兄さんがアスタリスクへ行ってしまわれました。
お父さんを取り戻すために……
お父さんが捕まってしまった理由は自分のせいだと兄さんは言いますが、本当は私が不甲斐ないせい。
私がもっと強ければ、立派だったらお父さんも兄さんもこんな想いせずに済んでたはずです……
きっと……ううん、兄さんは絶対
本来ならそれは私の役目なのに。
なら私がすべき事は、将来アスタリスクに行って
そして助けてくれたお父さんにも……落ち込んでいる時間はない。もっと頑張らなくちゃ
兄さんが《星導館学園》の序列12位になりました。
初の序列戦で《
与えられた渾名は《白夜叉》……兄さんにピッタリな強くてかっこいい名前だと思います
兄さんから夏休みにこっちに帰ってくるって連絡があった。
帰ってきたら稽古つけてもらいたい。
夏休みに帰ってくるということは……兄さんは今年の
ペアが見つからなかったのでしょうか?
確かに兄さんほどの剣客について来れる人は中々いませんよね……いつか私が隣に立てるように精進します
夏休み直前の最後の序列戦で、遂に兄さんは序列1位の座に君臨しました。
やっぱり兄さんはすごいや
兄さんが帰ってきました。
でも私は出稽古で家を空けているので会えるのは明日です……早く帰りたいな
今日早速帰ってすぐに兄さんに稽古をつけて頂きました。
兄さんの連鶴は本当に凄くて……本当に本当に凄くて……凄いのに……なんで兄さんが刀藤流を継がないの?
私なんかが継いで本当にいいのでしょうか?
兄さんにまだ1度も勝てたことがないのに……不安で仕方ありません。
現に私は《千里眼》と呼ばれる力を手に入れましたが、既に兄さんもその力を手に入れており、その力の名前、《千里眼》の名称も教えて頂きました
「綺凛は俺より強くなれる」
「はい! 頑張ります」
「それにな、綺凛。別に強くなる必要はない」
「えっ……?」
兄さんは目の前まで来てしゃがみ、私の目線の高さに合わせてくれると頭を撫でてくれました
「綺凛のことは俺が守る。綺凛を守るために俺は兄として先に産まれたんだから」
「っ……! でも兄さん私は……強くなりたいです」
「大丈夫だよ。今の努力を続けてれば強くなれる。だから無理はしなくていいって伝えたかったんだ」
「……はい」
すると兄さんが頭をわしゃわしゃと撫でてくれました
「本当に綺凛は可愛いなぁ」
……えへへ。
久しぶりに兄さんとお風呂に入ってのんびりして楽しく過ごせました
兄さんが……女性の人と楽しく通話してました。
『──それでね!』
「うん。ゆっくりでいいよシュビア」
その時の兄さんの顔はとても優しくて、あの笑顔は私たち家族だけに向けてくれてたものなのに……少し寂しくなりました。
こんなこと思う私はきっと性格が悪いんだと思います。
せっかく兄さんが帰ってきてくれたのに、兄さんと一緒にいる時間が誰かにとられて寂しいと思いました
「おまたせ。ごめんな綺凛? おいで」
「……はい」
ソファーの横をトントン、って叩いて私を呼ぶ兄さん。
隣に座るとまた頭を撫でてくれました……それだけ全部許してしまう自分が悔しいです
「……兄さんは私のなんだもん」
「ん? 綺凛なーに? なんて言ったの?」
「な、なんでもありません! わがまま言ってごめんなさい」
「……? 言いたいことがあったら言ってね。綺凛のためなら何でもするぞ」
兄さんはこう言ってくれるけど……アスタリスクで恋人はできなかったって言ってたけど、いつかできたら……私よりも想い人を優先しちゃうのかな? もしそうなったら寂しいな
「──綺凛が継ぐべきだと思ってます」
今日大叔母様と兄さんが次の当主をどうするべきか話し合っていた。
兄さんはまだ13歳なのに叔母様からとても頼りにされていて、叔母様は兄さんを次代の当主にしたいと考えている。
でも兄さんにはその気が無いみたいで、ずっと私の名前を挙げていた。
──私に本当に務まるのかな? そんな器なのかな?
心配だけど兄さんは私に嘘をつかない……だから兄さんを信じる。今の私にはそれしか無い。
あ、でも優しい嘘はつきますね
兄さんが《六花》へ帰りました。
次は冬休みが始まると同時に来てくださるとらしいです。
それでまた成長できるようにがんばろう
冬休みが始まった。兄さんは最初今日帰ってくる予定だったけど、26日の便に変更した。
何でも護衛の依頼を任されたらしい。
兄さんに頼むなんて……見る目がありますね!
「──お久しぶりです。綺凛さんもお元気でしたか?」
突然本日、兄さんの剣の師匠である沖田総司さんが家にやって来ました。
昔一目遠くで見ただけだったのですが、今日こうして向かい合って分かってしまいました。
今の私じゃこの人には絶対に勝てない。そして、兄さんよりも強いかも知れないって
「沖田や、突然くると聞いた時は驚いたぞ」
「ちょっとお仕事で近くに来てたのでぜひご挨拶にと。綺優は帰って来てないんですか〜?」
「まだ帰って来ておらんな。弟子に会いたくなったのか?」
「そりゃあ私の一番弟子にして唯一の弟子ですからね! 少しの間お邪魔させてください」
その後も色々話してて、ご飯も一緒に食べて何事もなく一日が終わりました。
とても綺麗で、髪も桜みたいに美しい人だけど少し怖い印象が感じられます
今日あったことを私は忘れられないと思います。
家の外が静かすぎて気になった私は外に出ました。不自然なほどの静寂、すると家の外には沖田さんが居て周りには沢山の人が倒れておりました。
すると私の存在に気づいた沖田さんが
「綺凛さん。このことは皆さんには秘密ですよ」
「ひ、秘密ですか?」
「はい。騒ぎを大きくしたらご迷惑になりますからね」
私はそれに頷きました。
少しして大叔母様もやって来て、少し話し合った後、警察? の方がやって来て気絶してた人たちを連れて行ってくださりました。
すると沖田さんも京都へ帰るといい、私はこの襲撃があると知っていたから沖田さんが私たちの家へ来てくださったのだと理解しました。
欲を言えば一度、お手合わせしてみたかったです
兄さんが初めて友人を……それも女性のアイドルのシルヴィア・リューネハイムさんを家に連れて来ました。
私は何も聞かされてなくて、でも大叔母様もお母さんは知ってて、許可を取っていたらしい……
「うふふ、なぁーに綺凛ってば、妬いちゃったの?」
「……だって、お兄ちゃんと久しぶりにゆっくり話したら稽古できると思ったのに」
「あらあら。お兄ちゃんって呼ぶなんてよっぽどなのね」
「っ……!! もうお母さんなんて知らない!」
恥ずかしくなった私は自室へ戻った後、結局落ち着かなくて兄さんの部屋を覗きに行きました。
シルヴィさんと何か話してて、私に気づいたシルヴィさんが兄さんへ何か話してます。
すると兄さんに呼ばれ、私は急いで駆け寄りました。
兄さんの袖を掴んで軽く牽制しておくことも忘れません
「刀藤綺凛です! よろしくお願いします!」
「──いい」
「え、えっ?」
「かわいい!」
「はうっ」
すると突然、シルヴィさんは私のことを抱きしめて頭を撫でてくれました。
少し苦しくて兄さんに助けを求めると微笑んでいて、この時私は分かってしまいました。
──ああ、兄さんはこの人、シルヴィアさんのことが好きなんだって
「ねえ! 綺優! 綺凛ちゃん連れてお風呂に行ってもいい?」
「綺凛がいいならな」
「ね! ねね! 綺凛ちゃん私と一緒にお風呂入ろ?」
「……ぷは! わ、分かりました! 分かりましたから!」
「決まり! じゃあ早速行ってくる」
大浴場に連れて行かれて私たちは2人で堪能しました。
その際に色々と話して
「綺凛ちゃんはお兄ちゃんのこと──綺優のことが好きなんだ」
「はい! 大好きです……え、えっとそのシルヴィアさんはお兄ちゃんのこと好きなんですか?」
「シルヴィでいいよ綺凛ちゃん。綺優のこと?」
「で、ではお言葉に甘えてシルヴィさんって呼びますね。……あ、あのシルヴィさんはアイドルなので答えづらかったりするかも知れませんが──」
「──好きだよ。私も綺優のことが大好き」
「っ……やっぱりそうなんですね」
「うん。ごめんね? お兄ちゃんがとられるのはいや?」
「そんないやとかじゃ無いんです……でも構ってくれなくなるのは少し寂しいなって」
私は恥ずかしくなって湯の中に顔を少し隠しました。
するとまたシルヴィさんが私のことを抱き寄せてくれて、優しく頭を撫でてくれました
「ごめんね。でも独り占めには絶対しないから。だから綺凛ちゃん、私も綺優と一緒にいさせて……ダメかな?」
「……いいえ。お兄ちゃんのことよろしくお願いします」
「ありがとう」
その後、お風呂でてみんなで美味しくご飯を頂きました。
楽しい時間が過ぎるのはあっという間です。
シルヴィさんと兄さんが同じ部屋で寝ると聞いて、私も一緒に寝ることしました。
この後が楽しみです。いい夢が見れそう
最後まで読んで頂きありがとうございました
次回もよろしくお願いします
次回からさらに時系列?物語?のペースアップになる予定です
ちょっと忙しいので更新は金曜日の夜か、土曜日の夜になると思います