魔法科高校の劣等生 欠陥品の魔法師   作:ユウジン

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クラスメイト

「へぇ~そんな話を」

「まあね」

 

大翔は摩利に頼まれた(押し付けられたとも言う)書類を真由美に渡す。

丁度今は他の生徒会のメンバーがいないため姉弟として会話ができる。まああずさにだけはバレてるので彼女しかいないのならそういう風に会話もできるが……

 

「確か結構丁場なんだよな?」

「そうね、何て言ったって10日間も全国の学校が集まるわ。でも今年もうちが優勝とるわよ」

 

現在一高は2連覇中であり歴代でも最強と呼ばれる現在の三年生世代に加え多くの強者が揃っている。

三年にしてみれば今年も優勝してこそ意味ある優勝になるだろう。

 

「ま、油断はできないのよねぇ。うちは目の敵にされるだろうし何より今年の三高には一条の子が入ったらしいから」

「一条って……【爆裂】の一条?」

「他に警戒すべき一条は心当たりがないわね」

 

真由美や大翔と同じ(大翔は隠しているが)数字付き(ナンバーズ)の人間……特に一条は【爆裂】と言う固有魔法を得意としておりそこの長男の一条 将輝は新ソ連の佐渡侵攻と言う戦いの際に現在の当主である父と共に義勇兵として戦い【クリムゾンプリンス】と言う二つ名が付くほどの戦果を残した。

 

因みに昔……本当に昔だがまだ七草だったころに数回会ったことがあって遊んだ記憶がある。

 

「しかし日本もよく狙われるよな」

「沖縄の一件もあるし最近は落ち着いてはいるけどね」

「たしか一人で大亜連合叩き潰したってやつだろ?そんな魔法師ホントにいるのか?いたら確実に戦略級だぜ?」

「戦略級魔法師は素性を隠している者もいるから……案外身近にいるかも」

『あははははは』

 

二人は笑った……そんなわけ無いだろう。つうか戦略級がそんなバーゲンセールじゃあるまいしポロポロいるわけない。

 

「まあ話は戻すけど九校戦はCAD自体は大会専用だけどソフトは無限大よ」

「エンジニア次第でどんでん返しもあるってことか……」

「その逆もね」

 

大翔は肩を竦める……

 

「そうだ、大翔はエンジニアとしてきなさいよ」

「なんで?」

「エンジニア不足が問題なのよねぇ。ほら、あなた自分のもやってるんだし何より黒奈さんから教わってるんだから相当な知識あるでしょ?」

「ぜぇったいやだね」

 

大翔はベー!っとやって生徒会室からさっさとでた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことがあった次の日……

 

「おらおら退きやがれ!」

 

魔法科高校にも体育の授業がある。まあ当たり前だな。

 

と言うわけで競技名はレッグフットボール……張力が凄まじく壁などにバウンドしようものならものすごい速度で反射していき敵味方区別なく吹き飛ばすボールを使った今世紀初頭のサッカーを源流にした競技だ。

 

そしてその競技ではレオが相手チームを吹き飛ばしながら大翔にパス……

 

「よっと!」

 

魔法師としては情けない限りだが運動神経は事故の影響でずば抜けているのでなんなく更にパスをする。

 

「達也!」

 

そのパスを達也は一旦空中に蹴りあげ天井に跳ね返させるとタイミング良くボールを踏みつけて止める。そこから……

 

「吉田!」

 

達也がボールを回したのは同じクラスだが話したことがない男子……吉田 幹比古だ。

 

そして幹比古はキラーパスにも近い達也のパスに難なくついていきダイレクトシュート……

 

(見た目ヒョロイけど鍛えてるな……)

 

と大翔は思った。見た目以上に動けるし勘も良い……噂では聞いたことがあったがあれが吉田家……精霊魔法を得意とする名門の次男だろう。

 

「随分動けるみたいだな」

 

すると達也が話しかけてきた。

 

「ああ、思わぬところに鷹がいたな」

 

大翔が頷くと丁度笛がなって休憩時間となった。しかし相手が可愛そうになるくらいの大差だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナイスシュートだったぜ。吉田」

 

休憩の時に大翔、達也、レオの三人で早速話しかけてみた。

 

「そっちもね」

 

レオに吉田は返事をすると、

 

「ただ幹比古で良いよ。名字で呼ばれるのはあまり好きじゃないんだ」

 

それを聞いて大翔と達也は首をかしげた。仮にも名門の家柄である彼が名字を嫌う?無論大翔のように家を隠してたり家との確執があるのなら分かるがそういったのは聞かない……まあ人其々だろう。

 

「なら俺はレオでいいぜ」

「大翔だ」

「俺は達也だ」

 

すると幹比古は笑う。

 

「ああ、知ってるよ。有名だからね」

 

それ聞いて大翔と達也は眉を寄せた。それはきっといい噂ではない。

 

「それにレオはあのエリカと張り合えるからね。すごいと思うよ」

「知り合いだったのか?」

 

口調的に古くからの知り合いらしい。だがクラスで話してるのを見たことがなかった。

 

「所謂幼馴染みってやつよ。まあクラスでは避けられてるけどね」

「何だエリ……っ!」

 

声からしてエリカなのは分かりきっていた大翔は振り替えって……固まった。

 

「な、何だその格好は!」

「ろ、露出が激しいじゃないか!?」

 

エリカを見たレオや幹比古もギョッとした。

 

普通体育は下はスパッツであることが多い。無論自由なのだが現代のドレスコードは極力肌を露出しないのが礼儀だ。私服では別の話だが制服が長袖ロングスカートにレギンスまで着こんでいるのはその辺が理由なのだが今のエリカの格好……スパッツと違い股までむき出しで剣術で鍛えられた健康的な脚が完全に見えている。

 

基本的にエリカは深雪に次ぐ美少女であるためかなり扇情的だ。というか普段からそう言ったものを見る機会が制服の関係上殆んどない男子高校生から見れば仰天して当たり前である。

 

「随分すごい格好だな」

「そうかな?ブルマーって言うらしいんだけど」

 

だが唯一動じなかった達也はエリカに率直な感想を言った。その精神力を少し分けてほしい限りである。

 

「そんなに変?」

「お、俺に振るのかよ……」

 

大翔はエリカに聞かれてハワワ状態である。一応大翔も年頃の男の子なのでエリカのような扇情的な姿を見ればそっちにどうしても目が行く……一応姉に妹もいるので女に対して免疫がないとは言わないがかなりと言うか相当個性的な姉妹達であるし裏を返せばその女性たちと以外はあまり親しくしてきていなかった。

 

無論言い寄ってくる女性は多かったがそれはあくまでもその程度で終わりだ。しかもエリカは何度も言うが美少女……そんな女に来られては大翔としてもどう反応すべきか迷う。

 

「やっぱ露出激しいんだと思うよ?エリカちゃん」

 

そこに来たのは美月……制服の上からもわかってはいたが体育着になるとその豊かなお胸が良く分かる……

 

(は、鼻血が……)

 

鼻から何か暖かいものが出てきそうになり大翔は鼻の根本を抑えてトントン後ろ首を叩く。

 

「うーん……あんまし動きやすいもんじゃないし変えとくか……ミキ達も変な感じだし……」

『ミキ?』

 

大翔やレオが首をかしげる。

 

「だからエリカ!僕の名前は幹比古だ!」

「だって言いづらいんだもん。それともヒコがいい?」

「何でそうなるんだよ!」

 

何だか行きなり喧嘩し始めた……すると、

 

「エリカ、美月……先生が睨んでるから戻った方がいいんじゃないか?」

「あ、やば!」

「そ、それじゃまた後で」

 

達也に言われてエリカと美月は戻っていく。

 

「その……ごめん、助かったよ」

 

二人が居なくなると興奮していた幹比古も落ち着いた。

 

「いや、別に本当のことだったからな」

 

達也が言うと幹比古は少し笑った。

 

「でもすごいね。エリカのあれを見ても動じないなんてさ」

 

幹比古なりに話を変えようとしたのだろう。それを汲み取って達也も答えた。

 

「レオタードや水着よりまだ隠せているだろ?」

 

まあ端から聞いたら結構頭の悪い会話になってしまったが……

 

「え?そう言う問題?」

 

幹比古は首をかしげた。

 

「ま、達也の場合妹があの司波だもんなぁ……」

 

これはレオだ。

 

「そうだなぁ。きっとこのシスコンお兄様は深雪以外の女なんてヘノヘノモヘジに見てるんだろうぜ?」

 

これは大翔だ。

 

「レオ、大翔……お前たちとは一度ジックリと話し合う必要性がありそうだな」

『おお、コワ!』

 

まだ命が惜しいのでレオと大翔は距離をとった。

 

「………………」

 

それ見ながら幹比古は思う。

 

この三人が戦ったら誰が一番強いのだろう……かと。

 

体格ならレオが圧倒的だ。次に達也、そして大翔と続く。

 

だが話では聞いたことがあった。達也と大翔の一科生を纏めて叩き潰し噂では入学すぐの事件の功労者も二人らしい。そうやって考えれば達也か大翔だろうか……

 

(知りたい……)

 

と幹比古は純粋に思った。二科生でありながら一科生に引けを取らないその強さ……それを知ればこの喪失感を埋められるかもしれない……前を見れるかもしれない……

 

「おい、幹比古」

「っ!――な、何だい大翔」

「授業が再開するぞ」

「あ、うん。そうだね」

『?』

 

三人は幹比古の奇妙な行動に首をかしげたのであった……

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