ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう―   作:Linkscape

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最後の手札は2つだけ

入場口でも観察が交わされていた。

 

アキュー「なるほど……ミ=ゴとミヤリの二人はSAN値削りと寄生による精神汚染をやっていたんだな。そしてそれは本来のモエウタとキダリイが受けていた……ということか。」

 

アズサ「なるほどね。あの二人とも精神耐性が高い。まあヤミヨロズは病みやすい代わりにそういった精神攻撃の耐性が高いと言われているけど……。いわばマインドシャッフルってやつかしら。表に出ている方は精神ダメージを受けていないように見える。古典的な手段ね。」

 

アズサ「この戦い、どれぐらい続くの?」

 

アキュー「お互い2手ずつくらいっすかね……。」

 

アキュー(見せてくれよ……ヤミヨロズの力を情報収集させてくれ……。舞台は整えたんだ……!!)

 

戦闘上では変化が起きていた。

 

モエウタ「人格を戻しましたよ。やはり私たちは因縁の相手ですからね!! モエウタとキダリイで……勝負をつけるしかありません!!!」

 

キダリイ「山梨県笛吹市と静岡県掛川市。マニアックすぎますがまあ戦うのはつまらなくはありません。」

 

アーシ「仕切り直しです。鋼鉄爪 VS 拍子木、精神寄生汚染 VS SAN値削りはおそらく引き分けに終わっている。次は何を繰り出すのでしょうか?」

 

モエウタ「ではこんなのはどうでしょうか?」

 

モエウタは高出力水鉄砲を取り出した。

 

モエウタ「ミ=ゴの科学力は高いですからね。消防用の放水機をコンパクトにまとめてもらったんです。」

 

モエウタは流水をキダリイに向けてぶっぱなす!!!

 

アーシ「シンプルな水流攻撃だ!! 小型なのにこの水量!! 威力もすさまじいに違いない!! しかし避けるのは簡単なはず……。」

 

キダリイ「ひいいいいいいい!!!! 嫌だ!!!」

 

キダリイは全力で逃げた。情けない声を上げながら。

 

キダリイ「ミヤリさん、大丈夫ですか!?」

 

キダリイ(ミヤリ)「無理!! 無理!! 無理!!!」

 

モエウタ「これは『私たち』の力で決着ですかねえ!!!!」

 

高笑いする『二人』。キダリイというよりミヤリは流水が非常に苦手なようだ。このまま攻めれば勝てる、はずだが……?

 

モエウタ(ミ=ゴ)「いや、ここで止めろ!! 深追いするな!!」

 

ミ=ゴの言う通り、深追いは危険だった。キダリイは何かを吐き出そうとしていた。余程流水にトラウマがあるのか……?

 

と思いきや……。

 

キダリイ「あまりこの子をいじめるのは止めてくださいよ!!!!!」

 

アーシ「なんと!!! キダリイ選手は口から……。」

 

モエウタ「なんですって!?」

 

アーシ「生コンクリートを吐き出したああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

吐き出された生コンクリートがモエウタの脚をとらえていたのだ! このまま固まればモエウタの勝機は限りなくゼロになる!!

 

モエウタ(ミ=ゴ)「固まる前に水噴射で除去しろ!! 足元にまとわりついている!!」

 

モエウタ「はい!!!」

 

モエウタは水鉄砲で生コンクリートを除去した。そして問題があった……。

 

モエウタ「すみません。これだけ水をばらまいていてなんですが……。」

 

モエウタ「私、流水が好きでも溜まっている水は苦手なんですよね……。」

 

キダリイ「奇遇ですね。私は溜まっている水は好きでも流水は苦手です。」

 

モエウタ「そしてあなたはミキサーの付喪神でもその正体は……。」

 

モエウタ「ミキサー車の付喪神、なんですね!? 生コンを吐くって……そういうこととしか思えない!!」

 

キダリイ「御名答です。」

 

日本住血吸虫の宿主であった貝、ミヤイリガイを除去するのに、山梨の人々は非常に苦労していた。貝はどこにでもいるのである。そして繁殖力も大きい。そのため水路をコンクリート化して水の流れを早くすることで繁殖を抑えるという話になった。ミヤイリガイが恨むのであれば、まさにコンクリートをばらまくミキサー車なのである。そして人々は水路をコンクリートで覆ったミキサー車を神と崇めていても不思議ではない。そうしてキダリイは生まれた。

 

モエウタ「おっと、私はただの拍子木の付喪神ですよ。火事と音楽の街、掛川市に相応しいでしょう!!!」

 

ヤマハレクリェーションつま恋。音楽企業のヤマハ関係のレクリエーション施設であり、過去に大爆発事故を起こしている悲惨な土地である。モエウタも被害者の一人であった。それから彼女はヤマハから「ShowKeLoid(ショーカロイド)」という消火用ロボットを開発してもらい、防災用に使っているというのはまた別の話。彼女はいっそう、掛川市の拍子木として街を火災から守ることに全力を尽くしているのである。

 

キダリイ「……………………。」

 

モエウタ「……………………。」

 

キダリイ&モエウタ(相手のことは分かった。)

 

キダリイ&モエウタ(こちらの手札はあと2つ。)

 

ミヤリ&ミ=ゴ(それで勝てるのか?)

 

キダリイ&モエウタ(問題ない。相手の考えは読めている。)

 

キダリイ&モエウタ(こっちが必ず、勝つ!!)

 

アーシエル「長考していたようですが……二人とも動きます……!!」

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