ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう― 作:Linkscape
アズサ「では始めますね。」
アズサ「私は今、1枚のカードを持っています。」
アズサ「そのカードは、とある一族に代々受け継がれてきたものです。」
アズサ「そしてそれを渡せば、どんな相手でも友達になれると言います。」
アズサ「そして何より……裏表が同じなんです!!」
観客はどよめいた。そんなのはあるのか? この世がカードゲームアニメなら、一族で受け継がれていてもどんな相手でも友達になれても、別にいい。しかし裏表同じのカードって何に使うんだ? そんなのあるのか? とワクワクしていた。デュエマでは超次元関係のカードは両面あり、裏表ひっくり返して強化されることはある。しかし両面同じなら、ひっくり返す意味も無いしよくわからない。
アズサ「これ以上の物を出せますか? これが私の最強カードです。」
ヨノバル「一応チェックいたしますので、私にこっそりください。」
アズサ「どうぞ……。」
アーシ「最強カードが出てしまった!!! これを超えるカードをアキュー選手は出せるのか!!!?」
アキュー「出せるっすよ。」
アズサ「え!? あるの!? すっご!!!」
観客の反応は普通である。カードバトルよりも格闘が見たいのかもしれないが、このような番外戦術があっても面白い……と感じているのかもしれない。
アキュー「私は今1枚のカードを持っているっす。」
アキュー「裏表あって文面は違うっすが、処理は同じっす。」
アキュー「持ち主はこのカードを受け取って友達になりました。お友達代は毎年支払っているっすが……。」
アキュー「そして一族が代々受け継いでいると言えなくもないっす。」
アキュー「ヨノバルさん、それがこれです。」
ヨノバル「受け取りました。それでは解説兼審判として、2枚のカードの優劣を競います。」
アーシ「結果はどうですか……?」
ヨノバル「どちらも、等価です!!! 決着はつきません!!」
観客席はざわつき始めた。ヨノバルが見せた2つの『カード』は意外そのものだったからだ。
ヨノバル「アズサ選手がくれた『たい焼き』、アキュー選手がくれた『憲法の写本』、どちらも条件を完全に満たしており、イコールです!!!!」
観客B「どういうことだ!!?!?」
観客B「たい焼きも憲法写本もカードではないじゃないか!!! もっとこう、普通のカードを想像するだろう!!!」
観客A「カードではある。他人とトレードでき、今ここでカードバトルを行えた以上、それはカードだ。いうなれば名刺もカードだろう? それを使って他人と勝負することもできる。自分の名刺のすばらしさを競い合う名刺バトルもよくやっているからな。」
観客B「納得はいかないが……そういうことか。」
観客A「ちなみに俺も納得いっていないぞ!!! 友達になれるだの、裏表同じだのってどういうことだ!!?」
観客B「そっちで納得いっていなかったか……さすがに解説してくれるだろう。」
ヨノバル「お互いに解説してもらいましょう。3つの論点について。」
ヨノバル「これは一族が受け継いでいますか?」
アキュー「はい。天皇は日本国憲法で象徴とされるので、天皇陛下一族が受け継いでいるに等しいです。」
アズサ「はい。私の同業者にティアラという小豆洗いの少女がいます。その一族は、たい焼きの味を一族で受け継いで来ました。」
ヨノバル「これは友達になれるんですか?」
アキュー「はい。日本国はアメリカからこれを受け取って友達になりました。毎年お友達代2000億円を払ってて、健全ではないですが、お友達です。」
アズサ「はい。会社間の取引先へのお土産に強い人気があり、商談を成功させてビジネスパートナーになれるという強い御利益があります。」
ヨノバル「これは裏表同じのカードですか?」
アキュー「表面には日本国憲法、裏面にはあきる野市で見つかった、五日市憲法が書かれています。これはほぼ内容は同じです。GHQに押し付けられたとされる日本国憲法と似た内容のものを、日本の人々は自力で生み出していたんです。」
アズサ「はい。たい焼きなので裏表の模様は完全に同じです。」
実況のアーシエルは一呼吸おいて、叫んだ。
アーシ「存在したああああああああ!!! 『裏表同じで』『渡すと友達になれて』『一族で受け継がれてきた』カードが、2枚もこの世に存在したのだ!!!!!!!」
観客C「下らん。ただの箇条書きマジックだろう。そりゃあ何をやっても共通点さえ探せば似ているように見える。違う点なんていくらでもある。」
観客D「まあまあ。そういうものだということで。」
ヨノバル「ゴエティアはそういう団体です!! なんか運命感じたいんです!! 運命感じましょう、みなさん!!!」
観客A「宗教組織かな?」
観客B「まあ、神を崇めているし……宗教組織ではあるけど……。」
アーシ「恐ろしい話です! カードバトルで決着はつかなかった!! アズサ選手の受難は続く!! アキュー選手はどうやって彼女にとどめを刺すのか!? それとも警戒し続けるのか!? 戦いはまだまだ続きます!!!」
アズサ「これは……『勝負に勝って試合に負ける』しかないのかしらね。それはそれとして……」
アキュー「確実に隠し玉はあるはず……! 油断すると負ける……別に構わないが……」
彼女のことを知りたい、強くそう思ってしまった。