ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう―   作:Linkscape

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カードゲームの世界の中でカードゲームをやる

先手を取ったのはアキューだった。拳を交えながら語り掛ける。

 

アキュー「ゴエティアに参加する利点は2つある。それは何かわかってやってるっすか?」

 

アズサ「ええと……。観客からの投げ銭と、地元振興ですよね?」

 

アキュー「正解っす。ワタシたちは地元の代表。試合で勝てば、地元に人が来てくれるかもしれない。観客からの投げ銭も貰える。私は東京都あきる野市から来たっす。あなたはどこから?」

 

アズサ「東京都調布市から来ました。ヤミヨロズは神様ですが、私は妖怪に分類されます……。戦闘力のない小豆洗いで……。」

 

アキューは戦いながら疑問に思っていた。

 

アキュー(こいつ……弱すぎる!! そして明らかな違和感がある!!)

 

アキューのスピードにアズサはついていけない。アキューが普通にパンチを連発するだけでみるみるアズサのボディにダメージが入っていく。

 

観客「いいぞ!! ボコボコだ!!!」

観客「可愛い女の子がボコるのも、ボコられるのも大好きだ!! ゴエティアはその二つの欲求を満たしてくれる!!」

 

アーシエル「ボルテージは高まっています!! しかしこれを返せたならアズサ選手は非常に優秀なエンターテイナーと言えるでしょう!!」

 

アズサ(だめだ……。私も攻撃してるけど……。)

 

アキュー(おかしい……。何かが違う……。)

 

2人の戦いは噛み合っていないようで、噛み合っていた。

 

アズサの攻撃は確かにアキューにダメージを与えている。アキューはそれが不満だった。

 

アキュー「すごいっすね、私GHQ出身で、検閲の力を持っているっすよ。」

 

アズサ「えっ!? GHQってまだあるんですか!?」

 

アキュー「水面下ではあるっす。いうなれば武道で言う『先の先』の力で、相手が攻撃しようとする瞬間に、それを察知して潰す力っす。ワタシはGHQでこれを鍛えられたっす。それなのに……。」

 

アキュー「なぜ攻撃をワタシに当てられるっすか!? 並大抵のファイターななら、攻撃を出すことすら難しいはずなのに……!!」

 

アズサ「あの、アキューさんも海外生まれですか? GHQなら、アメリカ生まれと言うことでしょうか?」

 

アキュー「そうっすけど……。アメリカで製造されて、日本でヤミヨロズになって神格化されて……。」

 

アーシエル「圧倒的に見えるアキュー選手ですが、アズサ選手から手痛い被弾をいくつも受けています! アキュー選手はこれまでのゴエティアの戦いで、被弾0で勝ってきました! そしてアズサ選手は何もできずにボコボコにされて負けてきたことが非常に多かったです!!」

 

ヨノバル「二人はいわゆる『強すぎる/弱すぎる』選手で、盛り上がるマッチを組むのが難しかったのですが、この2人を戦わせると何か起こる……そう思って戦ってもらっています!」

 

アキュー(もしかしてこいつって……。)

 

アキュー「BBC(英国放送協会)っすか?」

 

アズサの動きが止まった。

 

アキュー「報道の自由の力……検閲の力に対抗するにはそれしかない。もしかしてイギリス生まれだったりするっすか?」

 

アズサ「そ、そうです! イギリス生まれの小豆洗いです。攻撃を妨害されない力です。でも、うまくいかないものですね……当ててもダメージがほぼないように見える。」

 

アキュー(冗談じゃない!! 割とダメージを受けている! 少ない手数でここまでできるのは大したものだよ……!!)

 

アキュー(そしてBBCとGHQは同格! このままでは共倒れになって勝敗が決まらない!! 引き分けになってしまう!!!)

 

アキュー「なるほど、調布市に住んでる小豆洗い。平和そのものっすね。それはそうとして……まだ隠してるものがあるっすよね。」

 

アズサは小さく、申し訳なさそうにうなずいた。

 

アキュー「いや、別に負い目を感じなくてもいいっすよ。」

 

アズサ「ありがとうございます。……ところで、1つ提案があります。」

 

アキュー「なんすか?」

 

アズサ「やっぱり実力差がありますよね……。カード勝負をしませんか?」

 

アキューはアズサの考えていることが分からなかった。二人はおそらく互角である。もしかしてタイブレークするために、カード勝負をしてきたのだろうか? しかし観客の目には全く違って見えていた。

 

観客「アキュー!! 攻めろ!!! 勝てる、勝てるぞお前は!!!」

観客「一発逆転を狙うアズサの罠だ! 乗るな! アキュー!!」

 

アキュー(…………。)

 

アキュー「いいっすけど、唐突っすね。」

 

アズサ「この世界はカードゲームアニメの世界である。そういう都市伝説を聞いたことはありますか?」

 

アキュー「聞いたことがありますよ。でもこれがカードゲームの世界だとしたらバグが多すぎるというか、変な裁定が多くてルールが見いだせないというか、バグまみれのクソゲーな感じがするっす。」

 

アズサ「まああと、この世界が売れるのかも気になりますが……大事なのはそこではありません。」

 

ヨノバル「ゴエティアでは勝負がつけばいいので、極論じゃんけんでもいいですが、興行として面白い戦いを期待したいところです。観客の人が何を求めているのかが大事なので。」

 

アキュー「じゃあいけるっすよ? そっちの最強カードを出してくださいっす。」

 

アズサ「ちょっと面白くなってきたわね……いや、来ましたね。」

 

アキュー(口調が一瞬乱れた……やはり擬態なのか? そこが分からない。)

 

アキュー(なぜならワタシも脳内ではハードボイルドっぽいが、出身地が外国だから日本語の細かい口調の差が分からないだけだからだ。彼女もイギリス生まれなら、そうなのかもしれない……。)

 

アキュー(彼女はBBCの力やそのカード以外にも強い武器を持っているが、おそらく自分のことを本気で弱いと思っている。その矛盾が気になって仕方がないんだ……。)

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