ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう― 作:Linkscape
犬笛を吹くものと吹かれるもの
博士「ヤミヨロズ・アーカイブの世界の奥深さが分かってきたじゃろう? わしはヤミヨロズを研究している木戸博士じゃ!」
博士「スイッチなどもそうじゃが、ゲームをずっとやってると処理負荷で暑くなるのう。スカーレット・バイオレットやってると特に感じるのじゃ。オープンワールドはスイッチの性能じゃと厳しいのかもしれん。」
博士「というわけで、今回は暑いヤミヨロズを紹介するぞい!!」
チャバシラ 茶釜の付喪神 みず/ゴースト
群馬県民。一番暑い街を自称している。群馬をグンマー呼ばわりする者に容赦ない鉄槌を下す。
イヌネル 犬笛の付喪神 ノーマル
埼玉県民。一番暑い街を自称している。埼玉をださいたま呼ばわりする者に容赦ない鉄槌を下す。
博士「グンマーwwださいたまwww」
チャバシラ「最近このパート煽りが雑すぎないかな?」
イヌネル「やる気を感じません。……よくないと思います!」
博士「…………。」
博士「二人とも正直『日本で一番暑く』ないんじゃないかのう? インフレに置いて行かれている気がするのじゃが。」
チャバシラ&イヌネル「!?」
チャバシラ&イヌネル「あなたは言ってはならないことを言った!」
博士「え、あ、近寄るな!! ぎゃあああああああああああ!!!」
***
アーシ「おはようアーシ。いや、暑い!!!」
アーシエルのエアコンが誤作動で切れていた。暑い夜を過ごすことになったが、これはもう博士の呪いなんじゃなかろうか?
アーシが苦しんでいた原因はそれだけではなかった。インターネットで八咫烏財閥が炎上していたのだ。
そもそも日本の産業をほぼほぼ支配している財閥の割に、全然叩かれてないのが不思議だったのである。とはいえ今回は流石に「これはしゃーないな……」という感じであった。
見出しは
「【悲報】日本の財閥様、女性優遇して男を殺害することに成功」
「【朗報】漢23歳、国の宝である子供のために死を選ぶ武士道を見せつける」
「【絶望】産休で休んだ女性2人のために男が過労死、女性は葬儀にも来ず」
であった。なぜこのタイミングでネット世論が過熱しているのかと言うと、とある影響力のあるアカウントが取り上げたからであった。実際には裁判結果が出たというのもあるだろう。
それは「囃し立てる女」。情報源として老若男女が利用している非常にフォロワーの多いアカウントである。日常のニュースから今回のような炎上事件まで幅広く取り扱っている。
そして彼女の投稿に恐ろしいものを見つけた。
「なんと次は、八咫烏財閥で動いている陰謀、『人類総カードゲーム化計画』についてお話ししますよ!! キーワードはアルシエル! 地獄の最下層に住む暗黒の天使です!!」
アーシ「これアーシのことだ……。」
放っておけば、カードゲームのことを全てばらされて非常に恥ずかしい! 有名になるチャンスではあるが、まだまだ発展途上だ! そして自分の名前が偶然地獄の天使と被っていることもわかった! 死ぬほど恥ずかしい! ヨノバル以上の中二病だと思われるに違いない!!(ちなみにアーシエルの本名は中国語で阿魯謝儿である。アルシエルと全く関係が無い。)
アーシ「ヨノバルも呼んで作戦会議をしないといけない……!!」
チナミダ「授業中だぞ。」
アーシ「すみません……考え事していて。」
***
チナミダ「ネットで自分の作ったカードゲームが炎上しそう?」
ヤイバラ「そういう時は開示請求からの糾弾コンボ決めればいいんですよ!」
アーシ「アーシは別にいいんですが、ヨノバルやツムギさん、他の社員まで叩かれると不憫で……。」
チナミダ「うーん……。」
チナミダ「案外金で何とかなるかもしれんぞ。」
アーシ「そうかもしれませんが……。」
チナミダ「とりあえず炎上しても退学とかは無いから安心しろ! 普通に生徒が誹謗中傷されてたら助けるから!」
アーシ「はい……。」
ヨノバル「私たちはカードゲームで何とかするという信条で動いています。デュエルすれば友達になれる……。馬鹿にされてもそれは捨てません。」
ヨノバル「なので、その『囃し立てる女』と、別の誰かをくっつけるしか私たちに生き残る道は無いし、それ以外の退路は断ちます!」
アーシ「ヨノバル覚悟ガンギマリだなあ!?」
こうしていても始まらない。チナミダ先生とヤイバラは部外者だ。燃やされている八咫烏の人々と話さないと始まらない。大学食堂で待ち合わせだ。
ヨノバル「私が燃えてヤミヨロズ・アーカイブの世界が壊されたら……。」
アーシ「それはヨノバルが強く思いつづけるしかない!!」
ヨノバル「…………!!」
アーシ「死ぬなよ、悪いのは絶対にその女だから!! 悪くないのに死んじゃだめだし、悪いから死んでいいということでもない! 死ぬな!!」
ヨノバル「…………わかりました!!」
***
大学食堂で作戦会議。参加者はアーシエル、ヨノバル、アキューとアズサ、そしてツムギの5人だ。
アキュー「前にも話したかもしれないっすが、『シズルの呪い』というのが八咫烏にはあるっす。過労死した社員の恨みで、女性が不和になりやすいという……。」
アズサ「2年前に下請け企業の主要メンバーが産休で同時に休んで、もうてんてこまいだったらしい。1人で抱え込みすぎてしまったのね……。」
アーシは考える。
アーシ「これ…………。」
アーシ「難しすぎないか……?」
アーシエルは絶望していた。もしかしたらその幽霊もどこかにいて、カードゲームできるかもしれない。しかし『囃し立てる女』と接点が無さすぎる。そしておそらくその女は……。
アキュー「金と承認欲求のためにやってるので、カードゲームで解決するかどうか……。」
アズサ「私たちも手をこまねいているわけじゃない。調べることは調べたわ。」
その女は、向市夜柱(むかいち やばしら)という本名までは明らかになっている。どこに住んでいるかはわからない。一度本人が炎上して、引っ越しているためである。とりあえず、関東住まいであることは本人が言っている。問題はどこの県かである。
アーシ「便宜上、この人をチャバシラと呼ぼう。」
とにかく、チャバシラを、どうやって住所特定するかが大事であった。連絡はSNSで取れても、住所がわからないとカードが作れない。そもそも相手がいないし、非常に難しい。
アーシ「今までで一番難しくないか? 手がかりがあまりにもない!!」
アキューは少し悩んだ後切り出す。
アキュー「実はっすね……。私は本当にGHQの手先で、彼女の情報全部知ってるっすよ。……って言ったら信じるっすか?」
アズサ「え!?」
アーシ「それはカードゲーム内の話ですよね? 現実にGHQなんていないでしょう?」
アキュー「まあ冗談っすね。とりあえず群馬県館林市っすよ。」
ヨノバル「群馬県館林市! なかなかの強カード! なんたって『あの昔話』の所在地なんだから!」
アーシ「わかってはいるんですね。」
アキュー(まあこうなるっすよね。GHQの力を借りて調べてもらった……。と言っても信じてもらえないので、適当にでっちあげるっすか。)
アキュー「住所がわかったのは、こんな感じっす。」