武蔵転生記   作:masasoukoku

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第二十六話

エ・ランテル墓地中央神殿前。

 

冷たい夜風。

 

四者が対峙していた。

 

モモン。

ナーベ。

 

その前に。

 

クレマンティーヌ。

カジット・デイル・バダンテール。

 

そして。

 

そこへ土煙を上げて現れる。

 

宮本武蔵。

 

モモンが驚く。

 

「武蔵さん、どうして!」

 

武蔵は肩を鳴らしながら笑う。

 

「こんな面白い見世物は出ぬと損じゃろ」

 

モモンは半ば呆れる。

 

(この人、本当に戦いの匂いだけで来たな……)

 

横でナーベは武蔵をちらりと見る。

 

すぐそっぽを向く。

 

「クソ虫」

 

だが耳が赤い。

 

武蔵は気づいている。

 

だが何も言わない。

 

-------------------------------------------------------------------

クレマンティーヌが武蔵を見る。

 

舌なめずり。

 

「へえ~あなた強いわね」

 

「お姉さん興奮しちゃう」

 

その殺気。

 

歓喜。

 

完全に強者認定していた。

 

ガジットが焦る。

 

「クレマン!」

 

遊ぶな。

 

そう言いたい。

 

だがクレマンティーヌは面倒そうに肩をすくめる。

 

「ああガジットちゃん」

 

「切り札持ってるじゃん、それ使えば?」

 

ガジットが歯噛みする。

 

「くっ……!」

 

追い詰められた。

 

ここで出すしかない。

 

杖を掲げる。

 

魔法陣展開。

 

「ゆけ!スケリトル・ドラゴン!」

 

巨大な骨竜が顕現する。

 

瘴気。

 

圧倒的な威圧感。

 

武蔵は目を見開く。

 

「竜か、実物は初めてじゃな」

 

嬉しそうだった。

 

剣に手をかける。

 

「さて」

 

その瞬間。

 

モモンが手を出す。

 

「武蔵さん」

 

武蔵が止まる。

 

「なんじゃ」

 

モモンは静かに言う。

 

「あのドラゴン」

 

「ナーベに任せてもらえませんか」

 

武蔵が眉を上げる。

 

「ほう?」

 

「あなたにもナーベの力を見せたいのです」

 

ナーベがぴくりと反応。

 

武蔵を見る。

 

少しだけ口元が動く。

 

武蔵は笑う。

 

「そうか」

 

一歩下がる。

 

「なら見せてもらおう」

 

ナーベが前へ出る。

 

夜風が止まる。

 

クレマンティーヌの笑みが深くなる。

 

「へぇ……面白い」

 

武蔵は腕を組む。

 

「さて、見ものじゃな」

 

骨竜が咆哮する。

 

その前に立つ美姫。

 

次の瞬間。

 

ナーベの本当の力が解放されようとしていた。

 

-------------------------------------------------------------------

「フライ」 スーと スケリトルドラゴンの前に浮き上がる

 

「ばかめ!お前のようなスペルキャスターに何ができる」

 

ガジットが自信満々に笑う 

 

ナーベはニヤッとすると「みなさい クソ虫 この私の真の姿」

 

死の気配が濃度を増す中――空気が震えた。

 

ナーベラル・ガンマの姿が変わる。

 

黒と白のメイド服。

 

戦闘用アーマー。

 

巨大な杖。

 

そして圧。

 

「喜びなさいクソ虫」

 

冷たい声。

 

「この私の真の姿」

 

「ナザリック戦闘メイド・プレアデスの一人――ナーベラル・ガンマ様にお相手してもらえるということを」

 

モモンは静かに見上げる。

 

(これは……見せ場だな)

 

武蔵は腕を組んでいる。

 

「ほお」

 

純粋に感心。

 

美と威圧が同居している存在を見ているだけで楽しい。

 

-------------------------------------------------------------------

ナーベは「ライトニング!」ドラゴンに向かって放つ

 

ガジットが叫ぶ。

 

「馬鹿め!」

 

「その程度の魔法で――!」

 

だがナーベは薄く笑う。

 

「残念ね、クソが」

 

「これ、第七位階魔法よ」

 

雷撃が走る。

 

空気が裂ける。

 

骨竜へ一直線。

 

スケリトル・ドラゴンが咆哮する。

 

しかし――

 

雷が直撃した瞬間。

 

“異常な破壊音”

 

骨が崩れたのではない。

 

“存在そのものが揺らぐ”衝撃。

 

ガジットの表情が凍る。

 

「な……に……?」

 

魔力制御が崩壊する。

 

骨竜の形が維持できない。

 

崩れ始める。

 

-------------------------------------------------------------------

クレマンティーヌは目を細める。

 

「あーあ」

 

「やっぱりこっちが本命かぁ」

 

だがその目は楽しそうだった。

 

完全に“遊び場”の顔。

 

武蔵はその横顔を見ている。

 

(あれも強い)

 

確信している。

 

今この場。

 

誰が最初に崩れるかはまだ分からない。

 

モモンは静かに判断する。

 

(ナーベの勝ちだ)

 

だが――

 

まだ終わっていない。

 

クレマンティーヌがいる。

 

そして何より。

 

この戦場にはもう一人。

 

“戦いを楽しみに来ている男”がいる。

 

宮本武蔵。

 

武蔵はゆっくり剣に手を置く。

 

「さて」

 

「次はわしの番かの」

 

その言葉で空気が変わる。

 

ナーベの雷が消えた余韻の中で。

 

“別の戦いの扉”が開こうとしていた。

 

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