ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう― 作:Linkscape
そして、シャークが動く。
シャーク「我の弾幕を見せてやろう!! 避ける必要が無いといったな!? では相殺できる物ならしてみろ!! この『スクリーン』を見て死ね!!」
シャークは映写機のハンドルを回す。そこから光が放たれるが、それは『弾』ではなく『面』であった。高速でエネルギー膜がマジキテルに襲い掛かる!
アーシエル「シャーク選手、まだ力を隠していました!! 弾幕が規則正しく並んでいて、面にみえるのかもしれません!! マジキテル選手はどう防御するのでしょうか!?」
迫りくる『面』。そして―――
シャーク「もちろん、一点突破など考えるなよ?」
マジキテル「なんだって!?」
シャーク「弾幕は面として相互作用している。例えばサランラップを指で突いたらどうなるかわかるだろう? サランラップが指に絡みつくように、お前に残りの全ての弾幕が襲い掛かる!!」
マジキテル「…………悪いけどさあ、動かないという選択肢、僕にはそれしか存在しないんだよねえ!!」
マジキテルも高速でエレキテルのハンドルを回し続ける。
アーシエル「シャーク選手が説明した通り、1点突破は他の弾幕の面を集中して受けることを意味します!」
ヨノバル「避けるのが正しいですが、おそらくマジキテル選手のスピードではこの弾幕はかわせない!! 膜は高さがあるので、竹とんぼでも回避不可能です!」
アーシエル「万事急すかあああああああああああ!!?」
マジキテル「ごちゃごちゃうるさいよ。」
マジキテル「黙って、これ見て楽しめ!!」
マジキテルから、槍のような雷電が放たれる!!
そしてそれは――――
シャーク「何!? 我のエネルギー膜を突き破っただと!?」
観客C「しかしシャークの言った通り、横の弾幕の相互作用でマジキテルに当たる。相打ち狙いか。」
マジキテルの放った雷電はシャークのエネルギー膜を突き破ったが、それに引っ張られた他のエネルギーがマジキテルに襲い掛かる!
観客「これで終わりだ!! ダブルノックアウトだ!!」
マジキテル「さすがに他は避けられな―――」
シャーク「チイッ!! この威力を相殺は無理、受けるしかないか―――」
考えている間に、タイムリミットが来た。
アーシエル「直撃いいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
シャーク「うわああああああああああああああああああ!!!」
マジキテル「ぐううううううううううううううううううう!!!!」
お互いに大ダメージを受けた。同じやり取りをすれば、お互いに沈むだろう。
シャーク「ガキの癖にやるではないか。褒めて遣わす。」
マジキテル「面攻撃を隠してたなんて、おばさんにしてはやるじゃん!!!」
マジキテル「でも映画って、ゲームの下位互換だよねえ!! 見るだけじゃん!!」
マジキテルがまた回す。だって彼女にはこれしかないからだ。
アーシエル「マジキテルがまた、電撃の槍を飛ばしたああ!! 威力は非常に高いです! これが当たれば決着です!!」
しかしシャークは全く見当違いの方向にエネルギー弾を撃った。そして、マジキテルの電撃はシャークに当たらず逸れていった。
シャーク「愚かな。」
マジキテル「なんでこうなるんだよっ!!?」
シャーク「エネルギーに電荷があるからだ。先ほど我が撃った弾は、お前のと電荷が逆だから、引き寄せられてお前の電撃が逸れたのだ。」
シャーク「これは1992年の『プラスザメVSマイナスザメ』のサメ映画から学んだ知識だ。」
マジキテル「現実にあるの、それ?」
マジキテル「—————とにかく!! お互いにさあ……鯨への憎悪が相手に向いててさあ……!! 無駄じゃない!? やめない!?」
シャーク「辞め方がわからぬ。そしてお前の考えは手に取るようにわかる。『相手だけ解除させて、自分が圧倒しよう』。そう思っていただろう? 少なくとも我はそう考えた。」
マジキテル「偶然だねえ、僕もだよお!!」
観客「美少女と貴婦人のゲス顔、素晴らしいぞ!!!」
会場は湧き上がっていた。やはりこういう試合が好まれるのだろうか? 二人とも『鯨』の単語に反応してここまで暴走してしまっているのだが、日常生活が困難でも、興行的にはこれが成功なんだろうか?
マジキテル「お互い大変だねええ!! よくある単語で性格変わるんだから。持続時間は?」
シャーク「永遠だ。」
シャークは不意打ちで弾幕をばらまく!! マジキテルは相殺する。
マジキテル「もしかして映画座って見れないタイプ? 人の話聞ける?」
シャーク「? ちなみに吹替と字幕は50ー50%で見ている。」
マジキテル「ふーん…………。まあ……。」
マジキテル「普段からこれだと日常生活送れないから、そっちも解除方法はあるんだろうけど……。」
お互いに分かっていた。「相手に解除方法は絶対にある。それも自分とかなり似ている方法だ」と。
***
観客席で2人のヤミヨロズが話していた。それは二人の介護役のトラマルとブラックである。
ブラック「やっぱり―――麺類だろ?」
トラマル「火火火……うどんを食わせれば戻ります。」
ブラック「こっちは焼きそばだ。念のため、自分で戻ってもらえるように、俺も焼きそばを渡してるんだが……自分で食べてくれない。」
トラマル「介護はつらいよ。」
ブラック「全くだ―――。」
***
シャークとマジキテルは暴走状態を一切解除する気はなかった。しかし勝利のためには「相手を解除して自分だけが暴走する」という手段を取るほかなかった。