ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう―   作:Linkscape

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駿河乞食・遠州泥棒・伊豆の飢え死に

アキューたちの勧めで、八咫烏財閥の食堂で、キダリイVSモエウタでヤミヨロズ・アーカイブで遊ぶことになった。まあ、15000円をかけているので、負けた方がオフィスグリコの不足金を払うことになる。

 

ねんどる「うわっ……キダリイ様も食堂でカードゲームやる奴になってしまったんですね……悲しいです。」

 

世間一般のカードゲームに対する目と言うのはこんなものである。

 

モエウタ「普通に面白いですね。」

 

キダリイ「そうですね。」

 

この2人は遊戯王とデュエル・マスターズを既にやっていた。知っていればだいたいの遊び方はわかる。なぜならこの2つをちゃんぽんしたシステムだからだ。悪く言えばパクり、もっと悪く言えば特許侵害である。(それらが特許としてあるかは知らないが。)

 

モエウタ「ですが!!! この勝負はモエウタVSキダリイのカード勝負で決まる!!!」

 

キダリイ「そうですか? ただの遊びではないですか。」

 

モエウタ「ルールブックを見ていると、この時行う処理は1つしかない。」

 

キダリイ「じゃあ入りますか……。」

 

2人「妄想フェイズに!!!!!」

 

>>>>>>>カードゲーム世界>>>>>>>>

 

カードゲーム世界。

 

今日も高天原の地下アリーナで、格闘技の宴ゴエティアが開かれる。観客席は殆どが埋まっている。なんせ、山梨VS静岡という王道カードが見られるのだから。リニア開通の可否がこの戦いで決まると思っている者さえいた。そんなことはないのだが。

 

アキュー「だいぶ苦労したっすね。アーシさんから『山梨最強VS静岡最強をできるかしら?』とお願いされて……。」

 

アーシ「二人とも本当にありがとう。こうやって盛り上がる試合を組むことこそが、我が主のためになるのよ。」

 

アズサ「まあ、ゴエティアの戦績があるけど、あまりあてにならないのよね。階級がバストサイズなのもあって、パウンド・フォー・パウンド(体重差を無視した最強ランキング)がやりにくいというか……。」

 

アキュー「ただ少しわかった。あの二人のマッチを成功させたのは手柄っすよ。絶対に面白いっすから!」

 

アズサ「楽しみね!」

 

アーシ「じゃあアーシもそろそろ行くからね!」

 

アーシエルは実況として実況席に戻る。そしてヨノバル様がマイクを握り、司会を進行する。

 

ヨノバル「その双子は似ていた。」

 

ヨノバル「とある生物を身に宿し、静岡と山梨を統べていた。」

 

ヨノバル「片方は流れる水を恐れ、もう一人は崇拝した。片方は溜まる水を悦び、もう一人は恐怖した。」

 

ヨノバル「2人とも温泉に深い縁がある。」

 

ヨノバル「そしてその2人は1枚のカードを取り合うために戦っている。」

 

ヨノバル「このような人間が2人も存在するのか!? いたら奇跡と言う他ない!!!」

 

ヨノバル「シルバーゲートから『恋するShowKeLoid』モエウタ選手、ゴールドゲートから『酒折のダンピール』キダリイ選手の登場です!!」

 

キダリイはシックなバーテンダー風の服装をしているが、その両手には3本ずつ鉄の爪が付けられている。ショートの銀髪と相まって誇り高きヴァンパイアのような印象を受けるかもしれない。

 

モエウタはアイドルのような印象を受ける。リボンを頭と太ももにつけており、茶髪でセミロングヘアである。そして不自然に、片方の手と足だけに黒い手袋とタイツを履いていた。手には拍子木(たたいて音を鳴らす、ひもでつながれた木の棒)を持っていた。

 

ヨノバル「普段はモエウタ選手はロックバンド、キダリイ選手はバーテンダーとして活躍しております。」

 

キダリイ「あなたが静岡最強ですか? よろしくお願いいたします。」

 

モエウタ「その通りです。」

 

モエウタ「……正直なところ事前情報はたくさんありましたよ。あなたは山梨でも比類なき強さを誇っている。そしてその病みは非常に深いと……。自認がヴァンパイアなんでしたっけ?」

 

キダリイ「違いますね。私の自認はイルバニアです。」

 

モエウタ「?」

 

キダリイ「ジェンダーが違う人をトランスジェンダーと言うでしょう? 私はトランスイルバニア……つまりトランシルバニアです。」

 

モエウタ「ルーマニアの吸血鬼の住む地を自認しているわけですか……正直言って頭がおかしいですよ、あなた。SAN値削れますって!」

 

ヨノバル「それではそろそろ試合を開始いたします!」

 

ヨノバル「そもそも、富士山は日本のものです。静岡と山梨、どちらのものだろうが、他の45都道府県からすればどうでもよいのです。」

 

ヨノバル「つまり……。」

 

モエウタとキダリイが構える。

 

ヨノバル「勝手に戦え!!」

 

試合が開始した。

 

アーシエル「モエウタ選手、突っ込んでいった!!! しかしそこはキダリイ選手の刃圏です!! ミキサーの付喪神であるキダリイ選手の刃は鋭く危険地帯です!!!」

 

***

 

二人の戦闘スタイルを書くとモエウタはヌンチャクのように拍子木をふるう近接タイプ、キダリイは長い鉄の爪で相手を切り裂く中距離タイプである。

 

ヨノバル「キダリイ選手の刃は強力です。手首の回転を生かして、刃をミキサーのように回し相手を切り裂きます。モエウタ選手はこれを止められるのかが第一関門となります。モエウタ選手は元々歌手をやっており、肺活量などはそこそこです。素早く動くことができます。」

 

選手入場口の奥から、アキューとアズサは試合を観戦していた。

 

アキュー「とりあえず二人の共通点は一つわかってるっす。」

 

アズサ「それは何かしら?」

 

アキュー「スタミナが異常で、バテるのを待っても意味がない。」

 

アズサ「へえ……。」

 

キダリイとモエウタは富士山登山でも全く高山病にならない。アーシエルはモエウタが歌手をしているから肺活量があると言っているがそれは間違いである。二人とも体内のヘモグロビンが多く、酸素を運ぶ力が強い。故に動き続けても酸欠にならない。おそらく富士山登山で最も生かされる技術であるが……。

 

アズサ「直感だけど、あの二人富士山登ったことないわね。」

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