武蔵転生記   作:masasoukoku

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外伝です 
時間軸はシャルティア反逆事件後 シャルティアは復活してます


第二十九話

ナザリック地下大墳墓

 

機密監視報告書

提出者:シャドウデーモン

提出先:デミウルゴス様

 

監視対象

 

宮本武蔵

 

 【一日目】

 

対象、カルネ村を出発。

 

歩く。

 

歩く。

 

また歩く。

 

魔物が出た。

 

斬った。

 

また歩く。

 

魔物が出た。

 

また斬った。

 

いっぱい斬った。

 

 【エ・ランテル到着】

 

対象、お金が足りない。

 

困る。

 

そのあと賭けをした。

 

勝った。

 

お金が増えた。

 

すごいと思った。

 

 【ブレインという人】

 

なんか強そうだった。

 

戦った。

 

すぐ終わった。

 

ブレインさん、元気なくなった。

 

対象は

 

「もう少し捨てればいい」

 

と言った。

 

何を捨てるのかは不明。

 

荷物かもしれない。

 

 【冒険者登録】

 

文字が書けなかった。

 

みんな笑った。

 

対象も困っていた。

 

 【モモン様と依頼】

 

森へ行った。

 

薬草を採った。

 

対象は採るのが早かった。

 

山育ちだかららしい。

 

 【森の賢王】

 

大きいハムスターだった。

 

かわいかった。

 

対象は戦わなかった。

 

モモン様に譲った。

 

ハムスター負けた。

 

 ★重要事項★

 

夕方。

 

依頼終了。

 

依頼料は明日。

 

対象は帰ろうとした。

 

しかし。

 

突然。

 

ナーベラル・ガンマ様へ近付いた。

 

私は「何をする気だ」

 

と思った。

 

すると。

 

キスした。

 

口だった。

 

たぶん口。

 

かなり近かった。

 

ナーベラル・ガンマ様、

 

赤くなった。

 

そのあと、

 

ビンタ。

 

対象は笑った。

 

「また明日」

 

と言って去った。

 

 【私の考察】

 

もしかすると

 

これは人間社会における

 

服従の儀式

 

なのかもしれない。

 

あるいは

 

戦士同士の誓い。

 

または

 

精神支配。

 

もしくは

 

新しい武技。

 

私は経験不足のため断定できない。

 

 【墓地事件】

 

いっぱいアンデッド。

 

いっぱい斬った。

 

神殿へ。

 

ガジット死んだ。

 

クレマンティーヌ死んだ。

 

モモン様怒った。

 

終わった。

 

 【現在】

 

対象はゴールド級。

 

旅立った。

 

歩いていた。

 

まだ歩いていた。

 

 ★総評★

 

対象は

 

よく歩く。

 

よく斬る。

 

文字が書けない。

 

薬草採りがうまい。

 

ハムスターが好き。

 

そして

 

ナーベラル・ガンマ様にキスした。

 

ここが一番重要だと思った。

 

以上。

 

-------------------------------------------------------------------

(玉座の間)

 

デミウルゴスは報告書を最後まで読み終えた。

 

沈黙。

 

アルベドが尋ねる。

 

「……デミウルゴス?」

 

「これは……何なのです?」

 

デミウルゴスは顎に手を当て、目を閉じる。

 

「ふむ……。」

 

「実に興味深い。」

 

守護者一同が息を呑む。

 

「まず『歩く』を何度も強調している。」

 

「これは"旅そのものが修行"という比喩だろう。」

 

「そして『文字が書けない』。」

 

「知識に縛られず、本能で世界を見るという思想……。」

 

「『ハムスターが好き』。」

 

「森の賢王すら懐柔する器量を示唆している。」

 

守護者たちが「おお……」と感嘆する。

 

そして最後の一文を見つめる。

 

『ナーベラル・ガンマ様にキスした。ここが一番重要だと思った。』

 

デミウルゴスは静かに立ち上がる。

 

「なるほど。」

 

「つまり――」

 

「武蔵は、ナーベラル・ガンマを通じてアインズ様との関係性を試したのだ。」

 

「ナザリックの忠誠に楔を打ち込めるか。」

 

「あるいは、自らへの反応速度を測った。」

 

「……なんという深謀遠慮。」

 

アルベドは青筋を立てた。

 

「つまり、あの人間はナーベを利用したということですか!」

 

デミウルゴスは頷く。

 

「おそらく、そうだ。」

 

一方その頃――

 

報告書を書いたシャドウデーモン本人は廊下で首をかしげていた。

 

「いや……。」

 

「本当に一番びっくりしたの、そこだったんだけどな……。」

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