HELLSINGの少佐がミレニアムで教師をしている話   作:海鮮横丁

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アスナと会話させたいなで出来た話




月夜のダンス

「今日はいい夜ですねー」

 

ふらふらゆらゆらと歩く。

ミレニアムの夜は明るい。

基本的に生徒に夜型が多いからだ。

お陰で、影が出来やすい。

 

「屋上周りはホント人がいなくていいわー」

 

ビルの屋上まで一息で駆け上がり、屋上の真ん中に立ち、ぼうっと月を見上げる。

三日月である。文句なしにいい天気だ。

 

その光を受けながら、愛銃をくるくると回す。

 

リズムを軽く取り、手足を空間に踊らせる。

 

くるくるとビルの屋上をステージに見立て踊る。

といってもしっかりとしたダンスではない。

途中途中でアレンジが入る程度の人に見せるのも憚られる程度の腕前だ。

しばらく踊り、軽く息を吐く。

 

「いやー今日も一日平和でしたわー」

 

ぱちぱちと場違いに軽い拍手が割って入る。

 

「…盗み見とは感心しませんね」

 

「あんだけ気分よく踊る人の邪魔する気はないよ!」

 

「…途中でも声をかけて欲しかったです」

 

「あはは。中尉照れてる可愛いー」

 

顔を赤くした中尉の周りをくるくると大型犬のように回るアスナ。

 

「折角だから私も踊りたいな!」

 

そう言うなり、中尉の手を取り。

くるくると回り出す。

 

「…私は一緒に踊ると言った覚えはないですよ」

 

「私が踊りたいから踊るの」

 

危なっかしいステップを踏みながらも、絶妙なバランス感覚で転びもしないアスナ。

必死になって、何とか足を踏まないように気を付けながら付いていく中尉。

 

「あっはっは。おっかしいの。いっつも余裕そうなのに」

 

「あのですね。人には向き不向きというものが、そもそも踏んだら怖いでしょう」

 

「えー大丈夫だよ」

 

満面の笑顔でくるくると中尉を振り回す。

それに毒気を抜かれたのか小さく笑みを浮かべながら、踊りに付いていく。

 

三日月の光を浴びながら、二人の影が屋上をくるくると回る。

時折混じる笑い声が夜空に溶ける。

夢のような一夜が更けていく。

 

「あー楽しかった!」

 

屋上に座り込み、月に向かって笑うアスナを恨めし気に見ながら腕を擦る。

 

「…よかったですね」

 

「うん。中尉と踊れるなんて思ってなかったからびっくりだよ!」

 

手すりに捕まり、こちらにくるりと向きを変え、にんまりと笑う。

 

「よく踊るんですか?」

 

呆れたように三日月を見上げ、アスナの笑顔を眩し気に見る中尉。

 

「ううん。何か楽しそうな予感がしたから、ここに来ただけだもん」

 

その答えに呆れたような納得したような顔でアスナの横に近付き、手すりに身体を預け月を見上げる。

 

「貴方は本当に自由ですね」

 

「そう?中尉さんも結構好き勝手やってるじゃん」

 

邪気のない笑顔で中尉の腕を取り、もう一度中央に誘うアスナ。

 

「……五分だけですよ」

 

「やった!」

 

夜はまだ終わらない。

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