ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう― 作:Linkscape
ヨノバル「おそらく狙いは1つしかありません! 振動によるジャスカさんの脳震盪を狙っています! ジャスカさんはどう対応していくのか!?」
会場の盛り上がりは最高潮に達している!! スポットライトはジャスカとマヤの二人に充てられている。熱気を抑えるために空調も激しくなっている。
ジャスカ「…………私に死角が無いのは分かっていると思いましたけどね。」
アーシエル「そうです! ジャスカ選手の武器は『目』! 超人的な動体視力と異常すぎる視野角です!! おそらく仰向けの状態でも全てが見えているに違いない!!」
ジャスカ「カウンターを取ることは容易です。私の計算が正しければ……。」
ジャスカ「だって、全部見えていますから。」
マヤは移動しながらほくそ笑んだ。
マヤ「………………見れるものなら……。」
その瞬間―――
マヤ「見ろよ見ろよ!!」
ガタンと音がした。ゴエティアの照明が落ちてしまった。
アーシエル「なんだとおおおおおおおお!? ゴエティアの会場の電源が落ちてしまった!! 電力供給が足りなかったかあ!?」
ヨノバル「すみません、すぐ復旧いたします!!!」
マヤ「私は削っていたんです……電力供給能力を!! 会場に細工してね!! そして会場を熱狂させて、ブレーカーを落としたんです!! 所詮、停電時間は十数秒ですけどね!!! 馬鹿野郎お前私は勝つぞお前!!!」
ジャスカ「これじゃ……見えない!!!! でも音は聞こえますよ!?」
マヤ「本当に? 一方向からですか?」
ジャスカ「—————2方向から聞こえる!?」
マヤ「そして!! 邪魔でしょう!? 会場の歓声が!!」
マヤが迫ってくる音が両方から聞こえてくる。会場の歓声も混じり非常に解釈が困難である。ジャスカは視覚に全振りしているため音を察知する能力は低かった。おそらくマヤはスマートフォンなどのデバイスを反対方向に投げて鳴らし、音で撹乱しているように見える。
マヤ「私は広島ヤクザを鉄火場に送り込んできた実績がありますからね、こうした、仁義なき戦法はいくらでもできるんだよなあ!!」
ジャスカ(この勝負……。)
マヤ「地獄のリストにぶち込んでやるぜ! 許して下さい! 何でもしますから!(何でもするとは言ってない)」
ジャスカ(私の勝ちですね。)
マヤ「JASKAをアナグラムして余計な文字を入れたり消したりするとMAYAになりますね! なんだこれは、たまげたなあ……。」
ジャスカ(マヤさんは昔から卑怯な奴だった! 耳を傾けてはいけない! ………………そう。彼女は軽口を叩くがロマンチスト。彼女の思い描く結末は1つしかない!)
ヨノバル「すみません、まだ復旧に時間かかりそうです!! このままでは結末が誰も見れずに終わってしまいます! それだけは避けたい!! でも時間稼ぎはしなくて大丈夫です!! そのまま戦ってください!」
ジャスカ「いえ、復旧しなくても、結末はみんなの目に焼き付けますよ。」
ヨノバル「私はあなたたちを信じてますけど、司会としての責任です!!」
マヤが左右のどちらからか襲い来るが、どちらからかはわからない。倒れているジャスカの上に乗られればジャスカはひとたまりもない。背後から首絞めする時とは比べ物にならない。マヤの体重も合わさり、微振動で一気に体は削れ、脳震盪で気絶するだろう。
マヤ「これで終わり………で……」
ジャスカ「ここだっ!!!!」
ジャスカは眼を見開いた。その瞬間会場にはまばゆい光が差し込んだ。
マヤ「あ…………。」
ジャスカ「カメラの付喪神なんだから当然ございます、フラッシュ機能はなんと1500円!!」
ジャスカの体からまばゆい光が放たれ続けている!!
そしてマヤは間近でフラッシュを見てしまったがために一瞬動きが停止した。
ジャスカ「オペレーターを増やしてお待ちしておりました!」
ジャスカは忍ばせていたもう一本のナイフで、マヤの首筋を掻っ切った。マヤは移動のための振動が必要だったので、地面に接していない喉を振動させていなかったのだ。声が震えるというのがコンプレックスだったのもある。
ジャスカ「ただいまお死にいただくと、ナイフもう一本を300円で送料無料!!!」
マヤ「良いよ、来いよ!! ケツの穴舐めてもマヤさんを舐めるなよ!? 頸動脈斬られてもダメージは薄い!! 結局、脳震盪で終わりなんだよなあ!」
ジャスカ「好きな娘相手に強がってしまう……そんな悩みに青汁……。」
ジャスカは光り続けていたが、会場の電源は復旧しジャスカは光らなくなった。お互いにもう限界だったに違いない!!
そして、マヤはジャスカの上に覆いかぶさっていた。二人はぴくりとも動かない。ダブルKOか? 観客はざわついていたが数秒後に結果は判明した。
片方が動いた。
アーシエル「け……………。」
アーシエル「決着ううううううううううううう!!! 旧鎮守府の精鋭、佐世保市と呉市の決着が今付けられたああああああああ!!! 相手を読み切り勝ったのは……!!!」
ジャスカ「二人は幸せなキスをして終了……ですか。」
ジャスカ「私の唇は値引きできませんよ。」
アーシエル「佐世保市のシリアルキラー、ジャスカだあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
ジャスカは読み勝ち、頸動脈を切り裂いてマヤを停止させた。しかしマヤが上に乗ったまま倒れジャスカとキスする形になってしまった。試合に勝って唇を奪われた、とでもいうべきだろうか……。
ジャスカ「私もまだまだですね……っと。」
優しくマヤを寝かせて、ジャスカは退場して行った。
会場のボルテージは最高潮に包まれていた。しかしその熱狂に飲まれていない女が1人だけいた。
フラシキ「マヤさんもジャスカさんも私をあんなに激しく求めていたのに……殺したり襲ったりしてたのに~別に女がいたんですね~。」
フラシキ「悲しくないんですけど~何なんですかねこの感情は~。」
フラシキ「まあ面白いんでしょうけど、私はそういうの感じないんで、帰りましょうかね~。」
ツムギ「その、試合、面白かったですね!」
フラシキ「客観的に見れば、そうですね~。」
フラシキは一人観客席を後にした。