個性"不死"のヒーローアカデミア   作:ただねこ

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【FILE:02】個性把握テスト

「個性把握……テストぉ!?」

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ」

「……」

 

あの小汚い男は”抹消ヒーロー”イレイザー・ヘッド。本名相澤消太。

見ただけで個性を消すことが出来るそうだ。

 

そして……恐らく合理厨。行事などクソ食らえとでも言わんばかりに、初日に個性把握テストを押し込んできた。

 

「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった」

「67m」

「じゃあ個性使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ」

 

思いっきりな、と相澤先生の言葉で、爆豪と呼ばれた男が投げの姿勢に入る。

 

「んじゃまぁ……死ねェ!!

 

……死ね?

 

「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

……705.2m。単純に10倍以上。

 

見た感じは爆破の個性。掌限定か?

球威に爆風を乗せるなんて……器用なことするな。

 

「なんだコレ!面白そう!」

「700ってマジかよ……」

「個性思いっきり使えるんだ!流石ヒーロー科!」

「……面白そう、か……」

 

先生の様子が……

 

「ヒーローになるための3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

「!?」

「よし。トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し──除籍処分としよう」

「な……!?」

「生徒の如何は俺達の自由。ようこそこれが……雄英高校ヒーロー科だ」

 

 


 

 

「次、永井葉隠」

「あ、入試の時の!」

「ああ、久しぶりだな」

「うん!よろしくね!」

「時間の無駄だ。早く走れ。」

 

俺は果たして、どのような個性に分類されるんだろうか。見た目は普通の人間でも、常時発動している。

その区分で行けば、俺は異形型になるだろうが……

 

『4秒81』

 

……異形型の個性、消せるのか?

 

(後で頼んでみよう)

 

 

・・・・・

 

 

(……永井生助)

 

個性”亜人”。常時発動型若しくは条件を満たした時に強制的に発動する個性。効果は──

 

(死んでも生き返る、ね……)

 

実質不死。ただ、それはヒーローになったとしてどうやって活かす?

自爆特攻を仕掛けるにしても、そのような状況は指の1、2本で数える程度。

自殺をするとしても、殺傷力のあるサポートアイテムは認可が下りにくい。

 

(さぁ、どうする?)

 

 

・・・・・

 

 

「緑谷くんはこのままだとマズイぞ……?」

「ったりめーだ無個性だぞ」

 

──無個性?彼は無個性なのか?

にしては飯田とやらの反応がおかしいが……。

 

「──46m」

「な……今たしかに使おうって」

「個性を消した」

 

成る程、そういう感じね。

緑谷が個性を用いようとした瞬間に、抹消を発動。そのまま通常の結果になったというわけか。

 

……個性を制御できない、赤子のような状態。また行動不能になって誰かに助けてもらうようじゃ、ヒーローとして失格。緑谷がそのつもりでなくとも、周りが合わせざるを得ない。

 

ごもっともだ。緑谷出久は、個性が発言したての赤子。それ以上でも以下でもない。ならば、除籍を喰らうのは当然だろう。

 

(……早速、1人落ちるか)

 

「個性は戻した。とっとと投げな」

 

──『もしも危険な個性や有用な個性があったら、リストに記載しておいてくれ。弔にも有用なリストだ、早めに作ってくれよ、永井くん』

 

……緑谷はリストに入れなくてもいいか。

 

「見込み、ゼロ……」

 

「──今」

 

SMASH!!!

 

「!!」

 

指が赤黒く腫れ上がって……ああ、なるほど。今まで腕全てを犠牲にしてきたであろうものを、インパクトの瞬間に、かつ一部分のみに留めたのか。

 

(……相澤先生の目が変わった)

 

「まだ、まだ動けます……!!」

「こいつ……!」

 

……というか、たかだかテストで指を犠牲にするか?リカバリーガールがいるとは言え、そう簡単に投げ撃てるものじゃない。

俺のように不死でないなら、尚更。

 

(……オールマイト?)

 

こっそり観に来てたのか。ならば何故あんな片隅に……いや。

 

(緑谷を観に来てたのか……?)

 

腐れ金玉から聞いたが……オールマイトの個性はワン・フォー・オール。DNAの譲渡で個性を継承する事のできる個性であり、オールマイトは八代目。

……もし、緑谷が九代目なら?

全てつながる。

 

個性が発現したての赤子のようなことも。

ヒーロー志望にしては十分に鍛えられていない身体も。

 

(……これは、要報告だな)

 

「ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

……は?

 

「はーーーーー!?!?!?」

 

「これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類があるから目通しとけ。緑谷はリカバリーガールのとこ行って治してもらえ。明日からもっと過酷な訓練の目白押しだ」

 

 


 

 

「いやー、ビックリしたわマジで!」

「ほんとにね……」

「にしても皆凄いね。私なんて全然だったよ」

「えっと……耳郎さんの個性って何?」

「私はイヤホンジャック。耳が良いのと、このプラグを伸ばして、増幅した心臓の鼓動を放てる。コンクリなら壊せるよ」

「凄っ!私の個性はね──」

 

……女子は早速仲良くなってるな。

男子も混ざって個性の話をしてる。

 

「ね、永井の個性はなんなの?全体的に良かったってことはやっぱ増強?」

「俺か」

「声平坦すぎ?」

「そうか?」

「そう」

「そうか」

 

……不死の個性。死んでも生き返ることを伝えてしまったら、また離れてしまう。それは、怖い。

 

「ああ、シンプルな増強だ」

「やっぱか!でもシンプルだし対策しづらいよね……」

「そうでもないだろ。緑谷のような自壊する超パワーには劣る」

「それでも強いって。自信持ちな?」

「……そうだな、そうするよ」

「あ、もう帰る?」

「じゃあね!」

「ああ」

 

 


 

 

『そうか……オールマイトが』

 

「ああ。ただ力が大きすぎる。使うたびに腕を犠牲にするような状態だ」

 

『わかったよ、永井くん。……ありがとう』

 

「礼なんかするな、気色悪い」

 

『冷たいね』

 

「話しかけるな腐れ金玉」

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