ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう― 作:Linkscape
ヤミヨロズ・アーカイブの環境調整の貴重な描写
学校の屋上。男は、一人の少女が柵を乗り越えようとしているのを見ていた。
少女「カードゲーム『ヤミヨロズ・アーカイブ』はデザインに失敗しました。」
男「そんな……!」
少女「ぶっ壊れカードが大量にあるせいで、環境調整がめちゃくちゃになった。」
少女「遊んでいても面白くない。我はデザイナーとして生きる資格が無い。」
男「壊れカードだらけでも、それはそれで面白いだろ!!」
少女「そしてカードゲームの世界に住む住人達も、不幸にしてしまった。」
少女「皆孤独で苦しんでいる。生みの親として生きる資格が無い。」
男「創作の世界だから、不幸かどうかなんてわからないじゃん!」
少女「だから―――さようなら。」
男は飛び降りようとする少女を助けたいという思いでいっぱいだった。
男「わかったよ!! 環境調整はいくらでもやってやる!! 作中世界の奴らを全員幸せにしてやる!!!」
男「だから、死ぬな!! いくらでもカードゲームに付き合ってやるから!!」
少女「今、付き合うって言ったね?」
少女は飛び降りを辞めて、男のもとに迫りくる。
少女「その言葉……もう巻き戻せないよ?」
そして男の手を取り、指を絡めた。それは男にとって『依存される地獄』を意味していた。
少女「よろしくね♪」
男「うわああああああああああああああああああ!!!!」
男は悪夢を見ていたのだ。そして叫びながら目を覚ましてしまった。
男「夢か……。」
男「まだ4時か……寝よう。」
この物語の主人公は悪夢にうなされていた。ところで、悪夢は2種類存在する。1つは今見ていた、辛い事件を思い出す夢。もう一つはシンプルに意味の分からない夢。実はこっちの方が意味が分からなくてつらいのだ。
男「ZZZ……。」
博士「ヤミヨロズ・アーカイブの世界にようこそ! わしはヤミヨロズを研究している木戸博士じゃ!」
博士「この世界にはヤミヨロズと呼ばれる不思議な神様がいろいろな市町村に住んでおる。わしはその研究をしておるのじゃ。」
博士「どうでもいいけど、東京都の市って何のためにあんの??wwwwwwww 八王子市とか、マサラタウンより限界集落じゃろwwwww 23区以外は東京じゃないしwwwwwww ぶっふぉwwwwすまんwwwwツボったwwwww」
博士「……こほん。さて、キミには重大な選択をしてもらう。最初の旅のお供のヤミヨロズを決めるのじゃ。」
博士「普通なら3匹じゃが、わしの孫を名乗る知らない奴から1匹奪われたので2匹しか残っておらん。『2つ』から選んでもらおうかのう。」
アキュー 釣り針の付喪神(ヤミヨロズ) はがね/みず
地元愛が強い。スパイである。体に穴が開いている。ゲーム会社のQAになるのが夢。
アズサ たい焼きの付喪神(ヤミヨロズ) エスパー/くさ
地元愛が強い。スパイである。カチューシャに見える眼が本体である。ゲーム会社の販売になるのが夢。
博士「さあ、どうするかのう? ……ん? アキューとアズサ、どうしたのかのう?」
アキュー「私は東京都あきる野市民っす。」
アズサ「私は東京都調布市民よ。」
アキュー&アズサ「東京都にも市はある!!! 都下をなめるな!!!!!!!」
二人が博士に詰め寄る。
博士「どっちがどっちじゃ!? ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!」
男「うーーーん…………。何だこの夢?」
そして、この物語の主人公は夢から覚めた。
男「おはようアーシ。」
男「アーシの名前はアーシエル。本名は別にあるが、皆はアーシのことをそう呼ぶ。ちなみにアーシの一人称がアーシなのは、ギャル男だから『あーし』という説と、自分のあだ名『アーシエル』を縮めて呼ぶ痛い男であるという説の『2つある』。自分でもどちらかわからないが、重要ではない。」
アーシエル「なぜなら、アーシはアーシだから。」
アーシエル「今日も変な夢を見た。ヤミヨロズ・アーカイブの夢ばかり見るな。 まあ、どうでもいい。今日も学校に行くだけの退屈な日々。テレビを見てみるか。」
アーシエルはテレビを見た。なぜか彼の部屋にはテレビが『2つ』あった。片方は、とある男が石鹸売りと出会って殴り合いの会を開く映画が流れていた。もう片方は、アメリカのエリートが名刺バトルをして同僚を殺害する映画だった。
アーシエル「どっちがファイトクラブでどっちがアメリカンサイコだったっけ……? まあどちらでもいいか。」
アーシエル「だって当時のアメリカを皮肉ってるのは同じだから。」
この物語には『似ているが違う』ものが大量に登場してややこしい。間違っていることもあるかもしれないが、怪しいと思ったら都度調べてほしい。
アーシエル「そもそも調布市とあきる野市ってどっちも都下で同じだろ? 何が違うんだ?」
アーシエル「まあ、滋賀県米原市民のアーシには関係ないけどな!」
そしてご当地ネタが馬鹿みたいに多いが、間違っても怒らないでほしい。
あと、アーシエルは縮めてアーシと書く。同じ人間である。
伏線と叙述トリックって同じだろって? 全然違うのであるが、違いを知る必要はない。
アーシ「アーシはアーシ、学校に行くか!」
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アーシは教室についた。
少女「アーシさん、おはようございます……。」
アーシ「おはよう、ヨノバル!」
ヨノバル「今日も、カードゲーム制作、お願いしますね……。」
彼女はヨノバルという名前の少女である。漢字で世野晴と書くが、苗字+名前でなく名前が世野晴である。変わった名前であるとアーシは思っていた。
アーシエルは金髪のギャル男風であり、ヨノバルは紫髪のアシンメトリーな陰キャ少女である。
アーシ「いくらでもカードゲーム制作に付き合ってやるから、もう飛び降りとかするなよ!?」
ヨノバル「問題ない。我は貴様という後ろ盾を得たのだ。全ては良い方に向かうだろう。」
ヨノバルは中二病であった。唐突に一人称が「我」と「私」で切り替わり口調も入れ替わってしまう。さすがにアーシは二重人格ではないだろうと思っていたので、普通に接している。
そしてヨノバルは一度飛び降りかけたことがあった。ヨノバルとアーシは同じクラスなのだが、ヨノバルが屋上から飛び降りようとしたのを、アーシが止めたことがある。そしてその時のヨノバルの飛び降り理由が非常にロックだったので、アーシは今で覚えている。
アーシ「『自作カードゲームの環境と世界観が壊れたので死にます』なんてもうやめろよ!! そんなんで死んだらみんな悲しむから!!!」
アーシ「というかだよ、カードゲームならいくらでも付き合ってやるから!! 死ぬな!!!!」
ヨノバルは重度のカードゲームオタクであった。遊戯王やデュエル・マスターズ、ドミニオンなど多くをたしなんでおり、自分でカードゲームを作ろうとしたのだ。そして彼女は自作カードゲームを作り、ご当地ネタ満載のなんでもありのゲームであった。
しかし問題は、ご当地ネタを擦りすぎてカードパワーが異常に高すぎてしまい、環境がぐちゃぐちゃになっていることだった。『環境』とは何か? カードゲーム大会では強いカードを皆が使うのだが、どういうカードが使われるか、それがゲームとして面白いかを示す言葉が『環境』である。どんなデッキでもそこそこ戦える場合が「良環境」。皆が完全に同じデッキを使って戦い、それ以外のデッキが太刀打ちできない場合を「糞環境」と言うのである。
ヨノバル「一人で環境考察していたんですけど、どう考えても『あのカード』が強すぎるし、カードゲームの世界でも彼女は孤独なんじゃないかって。」
アーシは思っていた。『この女、ヨノバルは可愛いが、付き合うと絶対に破滅するタイプだ』と。カードゲームオタクであることは別に良い。でも自分の作ったカードゲームを1人で回し続け、環境考察し、背景世界でのキャラの立ち位置を考えるのは明らかにヤバイしキツい。しかし飛び降りを止めたからには責任を持つべきだとアーシは思っていた。
アーシ「お人形遊びが好きだな本当に。その件は放課後に話そう。授業中に紙回してくるなよ。勉強に集中しないと香港に帰されるから。」
ヨノバル「留学生は大変だな。我は米原市民としてここにずっといるだけでよいのに。」
アーシ「そうだなあ。やっぱり米原市、住み心地がいいなあ。帰化できないかなあ。」
二人は米原市の高校に通う高校2年生である。
滋賀県米原市。のぞみ含む新幹線全てが止まり、あの七夕伝説の元となった土地であり、都市圏へのアクセスも良好である大都市である。人口は50万人を超え、政令指定都市にもなっている。米原市は全てが満ち足りており、映画館、喫茶店、ゲームセンターなど足りないものがない、全てが満たされる理想郷である。世界的財閥の「八咫烏財閥」も本社が存在している。米原市は全ての都市に勝利する。
読者の知っている米原市と違う? そんなはずはない。米原市は地理的・新幹線的・伝承的にもトップを取れる最強カードであり、滋賀県はもとより名古屋をしのぐ大都市でないとおかしいのである。故にここに書かれている情報は米原市の真実である。滋賀県米原市を超える都市など存在しない。米原市はまさにユートピアであるのだ。東京の人混みも、田舎の過疎もない、まさに完全なトカイナカなのだ。疑うのなら、君も米原市に行って確かめよう。ちなみに、岡山県倉敷市長は毎日米原市の方向に向かって土下座している。もはや米原市は地方創生のメッカである。それぐらい米原市は凄い。
この小説は2つの側面を持つ。
一つ。この小説は米原市のPRである。
二つ。この小説はカードゲームアニメのノベライズである。
読み進めるのであれば、この2つを忘れてはいけない。
放課後————
ヨノバル「それでは、カードゲーム開発部の会議を始めます……。」
ヨノバル「このぶっこわれカード『アキュー』のメタカードを考えてください!」
アーシ「この『アキュー』というカードはそんなに強いのか?」
ヨノバル「強いです。彼女は東京都あきる野市民でGHQの残党なんです。GHQは全てを検閲するので、相手のカード発動を全て検閲して止めます。」
アーシ「やばいって!!!! そんなの壊れるに決まってるじゃん!!!」
ヨノバル「背景世界では各市町村にヤミヨロズと呼ばれる神様が住んでいるのですが、アキューというヤミヨロズはトラウマを抱えていて、話せる相手がいません。対等な人がいないのです。」
アーシ(これ、木戸博士の夢に似ているな……。じゃあ相手は……。)
ヨノバル「この子をカードゲーム世界から抹消するしかないんでしょうか? それは可愛そうだし、彼女を消したとしてあきる野市にどのヤミヨロズを置けばいいんでしょう?」
アーシ「…………調布市の枠は空いてるか?」
ヨノバル「我はまだ作っておらぬが、調布市は何があるのだ? GHQに勝てる存在ができるとも思えんが……。」
アーシ「アーシにもカードを作らせてくれ。調布市民にBBC(英国国営放送)を割り当てる!」
ヨノバル「なんだと!?」
アーシ「これでできるはず……アキューの対等な相手が!!」
>>>>>>>カードゲーム世界>>>>>>>
ここはヨノバルが制作しているカードゲーム『ヤミヨロズ・アーカイブ』の世界。
ここには『ヤミヨロズ』と呼ばれる神々が、各市町村に暮らしている。
あきる野市にはアキューと言うヤミヨロズの少女が住んでいた……。
アキュー「…………。」
アキュー「だるいっすね。何もやる気が起きないっす。」
アキューは孤独を感じていた。彼女はGHQとして日本の歴史でずっと暗躍してきた一人である。
アキューには対等な相手はいなかった。知り合いはいることにはいるが、疎外感を感じていた。
アキュー「ワタシ、強すぎるっすよ。だってGHQの決戦兵器だから。」
アキュー「あー来ないっすかね、ワタシの運命の相手……同じぐらい強くて、互角に戦える奴がいいっす。」
アキュー「『対等な双子』が欲しいっす。」
アーシエル「こんにちは。」
アキュー「誰っすか?」
アーシエル「私は格闘技団体「ゴエティア」から来たアーシエルよ。」
アーシエルと名乗った女性は、まるで天使のような服装をしていた。
そして現実世界のアーシエルとは全く姿が違っていた。あっちはギャル男で、こちらは天使である。
アキュー「格闘技団体ゴエティア……聞いたことがあるっす。そこで戦えば『運命の相手』と結ばれると。」
アーシエル「そうよ。私たちに任せて。あなたはこの封筒を拾ってくれればいい。」
アーシエルは赤い封筒を取り出した。そしてアキューの目の前に放り投げる。
アーシエル「この封筒には「あなたへの挑戦状」が入っているわ。」
アキュー「恨まれるようなことはいっぱいして来たっすけど、正直受ける気はしないっす。だってワタシ強くて勝つに決まってるから。」
アーシエル「ちなみに相手は東京都調布市民よ。」
アキュー「うおおおお、受けるっす!! 東京都調布市!? 東京23区に近いから調子乗ってるっすよ!!! ぶちのめすっす!!!」
アキューは赤い封筒をささっと拾った。
アーシエル「契約成立……ね。」
アーシエル「ちなみに、その相手と戦う前に何戦かしてもらうから!」
アキュー「わかったっすよ……。」
アキュー(この対戦相手こそが……ワタシの……。)