ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう― 作:Linkscape
12回目のタイムリープ―――
エンジン「はいどうも~~~。」
エンジン「私はエンジン、大阪府城東区から来ました!」
コノミチ「広島県尾道市から来ました、コノミチです~。」
エンジン「2人合わせて、まっしろリーパーでございます!!」
会場から拍手が巻き起こった。
エンジン(これ何回やるんや?)
コノミチ(わかりません! お互いにタイムリープ能力持ってるので、決着つきませんよこれ!!)
エンジン(さすがに何回も同じ漫才やるの疲れたで……。さすがにタダやないで?)
コノミチ(……………………。)
ヒスイ&マヤ「これいつまで続けるんですか??」
観客席にいた二人が声を出した。
ヒスイ「わかってるんですよ、これ12回目ぐらいですよね? 初対面の二人がこんなに上手く漫才できないんですよ。」
マヤ「タイムリーパー同士の対決になることは予想外でした。広島との決着を付けたかったんですが、これでは終わらない。」
マヤ&ヒスイ「戦ってもらって申し訳ないですけど、つまらないですよ。」
エンジン「…………。」
エンジン「じゃあもっと面白い戦いできるんですね!?」
お笑い芸人に、その言葉は禁句であった。
エンジンは観客席のヒスイとマヤを連れて会場に戻ってきた。
エンジン「面白い戦いして、はい!」
ヒスイ「これ妄想フェイズ一旦中断しますね。」
コノミチ「妄想フェイズ? 何言ってるんですか?」
ヒスイ「いや、これ全然終わりませんよね。八咫烏財閥の仲をよくするという話は成立してない……。」
ヨノバル「八咫烏財閥? 何の話ですか?」
ヒスイ「あ、この世界は違うのか、妄想と現実が混在してきた……。」
ヒスイ「設定がややこしすぎます!!」
ヒスイはこともあろうに、みんなが楽しく妄想している中で逆切れしだした。決してTRPGをさせてはいけない人種は存在し、それが彼女であった。
ヒスイ「というか何ですかこの世界!? ここで戦って、何で現実世界で解決するんですか!!」
観客は「またか……。」という気分で見ていた。たまにおかしくなって「この世界はカードゲームの作中世界である」という都市伝説を唱えだす奴はいるが、まさかヒスイがそうなるとは……。
アーシ「どうしよう……。アーシどうしていいかわかんない……。」
事態はグチャグチャになってしまっている。
アーシ「アーシはアーシ……!!」
アーシエルは首にぶら下げた、割れたハートのお守りを握り念じた。
「アーシはアーシ」という言葉は、カードゲーム世界のアーシにとって「自分は自分」以上の意味を持っていた。アーシエルは香港出身であり、初めて彼女が観測されたのは九龍城のスラムであった。彼女は多くの子供たち(特に双子)を助けようといろいろ活動していたが、救いきれなかった。彼女は限界になるたびにこの言葉を言う。彼女の「アーシはアーシ」は子供に助けを求める、ママの叫びなのである。
その言葉は、どこに伝わっているのだろうか?
<<<<<<<現実世界<<<<<<<
現実世界。妄想フェイズは中断された。
アーシは無意識に、首にぶら下げた割れたハートのお守りを握っていた。カードゲーム世界の自分の分身。ママとギャルで違うが、何か危険を感じたのである。
アーシ「アーシが危ない…………いったん止めます! ヒスイさんは落ち着いてください。いったん中断します。」
ヒスイ「すみません。これ全然終わらなくないですか? これで友情深まるんですか?」
ヒスイ「そしてアーシさん、あなたは既に負けている。」
アーシ「どういうことですか?」
ヒスイ「あなたはコノミチさんとエンジンさんの2人を戦わせている。」
アーシ「それがどうかしましたか?」
ヒスイ「1人、救済できる人間を忘れていませんか?」
アーシ「誰でしょう?」
ヒスイ「いや、マヤさんはジャスカさんとくっついてて、コノミチさんとエンジンさんがくっつくんですよね? 1人余りますよね?」
アーシ「わかりませんねえ。誰でしょう。名前で言ってもらわないとわからないんですよね~。」
アーシはわざとらしくとぼける。
ヒスイ「………………。」
ヒスイ「私ですよ!!! 私一人です!! あなたは私を救えなかった!!!」
アーシ「なんだ、寂しかったんですか!」
ヒスイ「うっ……。」
アーシ「それでは特別ゲストをご招待しましょう!」
会議室の入り口から、一人の女性が入ってきた。キョンシーのような中国の服装をした、小柄な人だった。
ヒスイ「トイレ掃除はどうしたんですか……? テンソさん!」
テンソ「いや、カードゲームをやってほしいって言われたから来たアル……。」
彼女の名前は「西村テンソ」。中国からやってきて帰化。豊中市に住んでいる。しかし転売屋活動を企業に隠れてやっていたため、罰としてトイレ掃除をさせられているのである。しかしトイレットペーパーをアホみたいに発注して、トイレに買いだめするのでヒスイは手を焼いていた。
アーシ「彼女とヤミヨロズ・アーカイブをやってください。コノミチさんとエンジンさんの戦いに乱入してください。」
ヒスイ「乱入!? カードゲームでそんなのありなんですか!? 乱入しまくったらめちゃくちゃになるじゃないですか!!」
アーシ「無論、乱入ペナルティ2000ポイントを支払ってもらいます。二人で乱入してください。」
ヒスイ「いいでしょう。それでは乱入の後……。」
全員「妄想フェイズを再開します!!」