エ・ランテル墓地中央神殿前。
冷たい夜風。
四者が対峙していた。
モモン。
ナーベ。
その前に。
クレマンティーヌ。
カジット・デイル・バダンテール。
そして。
そこへ土煙を上げて現れる。
宮本武蔵。
モモンが驚く。
「武蔵さん、どうして!」
武蔵は肩を鳴らしながら笑う。
「こんな面白い見世物は出ぬと損じゃろ」
モモンは半ば呆れる。
(この人、本当に戦いの匂いだけで来たな……)
横でナーベは武蔵をちらりと見る。
すぐそっぽを向く。
「クソ虫」
だが耳が赤い。
武蔵は気づいている。
だが何も言わない。
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クレマンティーヌが武蔵を見る。
舌なめずり。
「へえ~あなた強いわね」
「お姉さん興奮しちゃう」
その殺気。
歓喜。
完全に強者認定していた。
ガジットが焦る。
「クレマン!」
遊ぶな。
そう言いたい。
だがクレマンティーヌは面倒そうに肩をすくめる。
「ああガジットちゃん」
「切り札持ってるじゃん、それ使えば?」
ガジットが歯噛みする。
「くっ……!」
追い詰められた。
ここで出すしかない。
杖を掲げる。
魔法陣展開。
「ゆけ!スケリトル・ドラゴン!」
巨大な骨竜が顕現する。
瘴気。
圧倒的な威圧感。
武蔵は目を見開く。
「竜か、実物は初めてじゃな」
嬉しそうだった。
剣に手をかける。
「さて」
その瞬間。
モモンが手を出す。
「武蔵さん」
武蔵が止まる。
「なんじゃ」
モモンは静かに言う。
「あのドラゴン」
「ナーベに任せてもらえませんか」
武蔵が眉を上げる。
「ほう?」
「あなたにもナーベの力を見せたいのです」
ナーベがぴくりと反応。
武蔵を見る。
少しだけ口元が動く。
武蔵は笑う。
「そうか」
一歩下がる。
「なら見せてもらおう」
ナーベが前へ出る。
夜風が止まる。
クレマンティーヌの笑みが深くなる。
「へぇ……面白い」
武蔵は腕を組む。
「さて、見ものじゃな」
骨竜が咆哮する。
その前に立つ美姫。
次の瞬間。
ナーベの本当の力が解放されようとしていた。
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「フライ」 スーと スケリトルドラゴンの前に浮き上がる
「ばかめ!お前のようなスペルキャスターに何ができる」
ガジットが自信満々に笑う
ナーベはニヤッとすると「みなさい クソ虫 この私の真の姿」
死の気配が濃度を増す中――空気が震えた。
ナーベラル・ガンマの姿が変わる。
黒と白のメイド服。
戦闘用アーマー。
巨大な杖。
そして圧。
「喜びなさいクソ虫」
冷たい声。
「この私の真の姿」
「ナザリック戦闘メイド・プレアデスの一人――ナーベラル・ガンマ様にお相手してもらえるということを」
モモンは静かに見上げる。
(これは……見せ場だな)
武蔵は腕を組んでいる。
「ほお」
純粋に感心。
美と威圧が同居している存在を見ているだけで楽しい。
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ナーベは「ライトニング!」ドラゴンに向かって放つ
ガジットが叫ぶ。
「馬鹿め!」
「その程度の魔法で――!」
だがナーベは薄く笑う。
「残念ね、クソが」
「これ、第七位階魔法よ」
雷撃が走る。
空気が裂ける。
骨竜へ一直線。
スケリトル・ドラゴンが咆哮する。
しかし――
雷が直撃した瞬間。
“異常な破壊音”
骨が崩れたのではない。
“存在そのものが揺らぐ”衝撃。
ガジットの表情が凍る。
「な……に……?」
魔力制御が崩壊する。
骨竜の形が維持できない。
崩れ始める。
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クレマンティーヌは目を細める。
「あーあ」
「やっぱりこっちが本命かぁ」
だがその目は楽しそうだった。
完全に“遊び場”の顔。
武蔵はその横顔を見ている。
(あれも強い)
確信している。
今この場。
誰が最初に崩れるかはまだ分からない。
モモンは静かに判断する。
(ナーベの勝ちだ)
だが――
まだ終わっていない。
クレマンティーヌがいる。
そして何より。
この戦場にはもう一人。
“戦いを楽しみに来ている男”がいる。
宮本武蔵。
武蔵はゆっくり剣に手を置く。
「さて」
「次はわしの番かの」
その言葉で空気が変わる。
ナーベの雷が消えた余韻の中で。
“別の戦いの扉”が開こうとしていた。