歌姫の日常記その4
久しぶりに帰ってきたアスタリスク。
綺優とご飯を食べに行って、《
私たちは人で子供。
すれ違うのは当たり前で、それぞれに考えがあってそれ全部を合わせる必要はない。
だけど歩み寄る努力は必要だと思う。
その結果、綺優が《
それに来年の《
せっかくなら頑張って欲しいね!
でも鎖のこと、天霧遥さんの《
今日は久しぶりに綺優の闘う姿を生で観てきた。
せっかくだからクローディアと一緒に
「久しぶりクローディア」
「ええ。お久しぶりですねシルヴィア。貴女にしてはお早い帰還なのでは?」
「まーね。観光せずにすぐに帰ってきたよ」
「それはまた。綺優は幸せ者ですね」
「ふふん♪ その通〜り。あーあ、早く《
「あら。まるで綺優が優勝して当然、のような物いいですね?」
「そりゃあ強い人だっていっぱい居ると思うよ。でも私は信じてる。綺優は負けない」
「……ふふ、随分と
「何か含みのある言い方だな〜? ま、でも油断はできないよね」
アルディとリムシィのロボットペアは勿論、天霧くんとユリスさんのペアだって手強い相手だ。
このまま順当に行けば綺優と沙々宮さんが優勝するには、この2ペアに勝たなくちゃならない
「終わりましたね。あの2人は苦戦することなく準決勝まで行くでしょう」
「だね〜。さてと! 私は2人のところに行くけどクローディアは?」
「今日は綾斗たちの試合は無くこの後は特に用事もありませんから……せっかくですしご同伴させて頂いても?」
「もちろん。エスコートはいかがですか? 姫」
「あらまぁ。随分とご丁寧に。ですが私よりも貴女の方がよっぽどお姫様ですよシルヴィア」
「あはは! かもね。どっちかというとクローディアは女帝とか女王の方がしっくりくるよ」
「……老けてるって言いたいのですか?」
「ち、違うよ。裏で色々根回ししたり、笑顔で斬首とかしそうじゃない?」
「あの……余計にひどくなっている気がするのですが」
確かに。少し見合ったあとおかしくて私たちは笑った。
控え室に行くと綺凛ちゃんは勿論、天霧くんにユリスさんもいた。
それにフローラちゃんと言う可愛いメイドさんも
「ふぁ、ふわぁぁぁぁ! 姫様姫様! 歌姫、シルヴィア・リューネハイム様です! 本物ですよ!! あの歌姫様が!!」
「わかったから落ち着けフローラ! すまないなシルヴィア。せっかくのオフだろうに」
「気にしなくていいよユリスさん。フローラちゃん、もし良かったら一緒に写真撮る?」
「よろしいのですか!? 撮りたいです!!」
せっかくなので複数枚撮った。
写真撮影している時に綺優と天霧くんがこんな会話をしていた
「まさか驚いたよ。本物の歌姫とこんなところで会うなんて」
「綾斗、俺の彼女だからな? ちょっかい出そうものなら──」
「わ、わかってるよ! それにちょっかいなんて出さないさ! 俺そんなに節操ないように見える!?」
「ユリス、紗夜、クローディア……しかも綺凛の服をひん剥いたあげく胸を鷲掴み。なんならプリシラさんも怪しい」
「ま、まってまって!? 何を言ってるの綺優は!? 言い方に悪意があるって!」
「そ、そうだぞ! 綺優! なぜ私がそこに入るのだ!?」
つまり、ユリスさんに沙々宮さんとクローディアは天霧くんのことが好きで、綺凛ちゃんはセクハラを受けてて、プリシラさんにも唾をつけてると。
現在進行形で少なくとも5人の女性と繋がりがあるわけだ。
私の第一印象は、たらし。女の敵。ってのが正直な感想なんだけど。悪い人ではないことはわかった
「いやでも本当に婚約してるんだもんね2人は……」
「そうだよ天霧くん。改めて私はシルヴィア・リューネハイム。綺優の
「はわわわ! 刀藤様はすごいお方なのです! 歌姫様をシルヴィア様の心を射抜いているなんて」
「少し違うよフローラちゃん。先に射抜いたのは私だよ〜。ね? 綺優」
「……ノーコメントで」
逃げたね。綺優はなんなら一目惚れかも知れないって前に言っていた。
私もそうかも知れないけど、それは内緒にしてる。
だって先に好きなった方が負けって聞いたもん
「みんな注目。この後の動きを知りたい。私は綾斗と一緒にご飯を所望。綺優はどうする?」
「俺は少し休みたいかも。明後日は準決勝もあるわけだから。アルルカントの試合を振り返りたい」
「む。私もじゃあ残った方がいい?」
「いや紗夜のやりたいようにすればいいと思うよ。纏めたものを明日共有しよう。それで他のみんなは?」
「俺とユリスはフローラちゃんと昼食を摂りに行ってくるよ」
「私たちはこの後ショッピングの約束なの。ね?」
「はい! 兄さん、姉さんを1日借りますね」
「となると最後はクローディアか。クローディアはどうするの?」
「そうですね……でしたら綺優の手伝いでもしましょうか。記録は全てとってありますから」
「助かるよ。じゃあみんなまた」
そんな訳でみんな解散して私は綺凛ちゃんとのショッピングを楽しんだ。
ただ……クローディアが少し寂しそうにしているように見えた。どうしたんだろう?
今日は天霧くんとユリスさんたちの試合を観戦してきた。相手は界龍の黎沈雲と黎沈華の双子兄妹。
性格の悪さは聞いていたけれど、まさかあそこまで酷いなんてね。見ていて気持ちのいいものではなかった。
范星露は力を授けることはあっても、人を導くことはしないからあんな弟子たちは少なからずいる
「お疲れ様天霧くん。ユリスさんも。色々とストレスの溜まる試合だったね」
「シルヴィアにクローディアそれにフローラちゃんも来てくれてありがとう。
ご覧の通りおかげさまで制服がボロボロだよ」
「全くだ。クローディア、替えの制服を頼む」
「はい勿論ですよ。この後は皆さんどうしますか?」
「綺優と紗夜の試合を見に行きたいけど……間に合わないかな流石に」
「そうだな……なら明日の作戦会議をするとしよう。シルヴィアはよかったのか? こっちに来て」
「うん。私の勘が今日の2人の試合は観るべきだって言ってたから。
その証拠に……天霧くん、封印を解けたんじゃない?」
「……驚いたな。流石だよ。まだ全部じゃないけどだいぶ取り戻せたと思うよ」
今までは1人でなんとかユリスさんを勝たせないと俺がやらないと、って感じだったけど……今日の試合はちゃんとパートナーであるユリスさんに頼って信頼して戦えてた。
天霧くんは綺優と同じところがある。自分が傷つくことを恐れていない。
でもそれは決して強さではないことを綺優は知っている。
そして天霧くんは今日気づいた。
これは難しいよね。人に頼るって思ったより大変なんだから
「じゃあ少し休んでから綺優と紗夜に会ってから、明日に備える感じかな」
「いや綾斗。沙々宮はまだしも綺優には会わない方がいいぞ」
「え?」
「そうですね。ユリスの言う通り合わない方がいいと思います」
「だね〜。今の綺優はちょっと私も会いづらいかも」
「あ、あの。刀藤様に何かあるのでしょうか?」
今回アルルカントは派閥が違うとはいえ、綺凛ちゃんに手を出してしまった。
そして明日はそのアルルカントとの試合……気が立っているかも知れないからね
「えぇ……それで八つ当たりするような綺優じゃないと思うんだけど」
「流石に綺優の奴もそんなことはしない。ただ……」
「周囲に纏ってる《
シルヴィに対する誹謗中傷の時や、綺凛さんが序列一位になった時の綺優はそれはもう」
「綺優ってば《白夜叉》とは別に《剣鬼》って一時期呼ばれてたよね」
「直接的な害がなくてあれだ。しかし今回アルルカントは綺優の妹に手を出している……想像が容易なだけにしたくないな」
「た、たしかに……俺の時もわりかし本気で殺気放ってたからね……」
「刀藤様は妹想いの素晴らしい方なんですね!」
フローラちゃんの純粋なキラキラした瞳に私たちは目を合わせ苦笑いを浮かべた。
あれはもう
《
刀藤綺優&沙々宮紗夜vsアルディ&リムシィ
のペア。
前年度の
『さぁさぁ! 皆さん! 待ちに待った方も多くいらっしゃることでしょう!
今宵──ってまだまだお日様がでておりますが! これから行われる試合は、巷で本日が《
『そッスね。気持ちは分からなくはありませんがこれは準決勝。もう一つのブロックで行われる2ペアに失礼ッスね』
『あ、すみません! 決してそんなつもりで言ったのでは』
『あはは。わかってます。あくまでもそれだけこの試合を心待ちにしている人が多いってことッスね』
『はい! それです!』
『もう一度言いますが、そう言い表したくなる気持ちはわかるッス。なんせ今絶賛話題沸騰中のアルディ選手&リムシィ選手ペアに、《
解説陣による紹介に会場は湧き上がる。
その熱は控え室にいる綺優と紗夜のもとにまで届いていた
「綺優ありがとう。綺優のおかげでここまで来れた」
「どういたしまして。それにちゃんと借りは返してもらうから」
「うん。わかっている。来年の《
「ありがとう。言っておいて申し訳ないとは思うけどね」
「大丈夫。綾斗はリースフェルトのために戦うといった。
リースフェルトは《
「それもそうか……よし、時間だ。行くぞ紗夜」
綺優と紗夜は控え室から出てステージに続く通路を歩く。
ステージ入場口の手前で人影が2つ。対戦相手であるエルネスタとカミラのものだった
「お望み通り壊れないロボット作ってきたよ《白夜──っ!!」
突如、2人を襲う綺優の気。それには怒りが含まれている。エルネスタはその理由を問うまでもなくわかっていた。
背筋に嫌な冷や汗を流しながらも悟られないよう強気に一歩前へ踏み出す
「まるで怒ってるのは自分だけって感じじゃん。言っとくけど、頭にきてるのはうちらもだよ」
「エルネスタの言う通りだ。数々の侮辱、私たちが勝った時には撤回と謝罪して貰うぞ」
「それ言うなら私もそう。お父さんの《
「……万が一にも無いがその時はいいだろう。沙々宮教授は間違っていなかったと認め、謝罪を述べよう」
互いに譲れない想いがぶつかる。
しかし綺優は何も発さず静かに2人の間を通り過ぎステージの方へと向かった。
そんな終始こちらを相手にしない綺優の態度に、エルネスタは気に入らなさを感じ呼び止める
「何か一言ぐらい喋りなよ《白夜叉》。あ、それともあれかな? うちらの子達が思った以上に厄介で、お話しする余裕も無い感じ?
それなら邪魔してごめんね〜?」
綺優が立ち止まると顔だけ少し振り返りエルネスタを睨みつけた
「……試合を見てて思った」
返事をするとは思わず3人は内心驚く。
綺優の表情と纏っている雰囲気から相手にしないものとばかり思っていたのだ
「随分と良く喋るな。あのロボット達は親譲りってことか」
「……ッ!」
「お前達は俺の大切な存在に刃を向けた。絶対に許さない」
「そう……ならもうとことんやろうじゃない」
それを最後に綺優と紗夜は再び歩み出しステージへと入場した。
既にステージにはエルネスタとカミラの代理として参加している、アルディとリムシィ両機の姿があった
最後まで読んでくださりありがとうございました
巻き巻きの巻きで、もう4巻はおしまいです(遠い目)
おかしいな…綾斗とユリス頑張って戦ってたし、姉さんを知る為、あれよこれよと綾斗なりならもがいてた筈なのに…でも是非もないよね!失踪するぐらいなら早く完結させちゃったほうがいいし、もう何年前の作品だよ!みんなわかってるよ!ってなるかもですからね!ぐだるのよくない。
本当にこれ…昔の自分は一個づつ丁寧に全部やってました(若かったなぁ)
未成年から大人になり、いろいろ失ったかも知れませんね(あれ、なんの話だっけ)
それではいろいろと長くなりましたが次回はアルディたちとの戦闘になります!
次回もよろしくおねがいします!