三回目の4月13日。
「流石にもう大丈夫・・・!」
二度の失敗を経た俺に隙はなかった。
「酒と色仕掛け、もしかしたら他にもやってくるかも知れないが」
想定外の事態にも対処できるように心の準備をしておく。
「いくぞ!!」
「萩野君・・・///」
「うんうんそうだね」
経験が生きたのか、ここまで上手く躱していた。
そして飲み会も終わり際。
「ねぇ、よかったらライムの交換しようよ!」
「・・・まぁそのくらいなら」
連絡先の交換を要求される。ここまで冷たい態度を取ってきたのでそれ位はいいかと思い許可。
「じゃあまた連絡するね!」
そして飲み会は無事終了。
俺もハッキリと意識を保ったまま一人帰路につく。
「よしよしよし!一日目を乗り切ったぞ!!」
家に着き、歓喜に震える。たかが1日、されどやっと先に進めることに安堵した。
「明日からもどんな人と知り合うか分からない、だが負けん!!」
100日間童貞を守りきらなければダメというルール自体はあるが、
せっかく生まれ変わったのだ。新しい人生を謳歌したいとは思う。
その為童貞さえ奪われなければ、可愛い子と仲良くなれるのは万々歳だ。
100日後自由になったとき、彼女になってくれるかもしれない人だ。
今の目標は童貞を守りつつ、色んな女の子と仲良くなることだ。
「んっライムか」
【今日は楽しかったよ!今度は二人で飲も!】
【スタンプ】
送り主は安藤だった。
「あの女め、諦めてはいないようだな」
【スタンプ】
安易にOKするとまた大変な目に遭いそうなので適当なスタンプでお茶を濁す。
すこしだけげっそりしたが、上手に付き合えばいいだけだ。
「よし!念願の二日目へ行くぜ!!」
4月14日。
今日は朝から大学で講義があった。
大学に着き、目的の教室に向かっている最中に違和感を覚えた。
(俺・・・見られすぎじゃね??)
大学に着くなり、すれ違う女子達から必ずと言っていいほど視線を向けられる。
なかにはすれ違った後にひそひそ話をしている人もいたくらいだ。
(多分だけど、この容姿のせいだよな)
昨日は分からなかったが、どうやら今の容姿はこの世界の女子達に刺さるらしい。
見た目がいいのは良いことなのだが、あまりに目立つと大変そうだ。
この容姿にした神様をちょっとだけ恨む。
(まぁ、その内慣れるか・・・)
そうこう考えている内に目的の教室に到着。
適当な空いている席に座ると、近くの女子達が黄色い声をあげた。
(講義開始までは大人しくしているか)
講義開始まで20分ほどある。少し早く着きすぎたか。
スマホを取出し適当に時間つぶしでもするかと思っていたところ
「ねぇねぇきみきみ~」
「?」
「そこのスマホ弄ってるきみだよ~」
「俺??」
声がした方を向くとそこには、金髪ロングで青のインナーカラーが入っている服装と相まって派手目の女子がいた。
「えと、俺になにか用ですか?」
「別に用があったわけじゃないけどさー、つい声かけちゃった」
そう言うと彼女は隣の席に座ってきた。
「きみ何年生?」
「2年だけど」
「あっまじ?後輩じゃん。道理で普段見ないと思ったよ」
「・・・先輩?」
「そっウチ3年」
この講義は複数の学年がいる講義なのを思い出す。
急な接近にしどろもどろしていると、にへら~って顔で彼女は言った。
「あっウチ?ウチは「風見奈那」。よろしく~」
「・・・萩野真です」
「萩野っちね、よろ~」
自己紹介が終わると俺の手を握ってぶんぶんと振ってきた。
なんというか、ギャルって感じの人だな。
「えと、それで風見先輩は」
「風見先輩って堅いよ~、それに敬語とかめんどいし楽に喋ってよ」
「じゃあ風見さんで」
「奈那って読んでくれた方が嬉しいかな~」
この人圧が強い・・・!!
いきなり呼び捨てとか難易度高すぎ!!
「・・・」
「あっもしかして照れてる?かわいいかよ~」
バレてしまった・・・
「・・・奈那」
「いいじゃんいいじゃん!」
腹をくくり名前で呼ぶ。
「いやーそれにしてもビックリしたよ」
「なにが?」
「この大学にこんなカッコいい人がいるなんて」
「それって俺のこと?」
「萩野っちに決まってるじゃん!」
「そんなもんか・・・」
「もう見た瞬間びびって来ちゃったよ!それで思わず声かけちゃった」
なるほど、この容姿はそこまでの力があるのか。
「これは知り合いにならなければってってね」
奈那は見た目通りギャルっぽい感じだが、そのルックスは非常に優れている。
おまけに気さくな感じで話していて楽しい。
予期せぬ出会いだったが、知り合えたことに感謝した。
「あっ、折角だし連絡先交換しようよ」
「いいぞ」
お互いスマホを出してライムの連絡先を交換。
これで女子の連絡先は2つになった。
「てか話変わるんだけだけどさ、萩野っちって彼女いる?」
「・・・いやいないが」
「じゃあじゃあ、ウチを彼女になんてどう??」
「は??」
出会って俺らまだ10分ぐらいだよな??急すぎませんか??
「・・・」
「いやー萩野っち絶対モテるじゃん。だから今のうちにって!」
出会ってすぐの告白なんて前世では俺の頭では考えられない。
この世界の女子の行動力なめてました・・・
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、ごめん」
「あちゃ~ダメだったか」
本気で落ち込んでいる様子はないし、あわよくば位だったのかも知れない。
もし今彼女なんて作ろうものなら速攻で童貞失ってやり直しが目に見えているからな。
「まぁでも彼女欲しくなったらいつでも言ってね~」
「考えておくよ」
「やった!待ってるからね~」
「とりあえず今は友達になろう」
「なに言ってるのー?ウチらもう友達じゃん!」
すげぇこれが陽キャってやつか・・・
「あっ教授きたっぽい、ウチ友達のとこ戻るね!」
「おう、またね」
結局講義が始まる直前まで奈那と話していた。
その後いくつかの講義を終え、本日最後の講義。
学部での講義だったので教室には奴がいた。
「萩野君ー!」
「こんにちは」
俺の姿を見ると安藤が寄ってきた。
「昨日はありがとうね!」
「こちらこそ、楽しかったよ」
「私も楽しかった!」
邪険気味にしていた俺に対して変わらない笑顔で接してくる。
「今度は二人で行こうね・・・?」
上目遣いで言ってくる。
その仕草にはやはりドキドキしてしまうが、その手には乗らない。
「うん、また機会があればね」
「絶対だよ!」
「おーい、朱莉ー?」
「あっごめん、呼ばれちゃった。じゃあまたね!」
そのまま安藤は友達のところへ戻っていった。
安藤と話すのは少しだけ緊張したが、案外なんとかなるもんだな。
「ふぅー今日は無事に終われそうだ」
大学が終わり、帰宅。
レポートなどをやりながら一息つく。
「流石に毎日危険があるわけではないか」
初日のようなイベントが毎日起こるわけではないと分かり一安心。
ただし、今日知り合った奈那みたいに少しでも油断すればやり直し不可避の事があることだけは気にとめておこう。
【こんこん~これからよろしくね~】
【スタンプ】
丁度奈那の事を考えている時にライムが来た。
【こちらこそよろしく!】
【スタンプ】
その後少し奈那とライムで雑談をした。
前世では女子とライムで雑談なんてほぼしたことなかったからこれはこれですごく楽しい。
今のところは順調にいっているはずだ。
明日はどんな一日になるだろうか。期待を胸に就寝した。