ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう―   作:Linkscape

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1-2 最強の富士山決戦!!(半ギレ)
自認って便利な言葉なのでみんな使おう


博士「ヤミヨロズ・アーカイブの世界は楽しんでおるかのう? わしはヤミヨロズを研究している木戸博士じゃ!」

 

博士「バージョン商法と言うのを聞いたことがあるかのう? 2パターンのゲームを作って、2つ買わないと全てのコレクションが集まらないという商法のことじゃ! 伝説の存在が違っていたりするのじゃぞ~。」

 

博士「さて、君はどちらが好きかのう? ヤミヨロズの好感度調査じゃぞ~。」

 

キダリイ ミキサーの付喪神(ヤミヨロズ) はがね/むし

山梨県民。富士山は山梨の物だと思っている。流れる水が苦手で、溜まっている水が大好き。

 

モエウタ ミキサーの付喪神(ヤミヨロズ) ほのお/ノーマル

静岡県民。富士山は静岡の物だと思っている。流れる水が好きで、溜まっている水が苦手。

 

博士「そもそもwwww富士山なんて滋賀県の土をダイダラボッチが奪って作った物なんだから、富士山は滋賀県の物に決まっておるのじゃwwwwwwwwwwwちなみに奪った土のくぼみが琵琶湖になっておるのじゃぞ~。」

 

キダリイ「すみません。山梨県民でひとくくりにしないでもらえますか?」

モエウタ「すみません。静岡県民でひとくくりにしないでもらえますか?」

 

博士「?」

 

キダリイ「私は国中ですから、郡内の奴らとは違うので!!」

モエウタ「私は遠州ですから、伊豆の奴らとは違うので!!」

 

二人「そして……!!!!」

 

キダリイ「富士山は山梨の物です!!!」

モエウタ「富士山は静岡の物です!!!」

 

二人が博士に詰め寄る。

 

博士「え、じゃあ富士山あんまり関係な……ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

こんな何千回聞いた争いが、こんなに頭を悩ませることになるとは思いもしなかった……。

 

***

 

現実世界。アーシエルは目を覚まし、LINEを確認した。

 

先の話で述べた通り、アーシエルとヨノバルは、宮崎阿求・水木梓とLINEを交換していた。カードゲームとしてのチェックなどをお願いすることもあるかもしれないし、大企業である八咫烏とのコネは残しておきたかったのだ。が、アキューはかなり焦っていた。以下はLINEのやり取りである。

 

アキュー「八咫烏社内の話だ。オフィスグリコの違算金とリニア開通でめちゃくちゃ揉めて、山梨と静岡の戦いになってるんだ。」

 

アーシ「どういうことだ……?」

 

オフィスグリコは社内のお菓子サービスである。グリコからお菓子ボックスが置かれる。八咫烏社員はストックされているお菓子を食べてよいが、食べた分だけお金を入れておく。回収するときに減ったお菓子と入れられたお金が合致すればいいのだが、たいていの場合合わない。そしてなんと今回、15000円も少ないのだ。オフィスグリコの社員からは「万死に値する」と言われており、誰が15000円払うかで揉めている。

 

ちなみに八咫烏財閥がリニアを通すかどうかで、山梨は賛成し、静岡は反対しているのだ。八咫烏財閥は事業の方向性がよくわからなくなった時、社員全員にアンケートを取る風習がある。

 

アズサ「困りましたね。元々山梨県チームと静岡県チームは犬猿の仲。山梨県リーダーはバーテンダーとしてBARを経営している部署なんですが、静岡県リーダーはロックフェスの興行をしているんです。」

 

アーシ「わかりました。ありがとうございます。ところで、これは……愚痴ですよね?」

 

アキュー「いや、違うぞ? 解決できるんじゃないかと思ってる。 ヤミヨロズ・アーカイブで。」

 

アーシ「いや、さすがにデュエルしたら友達になれるというのは人によりますし、山梨と静岡の因縁がこれで解決するとは思えません。」

 

そうして学校に行き、放課後まで何気ない授業を聞き流す…………。

 

ヤイバラ「アーシさん! ヨノバルさん! 私を忘れてもらっては困りますよ。クラスメイトのヤイバラです。」

 

クラスメイトの山田イバラ(通称ヤイバラ)が話しかけてきた。彼女にはいろいろ世話になっている。先生の弱みを握っているらしく、チナミダ先生が放課後の教室での活動を許可してくれるのも彼女のおかげだ。

 

アーシ「すまん、ヤイバラ! いつもノート見せてくれて! ヨノバルは授業に集中できてないし、アーシは留学生だから、中国語でつい書いてしまうんだ……。」

 

ヤイバラ「いいですよ、カードゲーム制作頑張ってくださいね!」

 

ヨノバル「我も感謝しているぞ!」

 

~放課後~

 

放課後にカードゲーム制作部(半公認)が始動するのだ。今回はアキューとアズサの話を聞くために、待ち合わせをして大学食堂に訪れる。相手は社会人なので、定時まではその場にいたヤイバラに適当にルールを教えていた。

 

ヨノバル「この話面白そうじゃないですか!!!」

 

アーシ「でも問題があるよな?」

 

ヨノバル「はい。静岡県のカード『モエウタ』はクトゥルフの力を得てすんごい強いんです。山梨側が戦ったらさすがに負けてしまいます。これで遊ばせると山梨側は不公平だとわめくでしょう。」

 

アキュー「難しいっすね……。でも確かに静岡側のリーダーは燃歌(モエウタ)さんっす。」

 

とりあえず山梨側のカードを作ればいいが、たぶん……。

 

アキュー「山梨のリーダーはわからないっす……。」

 

アズサ「正直全社員を把握しているわけじゃないし、人間関係も分からないのよ。」

 

アキュー「調べるっすから、それが終わったら対抗カード作ってくれるっすか?」

 

ヨノバル「任せてください!!」

 

***

 

アキューとアズサは次の日に活動を開始した。

 

アズサ「じゃあ私が山梨側の人に聞いてみるから、ちょっと待っててもらえるかしら。」

 

アキュー「お願いっす。一応静岡側に知ってる人がいるかどうか尋ねるっすけど、山梨側の方が確率が高そうっすからね。」

 

アズサは山梨県の知り合い、ねんどるに聞くことにした。ねんどるは芸名であるが、彼女は八咫烏に所属しながら歌手をしている。しかし芽が出ていない。あまり気にしていないが。

 

ねんどる「木田梨衣(きだりい)さんですね。私たちのリーダーは。でも最近BAR経営が危なくてちょっと忙しいので、会うのは難しいかもしれないです。」

 

アズサ「どこ出身ですか?」

 

ねんどる「いや、山梨県であることしかわからないです。ただ私の住んでた山梨県中央市ではないそうですよ。」

 

アズサ「…………。」

 

ねんどる「きだりいさん、お酒飲めないんですよ。本当は果物大好きで、ジュース事業をしたかったんです。でもバー経営するのであれば酒飲めなくてもいいだろうということで、オーナーになっています。」

 

アズサ「え、バーのオーナーってバーテンダーじゃないの?」

 

ねんどる「違っててもいいです。」

 

アズサ「なんかヒント無い?」

 

ねんどる「そうですね……。ロンドンに行ったことがあるらしいです。地元ワインの売り込みとして。」

 

アズサ「へえ。イギリス行ったことあるのね。私もイギリス留学してたことあるから共感しちゃう。」

 

そのころ……。

 

モエウタ「本当にあの女はムカつきます!! BAR経営の方がロックフェスより予算が多く割り当てられてるなんてありえません!!!」

 

アキュー「その木田梨衣さんという相手はどこ出身かわかりますか?」

 

アキューは燃歌(もえうた)ミコトに接触していたが、なかなか情報を聞き出すのが難しい。

 

モエウタ「私は静岡県掛川市出身ですが、彼女は山梨県の郡内ではないことしか知りません。」

 

アキュー「えっと……?」

 

モエウタ「富士吉田市とか富士山があるエリアらへんを郡内と言いますが、そっちでないのは国中地方と言います。」

 

アキュー(絶対言ったら怒られるが、掛川市も富士山エリアではないはずだが……。)

 

モエウタ「考えてることはわかります。しかし静岡と山梨はそこで争う宿命なのです。」

 

モエウタ「そしてあいつは自認がヴァンパイアです。」

 

アキュー「え???wwwwww」

 

モエウタ「面白いでしょうwwww??? 棺桶に入って寝るらしいです。あと流水が苦手らしいですよ。トマトジュースも飲みます。でも鏡には映るんですよね。ちょっと笑っちゃいましたが、そんなふざけた女に負けるのは嫌なんです。」

 

アキュー「あなたの自認は?」

 

モエウタ「ミ=ゴですね。掛川市はクトゥルフの街と姉妹都市なのでクトゥルフの力を得ています。そして私は、炎にトラウマがあるので雪男と同一視されるミ=ゴを自認して……。」

 

モエウタ「そうだ、あいつはリニアを通るかとワクワクしてるんですが、私はリニア嫌いです!」

 

アキュー「なるほど……ありがとうございます!!」

 

アキュー(正気度が下がる!! 離脱するしかない!!)

 

***

 

アーシ「二人が得た情報を総合すると……。」

 

ヨノバル「これしかないですね。きだりいさんの出身地は……。」

 

アーシ&ヨノバル「山梨県笛吹市」

 

ヨノバルはささっとプロキシ(正式なカードにする前の試し用カード)を書きあげ、アキューとアズサに見せる。

 

アーシ「カードはできました。モエウタVSキダリイをヤミヨロズ・アーカイブで再現してください。」

 

アキュー「ありがとうっす! 何とかやらせて見せるっす!!」

 

アズサ「まあダメ元ね。能力のバランスはとれてそうだし。」

 

こうして、モエウタVSキダリイが開かれることになったのだが……。

 

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