HELLSINGの少佐がミレニアムで教師をしている話   作:海鮮横丁

23 / 43
ミノリと7並べとかしてえなと思ったけど

キャラエミュ出来ねえからこうなった


革命の伊達男

「さて、レッドウィンターに来たはいいが」

 

帽子のつばを押し上げ、慎重に辺りを確認する。

 

「まさか襲撃の真っ最中とはね」

 

伊達男の真上を銃弾や砲弾が飛び交う。

その様を見て獰猛に笑う。

 

「やれ、楽しくなってきたのはいいが、理由が分からん」

 

雪の上に伏せたまま、耳を澄ませる。

 

『ええい!何故だ!何が不満だ』

 

『何でも工務部に出されたプリンが水っぽかったと』

 

『そんなことは知らん!』

 

大声でワーワーと騒ぐ彼女等の声に頭を抱える。

 

「あれが、ここの生徒会長の連河チェリノか。副官は有能という話だが、どうするかな」

 

別に報告する必要もないのだ。

任務として来ているわけではない。

 

「工務部に当たる手もあるが、准尉の説明通りならかなりの食わせ者のようだし」

 

このまま帰っても問題はないのだ。

だが、それでは詰まらない。

 

「プリンが原因で内戦か」

 

伊達男は真顔で頷く。

 

「なるほど。実にレッドウィンターらしい」

 

そして次の瞬間、頭上を飛び越えた砲弾に笑みを深めた。

 

「よし。まずは話を聞こう。撃たれない程度にな」

 

雪を払いながら立ち上がる。

 

 

銃撃が激しい方に手を上げて、近付く。

 

「撃つな撃つな。私は観光客だ」

 

すると不思議なことに銃声が途絶えた。

 

『誰だあいつ』

 

『知らん』

 

『チェリノの刺客か?』

 

『いや、あんな堂々と歩いてくるか?』

 

『確かに』

 

『じゃあ革命家だな』

 

『なるほど』

 

「何がなるほどだ」

 

気付けば腕を取られ、そのまま革命軍本部らしき建物へ連行される。

 

「諸君!新しい同士を歓迎しようではないか!」

 

「伊達男。トバルカイン・アルハンブラといったな。何が目的かは聞かん!だが、一人でも戦力が欲しいのは事実だ」

 

大きく手を振り回し、演説を始めるミノリ。

 

「あのにっくき生徒会長を今度こそ打倒し、権力を奪い取るのだ!」

 

随分と過激だ。

 

「なるほど」

 

腕を組みながら頷く。

 

「プリンが水っぽかったから革命を起こしたわけではないのだな」

 

「当然だ!」

 

ミノリが力強く断言する。

 

「きっかけはそれだが!」

 

「君は何故我々に加わる!」

 

「成り行きだ」

 

「素晴らしい!革命家らしい理由だ!」

 

「そうかね」

 

「そうだ。革命とは勢いだ!それでは、諸君。私たちの革命を始めるぞ」

 

ミノリの一言で驚く程綺麗に工務部の生徒たちの統率が取れる。

そのまま、校舎を包囲に行くのだろう。

 

ライフルを担ぎ。

 

スコップを振り回し。

 

何故か火炎放射器まで持ち出して。

 

工務部の生徒達が雪原を駆けていく。

 

ミノリはじっと伊達男を見る。

 

「君は革命家には見えん」

 

「そうかね」

 

「だが、面白い人間ではありそうだ」

 

「そいつは有難い。私としては色々と面白そうだから関わっているだけだ」

 

「それは結構。だが、私は客人とはいえ容赦はしない!君にも礎になってもらう」

 

「構わんよ。存分に使ってくれ。そっちの方がより楽しめるだろうからね」

 

にいと意地悪く笑う伊達男。

それに応えるように朗らかに笑うミノリ。

右手を差し出し、握手を促すミノリ。

その手を取り、握手に応じれば。

 

力強く握った手をぶんぶん振る。

 

「例え遠く離れていても、権力打倒の時は駆け付けてくれたまえ!」

 

「善処しよう」

 

「よし!」

 

颯爽と駆けていくミノリの背を見ながらそっと呟く。

 

(レッドウィンターというのは、想像以上に面白い場所らしい)

 

置いていかれないようにミノリの背を追いかける。

 

 

「我々の要求は一つだ!チェリノ会長の更迭を要求する!」

 

朗々とミノリの声が響き渡る。

 

演説に慣れている人間の喋り方だ。

 

「君達はどれくらいの頻度でこういう騒ぎをしているのかね?」

 

隣に座った生徒に話しかける。

 

「大体週に2日とか3日とか?」

 

「…なんとまあ」

 

(なるほど)

 

(副官が有能でなければとっくに滅んでいるな)

 

「因みにトップが変わるのもよくあるのかい?」

 

「この前はミノリていう保安部長が事務局長だったよ。2日くらいで交代したけど」

 

「はー。なんとまあ。よくそれで学校が持つね」

 

「ウチは割と皆たくましいから」

 

にんまりとヘルメットを被った工務部の生徒が笑う。

自信に満ちた笑顔だった。

 

その直後。

 

『チェリノが逃げたぞ!』

 

『追えー!』

 

『革命だー!』

 

「……本当にたくましいな」

 

伊達男は呆れ半分、感心半分でその背を見送った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。