ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう―   作:Linkscape

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1-8 日本で一番暑いネット炎上
犬笛を吹くものと吹かれるもの


博士「ヤミヨロズ・アーカイブの世界の奥深さが分かってきたじゃろう? わしはヤミヨロズを研究している木戸博士じゃ!」

 

博士「スイッチなどもそうじゃが、ゲームをずっとやってると処理負荷で暑くなるのう。スカーレット・バイオレットやってると特に感じるのじゃ。オープンワールドはスイッチの性能じゃと厳しいのかもしれん。」

 

博士「というわけで、今回は暑いヤミヨロズを紹介するぞい!!」

 

チャバシラ 茶釜の付喪神 みず/ゴースト

群馬県民。一番暑い街を自称している。群馬をグンマー呼ばわりする者に容赦ない鉄槌を下す。

 

イヌネル 犬笛の付喪神 ノーマル

埼玉県民。一番暑い街を自称している。埼玉をださいたま呼ばわりする者に容赦ない鉄槌を下す。

 

博士「グンマーwwださいたまwww」

 

チャバシラ「最近このパート煽りが雑すぎないかな?」

 

イヌネル「やる気を感じません。……よくないと思います!」

 

博士「…………。」

 

博士「二人とも正直『日本で一番暑く』ないんじゃないかのう? インフレに置いて行かれている気がするのじゃが。」

 

チャバシラ&イヌネル「!?」

 

チャバシラ&イヌネル「あなたは言ってはならないことを言った!」

 

博士「え、あ、近寄るな!! ぎゃあああああああああああ!!!」

 

***

 

アーシ「おはようアーシ。いや、暑い!!!」

 

アーシエルのエアコンが誤作動で切れていた。暑い夜を過ごすことになったが、これはもう博士の呪いなんじゃなかろうか?

 

アーシが苦しんでいた原因はそれだけではなかった。インターネットで八咫烏財閥が炎上していたのだ。

 

そもそも日本の産業をほぼほぼ支配している財閥の割に、全然叩かれてないのが不思議だったのである。とはいえ今回は流石に「これはしゃーないな……」という感じであった。

 

見出しは

 

「【悲報】日本の財閥様、女性優遇して男を殺害することに成功」

「【朗報】漢23歳、国の宝である子供のために死を選ぶ武士道を見せつける」

「【絶望】産休で休んだ女性2人のために男が過労死、女性は葬儀にも来ず」

 

であった。なぜこのタイミングでネット世論が過熱しているのかと言うと、とある影響力のあるアカウントが取り上げたからであった。実際には裁判結果が出たというのもあるだろう。

 

それは「囃し立てる女」。情報源として老若男女が利用している非常にフォロワーの多いアカウントである。日常のニュースから今回のような炎上事件まで幅広く取り扱っている。

 

そして彼女の投稿に恐ろしいものを見つけた。

 

「なんと次は、八咫烏財閥で動いている陰謀、『人類総カードゲーム化計画』についてお話ししますよ!! キーワードはアルシエル! 地獄の最下層に住む暗黒の天使です!!」

 

アーシ「これアーシのことだ……。」

 

放っておけば、カードゲームのことを全てばらされて非常に恥ずかしい! 有名になるチャンスではあるが、まだまだ発展途上だ! そして自分の名前が偶然地獄の天使と被っていることもわかった! 死ぬほど恥ずかしい! ヨノバル以上の中二病だと思われるに違いない!!(ちなみにアーシエルの本名は中国語で阿魯謝儿である。アルシエルと全く関係が無い。)

 

アーシ「ヨノバルも呼んで作戦会議をしないといけない……!!」

 

チナミダ「授業中だぞ。」

 

アーシ「すみません……考え事していて。」

 

***

 

チナミダ「ネットで自分の作ったカードゲームが炎上しそう?」

 

ヤイバラ「そういう時は開示請求からの糾弾コンボ決めればいいんですよ!」

 

アーシ「アーシは別にいいんですが、ヨノバルやツムギさん、他の社員まで叩かれると不憫で……。」

 

チナミダ「うーん……。」

 

チナミダ「案外金で何とかなるかもしれんぞ。」

 

アーシ「そうかもしれませんが……。」

 

チナミダ「とりあえず炎上しても退学とかは無いから安心しろ! 普通に生徒が誹謗中傷されてたら助けるから!」

 

アーシ「はい……。」

 

ヨノバル「私たちはカードゲームで何とかするという信条で動いています。デュエルすれば友達になれる……。馬鹿にされてもそれは捨てません。」

 

ヨノバル「なので、その『囃し立てる女』と、別の誰かをくっつけるしか私たちに生き残る道は無いし、それ以外の退路は断ちます!」

 

アーシ「ヨノバル覚悟ガンギマリだなあ!?」

 

こうしていても始まらない。チナミダ先生とヤイバラは部外者だ。燃やされている八咫烏の人々と話さないと始まらない。大学食堂で待ち合わせだ。

 

ヨノバル「私が燃えてヤミヨロズ・アーカイブの世界が壊されたら……。」

 

アーシ「それはヨノバルが強く思いつづけるしかない!!」

 

ヨノバル「…………!!」

 

アーシ「死ぬなよ、悪いのは絶対にその女だから!! 悪くないのに死んじゃだめだし、悪いから死んでいいということでもない! 死ぬな!!」

 

ヨノバル「…………わかりました!!」

 

***

 

大学食堂で作戦会議。参加者はアーシエル、ヨノバル、アキューとアズサ、そしてツムギの5人だ。

 

アキュー「前にも話したかもしれないっすが、『シズルの呪い』というのが八咫烏にはあるっす。過労死した社員の恨みで、女性が不和になりやすいという……。」

 

アズサ「2年前に下請け企業の主要メンバーが産休で同時に休んで、もうてんてこまいだったらしい。1人で抱え込みすぎてしまったのね……。」

 

アーシは考える。

 

アーシ「これ…………。」

 

アーシ「難しすぎないか……?」

 

アーシエルは絶望していた。もしかしたらその幽霊もどこかにいて、カードゲームできるかもしれない。しかし『囃し立てる女』と接点が無さすぎる。そしておそらくその女は……。

 

アキュー「金と承認欲求のためにやってるので、カードゲームで解決するかどうか……。」

 

アズサ「私たちも手をこまねいているわけじゃない。調べることは調べたわ。」

 

その女は、向市夜柱(むかいち やばしら)という本名までは明らかになっている。どこに住んでいるかはわからない。一度本人が炎上して、引っ越しているためである。とりあえず、関東住まいであることは本人が言っている。問題はどこの県かである。

 

アーシ「便宜上、この人をチャバシラと呼ぼう。」

 

とにかく、チャバシラを、どうやって住所特定するかが大事であった。連絡はSNSで取れても、住所がわからないとカードが作れない。そもそも相手がいないし、非常に難しい。

 

アーシ「今までで一番難しくないか? 手がかりがあまりにもない!!」

 

アキューは少し悩んだ後切り出す。

 

アキュー「実はっすね……。私は本当にGHQの手先で、彼女の情報全部知ってるっすよ。……って言ったら信じるっすか?」

 

アズサ「え!?」

 

アーシ「それはカードゲーム内の話ですよね? 現実にGHQなんていないでしょう?」

 

アキュー「まあ冗談っすね。とりあえず群馬県館林市っすよ。」

 

ヨノバル「群馬県館林市! なかなかの強カード! なんたって『あの昔話』の所在地なんだから!」

 

アーシ「わかってはいるんですね。」

 

アキュー(まあこうなるっすよね。GHQの力を借りて調べてもらった……。と言っても信じてもらえないので、適当にでっちあげるっすか。)

 

アキュー「住所がわかったのは、こんな感じっす。」

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