの動向について説明しますね」
伏黒君がそれぞれ確認をする。
「私はまず、禪院家戻って呪具回収してきます。回游への参加はその後っすね」
「あ、そっか。伏黒君今当主だから漁り放題ってわけだ」
私がそう言うと、伏黒君は驚いたように目を開いた。
「……!知ってたんですね」
「まぁ、現場に居合わせたからね」
てへっと舌を出してみる。
伏黒君は無反応。ちぇっ、つまーんないの。
「……30超えてる人がやってるって思うと、かなりキツイっすね」
「ちょいちょい真希ちゃん喧嘩なら買うぞー?」
かなりダメージ入った。ぐはっ。
「で、俺と虎杖は秤先輩を仲間に引き入れて、そっから東京第一結界に入ります」
「秤って確か…東京の3年だっけ」
「そうですね」
乙骨君が肯定してくれる。
術式が完全にスロカスのそれで印象深かった記憶がある。
「僕は仙台に行って、先に情報とか集めてきます」
「おっけ。じゃあ……私も先に潜ろうかな」
そもそも何か大きな目的があるわけでもない。
なら先に潜って点数稼いでったほうがいいだろう。
「あ、質問できた」
Q:どこまでなら殺していい?
A:明確に敵意を持った、協力する気がない奴なら。
「おけおけ。仲間にできそうだったら引き入れるでいいのね?」
「はい。助かります」
まぁ、多分殺すと決めたら私は殺すのでそこら辺は貢献できそうにないが。
それは黙っとこ〜。
「じゃあ私、早速行ってくるね」
「もうですか?」
「なるべく早いのが良いんだよ、こういうのは」
私はそう言ってみんなに手を振り、高専を発った。
朱莉さんが総則を追加することは無いかな…
多分戦って終わりですね。
後、モチベがあろうとなかろうと、朱莉は死滅回游で抜けます。
人外魔境新宿決戦には参加しません。