ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう―   作:Linkscape

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鎮守府VS鎮守府の始まり

>>>>>>>カードゲーム世界>>>>>>>

 

カードゲーム世界。ゴエティア運営の元に一人の少女が訪れた。といっても江東区のマンションの一室でしかないのだが……。

 

ツムギ「ごめんください。」

 

アーシエル「ご飯作ってきたから食べなさい! 作りすぎた肉じゃがよ!!」

 

ヨノバル「アーシさんの渋谷の自宅から運んでこなくていいから!! 陽キャがうつる!!」

 

アーシエル「そもそもなんであなたの部屋はゴミ屋敷なの? 片付けた方が良いわよ?」

 

ヨノバル「これで回ってるからいいの! 勝手に触らないで!!」

 

アーシエルとヨノバルは喧嘩しているようだ。

 

ツムギ「ごめんください!!」

 

ヨノバル「そもそも実況もう少しうまくならない!? 一般人でもいえることしか言ってないよ!?」

 

アーシエル「解説もマニアックすぎるのよ……もう少しわかりやすくね……。」

 

言い忘れていたかもしれないが、このカードゲーム世界のヨノバルもアーシエルも、ツムギもヤミヨロズである。しかしヤミヨロズ同士の喧嘩が全てゴエティアで行われるわけではない。このような日常に挟まれるたわいもないやり取りの方が多いのだ。

 

ツムギ「ごめんください! 戦わせたい二人がいるんですが、本人たちの許可って流石に要りますよね?」

 

二人は喧嘩を止め、ツムギの方を向く。

 

アーシエル「報酬を増やすなら『対戦相手をお互いに秘匿する』という戦いもできるわよ。ただし……。」

 

ツムギ「面白い試合になる確証が得られないとやらない。ですよね……。」

 

ヨノバル「まあ興行だしね。戦いに価値を見出すのは観客で、こういうシークレット試合をするとみんな期待する。しょっぱいとちょっとね……。」

 

アーシエル「で、相手は?」

 

ツムギ「ジャスカさんとマヤさんです。私なら二人をゴエティアに連れてこれます。」

 

その名前にアーシエルとヨノバルは震えた。

 

ヨノバル「え、本当!? その二人は旧鎮守府の佐世保市と呉市に住むヤミヨロズでめちゃくちゃ強いし、今までの戦いも全勝だよ? 最近挑戦を受けても戦ってくれないけど……本当に連れてこれるの?」

 

ツムギ「相手は両方秘匿して、直前で明かすので良ければできる自信があります。」

 

ヨノバル「こちらからお願いしたい!! ほんとそれやってくれるならかなり助かる!!!」

 

ツムギ「ありがとうございます! あの二人には仲直りしてほしいので!」

 

ヨノバル「うーん……。私たちは戦いの場を用意しているだけで、仲直りを目的としてはないんだよね……。結果的にはそうなるだろうけど。」

 

アーシエル「そうね……あと……その2人だけじゃ足りない気がする。」

 

アーシエルは交換しておいたアズサとアキューにLINEをする。

 

アーシエル「マヤとジャスカの『被害者』をそれぞれ1人連れてきて。」

 

アキュー&アズサ「承知しました!」

 

***

 

そうして準備は進み、試合当日。観客の入りは上々である。今回は3試合の内の最終試合に、メインイベントのジャスカVSマヤは企画されていた。今行われているのは第二試合のフラシキVSねこすりだ。

 

アーシエル「決まってしまったあああああああああああ!!!! 『恐るべき常時馬鹿(エブリデイフール)』フラシキVS『妖魔』ねこすりの対決は、ねこすりの勝利だああああああああああ!!!! 妖怪の騎士はゾンビを惨殺したああああああ!!!」

 

選手入場口であるゴールドゲートに待機しているアキューは、シルバーゲートへ戻っていくねこすりを見ていた。向こう側のアズサと何かを話しているようだ。そしてとどめを刺されても復活したフラシキは、ゴールドゲートへ戻っていく。

 

アキュー「お疲れ様っす。」

 

フラシキ「ボコボコにされてしまいました!」

 

アキュー「毎回、やられ役として参加していただいてありがとうございますっす。」

 

フラシキ「いえいえ、ゾンビキャラはばっさばっさ倒されてこそゾンビなので。ゾンビが強すぎたら世界崩壊するので……。さて、かぷーってしていいですか?」

 

アキュー「やめてほしいっす。とどめは刺されなかったので次の試合を見るっすか?」

 

フラシキ「そうですね~。いいんですけど~。」

 

フラシキ「私、何の感動ももうできないんで~それでも良ければ~。」

 

アキュー「どうぞどうぞ! 席が空いているので!」

 

フラシキ「ありがとうございます~。」

 

フラシキは観客席に行き、ツムギの隣に座った。

 

ツムギ「あ、空いてますんで。」

 

フラシキ「よろしくお願いします~。」

 

ここで紹介しておくと、フラシキは改造和服の学校黒制服を着た、黒髪おかっぱの少女である。しかし特徴的なリボンが目を引く。ツムギは白髪ロングであり、白い和服を着ている。そしてタイツの絶対領域を見せつけるように短いスカートである。

 

***

 

そのころ、ヨノバルは本日の最終試合のために、司会をしていた。

 

ヨノバル「メインイベントはシークレットの相手となっております!!! どちらも対戦相手を知りません!!! しかしかつてゴエティアでは無敗だった、まごうこと無き強者です!!」

 

会場にはローブをかぶった人物が二人立っている。

 

ヨノバル「それでは、ローブを脱いで下さい!!」

 

二人がローブを脱ぐ。そこにはロボットのバニーガールのような青髪の女性と、極道の妻のような服装をした、茶髪褐色の女性が立っていた。

 

ジャスカ「やはりあなたですか、マヤさん。極妻らしさに磨きがかかってますね。綺麗な褐色が台無しです。」

 

マヤ「あなたもバニーガール似合ってませんよ? 薄々気が付いていましたが……それよりも……!!」

 

観客席にいるツムギを、二人は直視する。睨んではいない。二人とも笑顔だ。

 

ジャスカ&マヤ「ツムギさん、これはいったいどういうことですか……?」

 

ジャスカ&マヤ「相手がマヤ/ジャスカじゃないって聞いたから来たんですよ?」

 

ジャスカ&マヤ「少し話を聞かせてほしいですね……。」

 

ジャスカ&マヤ「二人っきりで!」

 

目力がすごい。殺気と性欲を向けられている。ツムギは実感していたが逃げなかった。

 

ツムギ「私ができるのはここまでです! お二人の人生が良くなるかどうかは、二人の戦いとヨノバルさん達の力量にかかっています!!」

 

ツムギ「私は見ていますよ。どうなるのかを。」

 

ジャスカ「わかりました……。私たちのことを考えてくれていたなら、感謝します。」

 

マヤ「でも忘れないでください。あなたの街は別に鎮守府ではないということを……。」

 

ツムギ「はい…………。」

 

ヨノバル「ということで!! 今回は鎮守府同士の夢の対決です!!」

 

ヨノバル「長崎県佐世保市と広島県呉市……どちらのヤミヨロズが強いのか対決となります!!」

 

ヨノバル「ということで、ゴールドゲートから『ジャベリンアイ』ジャスカ!! シルバーゲートから『シークレットファイル』マヤの登場です!!!」

 

会場は沸き立っている。鎮守府の4人はボクシングで言うのであれば、4団体のそれぞれの王者。世界王者統一戦のようなものと言えるかもしれない。

 

観客A「どういうことだ!?」

 

観客B「どうしましたか?」

 

観客A「そもそも鎮守府って何!!?!?!!?!?」

 

観客B「ああ。そんなことですか。まず日本はかつて大日本帝国という国でした。戦争をする時に、軍港に司令部や海軍の拠点を置いたんです。それは4つありました。長崎県佐世保市・広島県呉市・神奈川県横須賀市・京都府舞鶴市。ポケモンで言えば四天王クラスの強者と言えるでしょう。」

 

観客A「なるほど……。そういえば海上自衛隊って5つ拠点があるよな。その残りの1つって――――」

 

ヨノバル「正直この戦いは日本の人々ならそれなりに気になるでしょう。ですがこの戦いはあくまで個人的な因縁が元となっているはずです。」

 

ヨノバル「だから……。」

 

ジャスカとマヤは身構えた。

 

ヨノバル「勝手に!!!!!!! 戦え!!!!!!!!!」

 

試合開始の大声が響き渡った。

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