HELLSINGの少佐がミレニアムで教師をしている話   作:海鮮横丁

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何か部活のOBみたいだなこの人


ゾーリン・ブリッツ中尉
ゾーリンの編み物教室


頭の後ろに手を回してのんびりと通りを歩く。

 

特に目的がある訳でも急ぐ訳でもなく、単なる暇潰しだ。

 

「さぁて、どうするかな」

 

ぼんやりと太陽を見上げる。

いい天気だ。

雲一つない。

 

「あ、ゾーリンさんだ。お久しぶりー」

 

「んー。ああ、アンタらか久しぶり」

 

見知った生徒に声をかけられ、適当に返事を返す。

 

「ホントこっち来てから腑抜けたよねえ、アタシ等」

 

部隊の面々の顔を思い浮かべながら何となく足が向いた方に歩く。

 

「ま、昔じゃ考えられなかったし。これはこれでいいのかねえ」

 

平和だ。

たまに爆破騒ぎが起こる程度だ。

視界の隅を暴走しながら走るロボットを横目に歩く。

 

ミレニアムは今日も平和である。

 

「それでわざわざここまで来たのですか?」

 

特異現象捜査部の部室。

そこでトキにお茶をもらいながら今日の話をする。

 

「貴方、意外に暇人ですね」

 

部長であるヒマリが作業の手を止めてまで文句を言う。

 

「割とゾーリンさんここ来るよね。何度場所変えても見つけるし」

 

エイミがいつものように冷たいお茶を飲みながら隣に座る。

 

「いい天気だったからねえ」

 

「おばあちゃんですか貴方は」

 

辛辣に言葉を返しながらもお茶のお代わりを入れるトキ。

 

「他の人たちは割と動いてるけど?」

 

「あー前にヒマリにも言ったけど、私実働部隊だからあんまねえ」

 

「時間があるなら編み物でも覚えませんか?」

 

何処から取り出したのか毛玉を見せるヒマリ。

 

「そういうチマチマしたのはねえ」

 

「いいじゃん。刺青も隠せるし」

 

「手編みのセーターとか王道ですね」

 

何故か乗り気の二人に押され毛玉を手に持つ。

 

「…これどうすんの?」

 

「編み針をこう絡ませていって衣類等を作るのです。一緒にやってみますか?」

 

何処からか取り出した編み物セットを嬉しそうに持ち、ゾーリンの隣に場所を確保するヒマリ。

 

嫌そうに顔を歪ませながらも編み針を持つ。

ヒマリの手先を真似して、編み針を通す。

 

「最初は簡単なものから作りましょう。手袋やセーター。マフラー何かも出来ますよ」

 

「どれもいらないねえ」

 

「誰かに贈ってはどうです?」

 

「ドクとか大尉とか」

 

あの二人は絶対に喜ばないだろう。

 

ドクがアタシの作ったセーターを着た姿なんて見たくない。

大尉に至っては一年中軍服なのだ。何を渡すつもりだこの子たちは。

 

「最初は簡単なものから作りましょう。マフラーやコースターならすぐ出来ますよ」

 

「マフラーて長くないかい?」

 

「約150cmが目安とされています。ゾーリンさんの体格だともう少し欲しい気がしますが」

 

「パス」

 

「ふふ。それではコースターを作りましょう。比較的簡単にできますよ」

 

編み針をゆっくりと交差させていくヒマリ。

 

「最終的には編みぐるみとか作りますかゾーリン」

 

「ゾーリンさんお手製の編みぐるみが部屋に並ぶの?いいじゃん。可愛いよ」

 

エイミとトキが囃し立てる。

 

興味深そうにゾーリンの手元をジッと見る二人。

 

「編みぐるみてぬいぐるみと何か違うの?」

 

チマチマと手を動かしながら、ヒマリに聞く。

 

「簡単にいうと素材の違いですね。編みぐるみは主に毛糸で作られたもの。ぬいぐるみは布やフェルトなどの素材で作られたものです」

 

「ほーん?」

 

違いは分かった。

 

だから何だと言われると困る。

 

「これ、肩凝るねえ」

 

「割と集中しますからね」

 

いつの間にかヒマリの手元にはいくつかの作品が出来上がっている。

 

「…アンタ手慣れてるねえ」

 

感心したようにヒマリの手元を見る。

 

「実はセーター何かも手縫いするのですよ。流石はミレニアム1の美少女と褒めてもらっても構いませんよ」

 

「編み物の腕は認めるけど後半は知らないねえ」

 

ヒマリの顔を見ることもなく返す。

ヒマリの方も慣れているのか微笑みながら、ゾーリンの手元を眺める。

 

「楽しいですか?」

 

「…楽しいかと言われても困るんだけど」

 

ようやく円形になり出したコースター擬きを眺める。

 

まだまだ先は長い。

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