彩葉side
私はお母さんのところを離れて高校から一人暮らしを始めた。
理由は色々あるけど、早くお母さん所から離れたかったというのが一番大きい
そんな一人暮らしはとてつもなく大変だった。
けど確かな自由と充実感があった。
そんな中最初の定期試験が終わり一息ついた時に事件は起こった。
「お前が酒寄彩葉だな?」
「え?あぁはい。そうですけど・・・」
私の席の前にちょんまげのゴリラがいた。
左目に傷があり見た目だけならヤのつく人のような風貌の大男だ。
そんなゴリラが私に何の用かと思っているとその男は口を開いた
「どんな男が
「はい?」
急に何を言い出すんだこのゴリラは
もしかして私は今、口説かれてる?
などと思っているとまたゴリラは言葉を続けて
「ちなみに俺は月・・・」
「ちょっと待って!なんで初対面のあんたに男の趣味話さないといけないの?」
「東京都立日比谷高等学校一年東堂葵。自己紹介終わり。これでお友達だな。だから早く答えろ」
「どんな理屈!?」
「女でもいいぞ」
「そういう問題じゃない!」
だめだ話が通じない
とんでもなくめんどくさい人の匂いがする
「気にするな、ちょっとした品定めだ」
私は考えるのをやめた
おそらく言語が違うのだろう
こういう人とはまともな会話をしようと思ってはいけないと悟った
「えぇ・・・はぁ、もういいわ答えてあげる。このまま断った方がめんどくさそうだし。じゃあ強いていうなら...
『月見ヤチヨ』 みたいな人かな・・・」
そう言った瞬間その東堂は目を見開いて天を見上げた。
どうしたんだろうと思い首を傾げていると東堂は急に泣き出しこう言った
「どうやら俺たちは親友のようだな」
「今あったばっかなのに!?」
こうして私の平穏な日々は崩れ去った
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俺とブラザーの出会いから数ヶ月が過ぎた
あの後、ブラザーと日々を共にしているうちにあることに気づいた
それはブラザーの生活が凄まじいほど乱れていることだ。
1人で学費や生活費を稼ぎ、自立しているのは立派だが、これで体調を崩しては本末転倒だ。
それに気づいたなら、やることは一つ
俺がブラザーをサポートしてやればいい
なぁに、親友とは足りない所を補い合うものだ
そう思いまず俺がやったのは弁当を作りだ
食は健康な生活のために欠かせないものだ
今日までブラザーは粉と水だけを焼いたものをパンケーキと呼んで食べていた。
まずはこれを直さねばならん
そして俺は昼休暇にブラザーの元へ向かった
「ブラザーー!!!」
「げっ、また来たわね。あとブラザーって呼ぶのやめて。次言ったら怒るわよ」
「ふむ、考えておこう。そんなことよりこれだ・・・」
「そんなことって・・・。はぁ、まぁいいわ。あんたが話通じないのはいつものことだし。で?どうしたの?」
「今日はブラザーに弁当を作ってきたんだ」
「はぁ?なんで?いらないわよ。私お弁当持ってきてるし。てかまたブラザーって・・・はぁもういいわ、いちいち突っ込むのにも疲れた」
「またそのパンケーキもどきを食べるつもりか?」
「そうよ。慣れれば結構美味しいんだから。」
「それに慣れる生活をしているのが問題だ。ちゃんと飯を食え」
「ぐっ、あんたに正論言われるとなんか腹立つわね」
「ほら早く受け取れ、遠慮は不要だ。なぜなら俺たちは"親友"なのだからな」
そう言って俺はもう一度ブラザーに弁当を差し出す
するとブラザーはしばらく苦々しい顔をしながら呻き声を出し悩むそぶりみせ、そして観念したように言った
「はぁ・・・、わかった受け取る。けど今日だけだから!明日からは持ってこなくていいから!」
「そうか、では明日はハンバーグにするとしよう。ブラザーはチーズはいるか?」
「だからいらないって言ってんでしょ!私は誰かに借りを作りたくないの!今日は受け取るけど明日からはほんとに受け取らないから!」
そう言いながらブラザーは弁当を開け
「いただきます。」
そう言って俺の作った唐揚げを一つ口に運んだ
「なんなのよ、うまいじゃないのよ、なんなのよあんた。久しぶりの美味しいご飯で体が喜びに満ちていくじゃないのよ・・・」
そう言いながら食べ進めあっという間に弁当はからになった
「ご馳走様、認めたくはないけど美味しかったわ。ありがと」
「気にするな、これも親友としての務めだ」
「私はまだ親友って認めてないんだけど」
そう否定しながらジト目を向けてくるが、ひとまず食生活は改善できそうで俺は満足だ。
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そしてブラザーとの出会いから1年が経った。
「ブラザー、今日の弁当だ。」
「ん、ありがと」
あれから何度か弁当を受け取る事に抵抗していたが2週間を過ぎたあたりから観念して受け取るようになった。
「ほんと、彩葉と東堂くんって仲いいよね」
「ねー、もしかして付き合ってるとか?」
そう話しかけたのはMs諌山とMs綾紬だ
2人ともブラザーの友達であり共にブラザーをサポートする仲間でもある。
「そんなんじゃないから、ただの腐れ縁。それに東堂と付き合付き合ってくれるのなんてゴリラくらいでしょ。」
「すまないが、俺にはヤチヨちゃんというフィアンセがいてな、残念だがブラザーとは付き合えない。」
「「ドンマーイ」」
「なんで私がフラれたみたいになってんのよ!?それにそこのゴリラはなんでヤチヨと結婚できる気でいるのよ!」
「覚えていないのかブラザー!俺たちがまだ中学の頃ヤチヨちゃんをめぐってよく決闘をしただろう。結局ヤチヨちゃんが転校して、勝負はついていないがな」
「私はあんたと同中じゃないっ!」
「「ウケる」」
キーンコーンカーンコーン
「やばっ、予鈴なっちゃった。戻らないと」
「そうか、ブラザーまたな」
「うん、またね」
そうして残りの授業を受け、帰宅した後3連休に入った。床に入り休み明けの弁当はどうしようかと思っている時、電話がかかってきた
見るとブラザーからだった
「もしもし、どうしたブラザー。こんな夜遅くに」
『あっ、ごめん!こんな時間に電話して・・・』
「いや、気にするな。なぜなら俺たちは親・・・」
『わかったから!それより大変なの。さっき七色に光るゲーミング電柱から赤ちゃん出てきたの!』
「なるほど分かった。今から向かおう」
『え!?いや、ちょっと待って!自分で言っといてなんだけど、なんでこの説明でわかんのよ!?意味わかんないこと言ってるでしょ』
「ブラザーが意味もなくそんな冗談は言わんだろう。なら、信じる以外の選択肢などあるまい」
『あ、ありがとう・・・』
「なぁに、礼には及ばん。では今から向かうとしよう」
『いや、流石に今日は大丈夫。なんかいつも通りのあんたの声聞いたら冷静になってきた。もう夜も遅いしできれば明日来て欲しいかな。』
「む、そうか。では明日向かう。また明日だブラザー」
『うん、また明日』
そう言って電話を終え東堂は1人考えていた。
七色に光るゲーミング電柱から赤子が出てくるなど聞いたことがない。
ひとまず明日ブラザーの家に行く前にベビー用品を買って行かねばな
などと思い東堂は眠りについた。
次の日、早朝のスーパーで赤ちゃんグッズを大量に買うゴリラがいたと噂になっていた
出会いから毎日のように東堂は付き纏っています。最初はうざがったりしていましたが、だんだん彩葉も東堂に絆されていって最終的に満更でもなくなってきてます。恋愛感情とかは互いにかけらもありません。