刀藤綺凛の兄の日常記   作:綺凛*凛綺

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主人公の日常記その1

 

 

 

 

☼月*日

 

 

 

 

 アスタリスクにこれから暮らすことになった。

 せっかくだから日記を書こうと思う。長続きするかな。

 

 予定よりも早くアスタリスクに到着したから、『星導館』へ向かって歩いていると空からハンカチが降って来た。

 それをいざ届けたんだけど……女子寮、ユリスの部屋で着替えを覗いてしまった。これから本当に気をつけよう。

 

 そのあと流れでユリスと決闘することになり、横槍が入って中断。

 そして送られて来た動画、姉さんの剣を振っていた綺優と出会えた。流石は《王竜星武祭(リンドブルス)》の優勝者……この状態の俺じゃ勝つのは難しいかな

 

 

「さて綾斗、『星導館』が特待生のあなたに期待することは星武祭(フェスタ)で勝つことです。

 星武祭(フェスタ)の重要性は言うまでもありませんよね?」

 

「もちろんだよ」

 

「なら話は早いです。ここ近年『星導館』の星武祭(フェスタ)の成績は芳しくありません……でした」

 

「……去年、刀藤綺優が優勝するまで……だよね?」

 

「はい。今『星導館』にはチャンスが来ていると私は考えております。

 星武祭(フェスタ)に勝てば現世叶うものであれば、あなたの望みを叶えます。よろしくお願いしますね」

 

「うーん……悪いけどあまり興味はないんだ」

 

「天霧遥さんですね?」

 

 

 クローディアがデータを見せてくれた。そこにはデータが破損していたが、姉さんの生徒データを見せてくれた。

 何もデータは残ってない、でも姉さんがこの『星導館』が居た形跡がある……そして《黒炉の魔剣(セル=べレスタ)》の貸し出し記録はないのにも関わらず、実戦データがあり……そのデータの時期が姉さんがいた時期と重なっていた

 

 

「でも違うんだクローディア。俺は姉さんを探そうと思って来てない」

 

「あら、でしたら?」

 

「自分の為すべきことを探しにだよ……それと綺優にも会ってみたかったんだ」

 

「そうですか。それと綾斗1つだけ……ユリスのこと、よろしくお願いしますね」

 

 

 その後はクローディアと最後の手続き……いや、これはいいとして、少し話した後、クラスに案内されるとユリスがいた。

 それに今朝《煌式武装(ルークス)》を貸してくれた生徒、夜吹も。

 

 

「──道楽でやってるお姫様なんかに、負けたままじゃいられないんだよ!!」

 

 

 授業が終わった後にユリスとそのレスターの悶着を見てしまった

 

 

「私には為すべきことがある! その為に星武祭(フェスタ)を制し望む物を手に入れるッ! こんなところで立ち止まっているほど、私は暇ではない!」

 

 

 みんなそれぞれが叶えたい願いを持ってこのアスタリスクへ来ている。

 ユリスの覚悟は心の叫びが……俺にすごく響いた。眩しい。かっこいいとさえ思った。

 ユリスだけでも何とかなったとは思うけど……まあ後悔はない。黙ってみてる方が嫌だからね。

 その後はユリスがどうしてアスタリスクに来たか理由を聞いて、お金の為だと言っていた。

鳳凰星武祭(フェニクス)》に出るつもりらしいんだけど……相手が見つかってないらしい

 

 

「因みにどんな相方がお望みで?」

 

 

 一緒に来ていた夜吹がユリスに聞いてくれた

 

 

「あまり贅沢は言わんが、まぁ最低でも《冒頭の12人(ページ・ワン)》クラスの実力を持ち、頭の回転も早く、強い意志と高潔な精神を秘めた騎士の如き者だな」

 

 

 ユリスに友達がいない理由がなんとなくわかった……贅沢を言わないでこれなら贅沢を言ったらどうなるのか恐ろしいや。

 その後、ユリスに男子寮を教えて貰った。

 それと学園内と街も案内をお願いした。一応朝助けた借りを返してくれるってことで。

 

 綺優と話せるタイミングが無かったから、明日話せるといいんだけど。

 ユリスに学園内の案内もお願いしてるから、その前に話せるといいな。

 

 ルームメイトが夜吹なんだけど……なんでだろう。日記を見られる心配すごいから、ちゃんと隠しておこ

 

 

 

 

☼月*日

 

 

 

「おはよユリス」

 

「ああ、おはよ」

 

「「え!?」」

「「うそ!?」」

「あのお姫様が!?」

「挨拶を返した!?」

 

「っ!! し、失礼だな貴様ら! 挨拶されれば私だって挨拶ぐらいは返すに決まっているだろう!」

 

 

 朝からとても賑やかだった。

 それと驚いたことに隣の席は──紗夜だった

 

 

「紗夜!? ええ!? なんで紗夜がここに!? 驚いたよ! 海外に引っ越し以来だったから……」

 

「……これは超びっくり。綾斗久しぶり」

 

「なんだなんだ2人とも知り合いなのか。その割には沙々宮……本当に驚いてるのか?」

 

「む。夜吹は超失礼なやつ。めちゃくちゃ驚いている。もうこの後の授業には参加できないぐらいに。だから綾斗この後の授業を抜けて私と──」

 

「──おい、沙々宮。今日は顔を見れたと思ったら、私の授業を抜けようだなんて……いい度胸してるな? あん?」

 

「うぅ……痛い。暴力反対。これは教育機関に──」

 

「あん?? 次の休日は補習だからな」

 

「うぅ……綾斗」

 

「あ、あはは。授業はちゃんと受けないとね」

 

「……」

 

 

 そういえばこの時、ユリスが何か言いかけた気がしたけど気のせいだったかな。

 釘バット持ってる先生なんて怖すぎるよ。

 授業が終わりユリスが帰ってくるまで紗夜と話していた。

 それでその後、約束通り学園内の案内をしてもらう事になったんだけど、紗夜もついてくる事に

 

 

「リースフェルトになぜ?」

 

「仕方なくだ。経緯は話すつもりはない。沙々宮には関係ないからな」

 

「む」

 

「行くぞ綾斗」

 

「え、あ、うん。じゃあ紗夜また──」

「──待って、私が綾斗を案内する」

 

「なっ!?」

 

「リースフェルトは仕方なくって言った。なら私が変わって問題ないはず」

 

「申し出は有難いが、一度交わした約束を破るほど、私は不誠実者ではない」

 

 

 その後も色々と口論が続き、2人がヒートアップしていると

 

 

「あらそういうことでしたら私が1番適任という事になりますね」

 

「クローディア!?」

 

「ユリスは中等部3年からの転入になりますが、私はちゃーんと1年生からここの生徒ですもの」

 

「クローディアその前に離れてよ!?」

 

「えー、そんな……私も混ぜて欲しかったのに」

「いや」 「不許可だ」

 

 

 似た者同士な気がするから友達になれそうな気がするんだけど……そんなこと言ったらまた喧嘩しそうだから心の中に留めた。

 クローディアは要件があって会いに来てくれて、《純星煌式武装(オーガルクス)》の検定、《黒炉の魔剣(セル=べレスタ)》の適合率検査を明日行うらしい。その書類のサインだった

 

 

「ただの書類をわざわざ持ってくるとは。生徒会長も随分暇らしいな」

 

「ええ。うちの生徒はみんないい子ばかりですから助かっております」

 

「ふん、どうだか。綺優が今、訓練場にいるみたいだが本当に──」

「ユリス、わかって、ますよね?」

 

 

 この時、教室の温度が体感5度ぐらい下がった気がした。

 クローディアの方を振り返ると顔は笑ってるのに、目は笑ってなくて直視できなかった。

 あのユリスですらやってしまった、って表情に出していた

 

 

「じょ、冗談だクローディア。私たちの仲だろ? これぐらい──」 

 

「──ユリス親しき仲にも礼儀あり、ですよ?」

 

「……えっと、昨日から思ってたんだけどユリスとクローディアって友達なの?」

 

「はいそうですよ。ね、ユリス?」

 

「い、いや……ああ、そうだ。友、達……だ」

 

 

 すごい嫌そうな顔してたけど……綺優って何かやらかしてるのかな。

 そんな風に見えないんだけど……。

 

 その後はまた話題に戻り、揉めてほしくないから2人が案内してくれるように提案した。

 2人はそれを了承。

 ただその前に綺優の場所に案内をお願いした。

冒頭の12人(ページ・ワン)》の生徒だけ使える訓練所に入ると、綺優と妹さんの刀藤さんが居て一緒に剣を交えていた

 

 

「「──!!」」

 

 

 剣の振るう速さが異常だった。本気で戦っていると思わせるほどに互いに一刀一振りに気持ちが込められている。

 正直鳥肌が立った。期待以上の剣客、綺優の剣はもちろん刀藤さんの剣も洗練されていて、姉さん以外でこんな剣士を見たことがなかった。

 特に恐ろしいと感じたのは綺優。やっぱり今の俺じゃ勝てないと思う……だけどいつかは戦ってみたい。もちろん勝つつもりで。

 俺が見惚れているとユリスが一歩前に踏み出して

 

 

「待ってたら終わらないぞ。んんっ。綺優! おまえに客人だ」

 

 

 その声に2人の剣が同時にピタリと止まった。

 反応の速さまでが2人とも研ぎ澄まされていて、あれは流石に笑ったよ。

 こんな剣士が2人もいて低迷してる『星導館』に呆れるべきなのか、アスタリスクのレベルの高さに驚くべきなのか……恐ろしいね

 

 

「綾斗か。どうしたの? 俺に用って……って紗夜もいるのか」

 

「久しぶり綺優。元気?」

 

「ほら綾斗。話してこい。ん」

 

「あ、えっと……綺優すこし2人っきりで話せたりするかな?」

 

「……綺凛、少しだけ休んでて」

 

「あ、はい!」

 

 

 綺優と俺はみんなから会話が聞こえないところまで離れて話した

 

 

「天霧遥さんのこと?」

 

「うん。姉さんの技を君が使ってた……こう言う言い方したら少し失礼かもだけど、模倣って言っても相違ないレベルに再現してる。

 足の運び方から呼吸の流れ……姉さんといた時間が長く指導して貰ってないと身につかない域だ。

 だからもし姉さんのことで何か知ってたら教えて欲しい」

 

「……正直何も知らない」

 

「答えたくないってことかな?」

 

「いや違うよ。本当に。昔から再現するのだけは特技だったんだ。でも天霧辰明流を使えるようになったのはここに来てからだよ」

 

「5年前じゃなくて?」

 

「うん。意識の拡張、間合いを広げる技術を覚えてからだね」

 

「そっかそれなら知らなくても普通か……正式名称は《識》。俺たち天霧辰明流の剣士たちはその技術をそう呼んでるよ」

 

「《識》って言うのか。教えてくれてありがとう……いやでも本当にごめん。俺が知ってるのはこれぐらいで天霧遥さんについて知ってることは、5年前確実にここアスタリスクにいた。それぐらいだよ」

 

「……わかった。教えてくれてありがとう綺優」

 

「感謝されるほどのことはできてないと思うけど……そうだ連絡先交換しない? 何かあったら連絡してくれ。これでも俺副会長してるから何かあったら力になれると思う」

 

 

 お言葉に甘えて綺優と連絡先を交換した。

 このあとは当初の予定通りユリスに学園内を案内して貰おうと思い、訓練所から出て行こうとしたんだけど

 

 

「綾斗!」

 

「綺優?」

 

「お前に突然こんなこと言っても混乱させると思うけど1つだけ言わせて欲しい」

 

「……?」

 

「クローディアを泣かせたら、許さない。ごめんな、またどっかで話そう。次はご飯でも」

 

 

 そう言っていた綺優の顔は真剣で、周りにいたみんなも驚いていた。

 ただ俺は心当たりがあって

 

 

『やっと……お会いできました』

 

 

 昨日生徒会室でクローディアに後ろから抱きつかれた時に言われた言葉……ひとまずそれに頷いて今度こそ俺たちはその場を後にした。

 

 今度こそ学園内の案内でユリスが案内してくれるんだけど……紗夜もどうやら学園内をちゃんと知らないみたいで、ユリスがそれでどうやって案内するつもりだったんだって怒ってた。

 流石の俺も笑うことしかできなかったね。

 

 ただその案内中、3人組に襲われたんだけど……いや、憶測で決めつけるのは良くない。

 とりあえずレスターといつも一緒にいる2人、その3人に似た体型と使う武器を装備していた。

 迎撃する際、噴水が吹き飛んでしまったんだけど……い、いやいや、何書こうとしてるんだ俺は。

 2人に失礼だろ。

 

 ひとまず明日は《黒炉の魔剣(セル=べレスタ)》と対面する事になる。姉さんが使ってた《純星煌式武装(オーガルクス)》……早めに寝て備える事にしよう

 

 

 

 

 




最後まで読んでくださありがとうございました!

次回もよろしくお願いします
次回はクローディアの日記です。駆け足で行きます
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