ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう―   作:Linkscape

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マウンティングフィリア

ヨノバル「最終試合です!! 妖怪特集の本日のトリを飾るのにふさわしい二人はこちら!!」

 

ヨノバル「シルバーゲートから『マウンティングフィリア』トオオモ選手!!! ゴールドゲートから『ファイアワークフォビア』ミオジャ選手です!!」

 

二人が入場する。この2人に関して観客は思うところがあった。

 

観客A「どちらも異常な火力で有名だ。この勝負、決着はすぐつくだろう。」

 

観客B「そうですね。トオオモ選手はこれまでの5試合、すべてマウンティングからのパウンドで勝ってきました。柔道の達人である久慈市のヤミヨロズから教えを乞うていることもあって、相手を崩す→馬乗りになる→パンチで一撃必殺という流れが非常に強力です。」

 

観客A「ああ。それとは違い、ミオジャ選手は典型的なロマン砲。手に持った花火の筒で相手を攻撃し、食らった相手は大ダメージを食らうことが必至だ。今までの4試合は純粋なぶっぱなしで相手を葬り去っている。」

 

観客B「さて、化け物火力&化け物火力。どちらが勝つか……。」

 

この2人組に対して、IQが低すぎる観客がいた。

 

観客C「この2人、エロいっ!!! 『むちむちとスレンダー』だっ!!!!」

 

トオオモ様は柔道耳であることを除けば、見た目は金髪シンママギャル。アーシエルが嫉妬するぐらいキャラが被っている。灰色の和服から覗く太ももがセクシー……

 

観客C「これぞ『美』だろう!!」

 

ミオジャ様はすらっとした高身長の、青色の氷の女王を思わせる風貌である。手元にはすさまじいデカさの花火筒を持っていることを除けば、まさに人々をたぶらかす雪女と言わざるを得ない。

 

観客C「ところどころに入った赤色のワンポイントカラーがいいね!!」

 

観客D「まあ君が誰に発情しようが別に、いいけどさ……。すぐ終わるよ、この試合。」

 

観客Dは拗ねているようだった。

 

ヨノバル「さっきの2人の試合とは違い、本人同士が戦います。」

 

ヨノバル「岩手県遠野市と新潟県小千谷市。一番気になることは……。」

 

ヨノバル「新潟県は、東北なのか、関東なのか、北陸なのか、どれだ!?」

 

ミオジャ「それを決めるために戦うのかもしれねえな!!」

 

トオオモ「マジ? あーしも岩手県の南部地方とか曖昧なんだよね。」

 

ヨノバル「残念ながら、それはその県の住民以外どうでもいいことです。」

 

ヨノバル「つまり……。」

 

ヨノバルが手を上にあげ……。

 

ヨノバル「勝手に、戦え!!!」

 

手を振り下ろした!! 試合開始の合図だ!!

 

ミオジャ「このレベルの組技師に余裕なんてない!! ぶっぱなすぜ!!!」

 

ミオジャは最高火力で花火筒から花火を放つ!!!

 

ミオジャ「たまやーーーー!!! かぎやーーーーーーー!!! 小千谷は花火が有名なんだよ!!」

 

しかしトオオモはタックルの体勢を低くして突撃してかわす!!

 

ミオジャ「紙一重…………。」

 

ミオジャ「ちなみに言っておくと、両方とも江戸の屋号で、『たまや』の方は火事を起こして追放されて廃業している。『かぎや』の方は残ってる。」

 

トオオモ「変なうんちくいらないよ!!」

 

トオオモが距離を詰める!! そしてミオジャの服をつかみ組み付く!!

 

トオオモ「私、柔道で有名な久慈市の人に教えてもらってるんだけど……そんな達人レベルじゃないんだよね……。」

 

トオオモ「マウント取れば殺せるって言われてるけど、取るまでが難しい……なので……。」

 

ミオジャ「組み対決か、いいぜ、やってやる!!」

 

トオオモ「いや? ご当地マウンティング対決。負けた方が投げられる。」

 

ミオジャ「!?」

 

トオオモの『マウンティングフィリア』の異名は2つの意味を持っていた。1つは『物理的にマウントを取って相手を殴り殺す強力無比な一撃』、もう1つは『ねちねちマウントを取ってくるねちっこいギャルという個性』であった。

 

トオオモ「ねちっこいギャルがいてもいいでしょ!? マウント取るよ!?」

 

トオオモ「岩手って新潟より面積広いよね?」

 

ミオジャ「ああん? 東西南北の長さは新潟の方が上だろーが!」

 

会場は盛り上がった。実は観客が求めていたのはこの地元マウンティング合戦だったのだ。岩手VS新潟。戦うことは少ないがどちらが優れているのか?

 

ミオジャは考えていた。組技対決をやっている限り、花火をぶっ放すことはできない。しかしこの状態でいい。

 

ミオジャ(俺は雪女……! 衣服をつかませているだけでも、冷気を相手に伝えて凍らせることが可能だ!!)

 

ミオジャは単なる花火馬鹿ではない。接近戦の戦いも心得ていた。そして武器として使っていたのが『冷気』である。接近している相手を冷やして凍らせるシンプルな戦法だが、それが嫌で逃げた相手には花火が待っている。

 

ミオジャ(だから投げられないように、マウント合戦は長引かせる!)

 

トオオモ「岩手はわんこそばが有名だよね? 新潟って麺類何があるの?」

 

観客C「くだらん。どうせ前話していた4色焼きそばの話をするのだろう。魚沼市・上越市・妙高市・糸魚川市の焼きそばだ。同じ話で観客の興味を引けると思うな―――」

 

ミオジャ「新潟には『イタリアン』があるっ!!!」

 

観客C&トオオモ「なんだと!?」

 

ミオジャ「焼きそばだが、ソース味とミートソースを混ぜてある!! ソウルフードだ!!!」

 

ミオジャ「そもそも岩手って東北の割にあんまり雪降らないだろ!? 新潟の方が多いしべたついてね!? うらやましいぜっ!!」

 

トオオモ「うらやましいならいいんじゃないの……?」

 

ミオジャ「すまん、これは『皮肉』ってやつで……。」

 

すぐグダグダになってきた。お互い組技の攻防をしながら話しているのでそりゃ何言ってるかわからなくなってくる。

 

ミオジャ「新潟県神は皆こういうが、うちには田中角栄先生がいる!! お前たちの件に『誇り』はあるかっ!?」

 

ミオジャは問いかけて気が付いた―――これは……。

 

ミオジャ「罠だっ!!!」

 

トオオモ「こっちは大谷翔平選手がいるんだよっ!!!」

 

トオオモ「二投流って言ったところかな!!」

 

ミオジャ「ぐうっ!!!」

 

アーシエル「投げたああああああああ!! トオオモ選手、二本背負いです!!」

 

ミオジャは地面に倒れ、トオオモがのしかかる。しかしまだミオジャは希望を捨てていなかった―――。

 

ミオジャ「そもそもマウンティングを取られても、殴られる前に脱出すれば―――」

 

もがくミオジャだが、それは絶望に変わった。

 

ミオジャ「え、重…………。」

 

トオオモ「あーし、こう見えてめちゃくちゃ筋肉あるから。当て感(パンチのセンス)が無いから立って殴ることができないけど、常人の40倍あるからね。」

 

トオオモ「そして体重もこう見えて163kgある。維持コストも大変で、死ぬほどわんこそば食うしかなくてね。」

 

抜けるのは端的に言って、不可能である。仮にトオオモ様と同じスペックの筋力40倍人間だったとしても、そもそもの問題としてマウントされた状態から抜け出すのは非常に難しい。男性同士なら金玉を狙えばいいが、女性だとそうもいかない。

 

ミオジャ「死、死ぬ、この俺が!? 殺される!?」

 

トオオモ「ごめんね。」

 

トオオモの全力のぶん殴り。地面を背後に筋力40倍の相手にぶんなぐられるとどうなるか?

 

答えは、死ぬ。位置など関係ない。どこを殴られても致命傷だ。

 

アーシエル「決まったああああああああああああ!!! 即死っ、即死です!!! 『マウンティングフィリア』の異名は伊達ではなかった!!!」

 

アーシエル「トオオモ様の勝利です!!!!」

 

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