学校で人気な美人姉妹を助けたけど、適当な名前を名乗って乗り切ったのに、しばらくしたら病んでいる彼女がたちが僕のところにやってきた   作:主義

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長倉沙紀Side

私と優香は昔から注目を集めていた。

 

 

小学校の頃から男子から告白されることも増えてきた。私は自分のことをそんなに好きになってくれる人がいるのは嬉しかった。優香は自分の時間を他に割くのが嫌な子だから、告白とかされるのを嫌がっていたけど。

 

 

中学生、高校生になっていくに連れて告白される回数は増えて行った。

 

 

 

でも、私も優香も誰とも付き合うことはしなかった。

 

その理由は簡単で私や美月が相手のことを好きではないから。

 

 

 

よくまずは付き合ってみて、そのうち相手のことを好きになるかもしれないとか言う人がいるけど、それは相手に対して失礼だ。相手も勇気を出して告白してくれているわけだし、告白される側も中途半端な気持ちで受け入れるべきではないと私は思っていたりする。

 

 

 

高校生にもなると告白してくるのは良い人たちばかりではない。

時には脅しのような形で告白をしてきたりもした。

 

 

そういう時は「先輩に襲われたってみんなに言いますよ」と言えば大概は諦める。こんな手段を取りたくはないけど、もし取ればその先輩はこれからの学校生活を後ろ指を指されながら送らなければならない。

 

 

 

 

 

そしてある日、私と優香は街で不良と呼ばれる人たちに絡まれてしまった。相手が一人であれば逃げることもできたかもしれない。

 

 

でも、5人ぐらいいるのでさすがに逃げ切れる感じがしない。

 

 

 

優香もさすがにこんな大勢の男性に囲まれたことはないから、手足が震えている。姉としては妹にこんな恐怖を植え付けた目の前の人たちを許すことは出来ないけど、まずはここから切り抜けることを考えないと。

 

 

 

 

 

そんな時に私は……ある男の人と目が合った。

 

目が合った気がしたという方が正しかったかもしれない。彼はサングラスをしていたから目は見えていなかったし。

その男の人は黒髪で中肉中世で私たちのことを見ていた。だけど焦ったりすることはせず、冷めた目でしばらく見ていたので、助けてくれそうにないと感じた。

 

誰だってこんな明らかに面倒事に関わりたくないはず。

 

 

 

 

 

 

でも、彼は助けてくれた。不良たちから隙を作って、私たちを逃がしてくれた。不良の人たちに話しかけられても、焦ったりせず、淡々と話していてカッコいいと思った。相手が多くても決して怖がっていないと思った。

 

今まで男性に言い寄られたり、告白されたりしたことはあっても、男性に助けられる体験をしたことがなかった。だからか分からないですけど、助けれた男性は輝いて見えた。

 

 

 

 

 

 

それから警察に行って、不良の方々は交番で色々と聞かれているみたいだった。彼は私たちを家まで送ってくれた。

 

それまでの間、私たちは無言だった。

 

本当はお話したかったし、色々と聞きたかった。

 

 

 

でも、彼があんまり私たちと話したがっていなかった。だから無理に話に付き合わせるわけにもいかないので無言で歩くことにした。

 

 

そして私たちの家に着くとすぐに去ろうとした。私は勇気を出せず、何も聞けずにいると優香が名前を聞いてくれた。私もそれに乗る形で名前を聞いた。

 

 

 

 

 

すると男の子は少し考える素振りを見せたので、私たちから自己紹介をすることにした。そう言えばまだ私たちも名乗っていないのに相手にだけ名乗らせるのは失礼にあたる。

 

 

 

彼は井野《いの》正寛《まさひろ》と名乗った。

 

 

 

名乗り終えると彼は足早に去って行ってしまった。

 

 

 

 

―――

 

「それにしても不思議な男の子だったね」

 

 

「うん、お姉ちゃんも思った?」

 

 

「思ったかな。ここまで興味を抱かれていないって感じたのは初めての経験かも」

 

 

「ぼくも同じこと思った」

 

今までの男の子だったら、私たちの連絡先とか、色々と聞いてきたりした。それが当たり前過ぎて、逆に今日の彼みたいな人は新鮮。

 

 

優香の方に視線を向けるとそこには…少し顔を赤らめていた。

 

 

「でも…カッコよかった」

 

 

「…もしかして、彼のこと好きになっちゃった?」

 

 

「どうなんだろう。この気持ちが『恋』なのかは分からない」

 

 

「そっか……じゃあ、もっとお話すればよかったかも」

 

井野くんが何歳なのかも分からない。それにサングラスとマスクをしていたから、顔は見えないし、情報と呼べるものは名前だけ。

 

でも、美月がここまで男の子に興味が持つのは初めてだ。そんな妹のためにもお姉ちゃんとしては出来る限り、頑張ってあげたい。もし、見つけたとしても井野くんが優香を好きになってくれるかは分からないけど、それは後々のこと。

 

 

 

今は井野くんのことを見つけるのが最優先事項。

 

―――――

 

 

 

井野くんを見つけるのに時間は掛からなかった。

 

 

 

なぜなら、私たちと同じ高校だったから。

 

 

 

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