ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう― 作:Linkscape
今回はガチのピンチである
博士「…………大変じゃのう。今日はヤミヨロズ紹介は止めておくかのう……。」
博士「一応、この2体に注意しておくのじゃ。」
ヴィーコ
千葉県民。CIAの手先である。
バグベア
鳥取県民。MI6の手先である。
博士「本当にすまんが、情報がこれしかないのじゃ……頑張ってほしいのう。」
***
ツムギ「おはようございます、アーシさん!! 大丈夫ですか!?」
アーシは目を覚ますとベッドの上に寝ていた。前回の最後にあまりにも情報が押し寄せてきて、脳がオーバーヒートしてしまったと思われる。
アーシ「ツムギさん、看病してくれたんですね、ありがとうございます!」
ツムギ「落ち着いたようで良かったです……。」
ツムギ「カードゲーム世界の方でも何かあったんですか?」
アーシ「アーシの勝手な妄想かと思ったんですけど、実はヨノバルも……。」
アーシはLINE画面を見せた。ヨノバルは「大変なことが起こっている」とだけ伝えてきた。いつもは設定を無限に連投しているのにこれは異常事態である。
アーシ「設定が輪郭を帯びてきました。おそらくこういうことだと思います。」
>>>>>>>カードゲーム世界>>>>>>>
試合後のゴエティア。アキュー&アズサは会場を後にしようとしていた。
????&????「ご苦労だった、アキュー/アズサ。」
アキュー「あなたは……!! ヴィーコさん!?」
アズサ「バグベアさん。何しに来たんですか?」
そこにいたのはヴィーコとバグベアと言う女性だった。ヴィーコは金髪に緑の服を着た、活発そうな女性。バグベアはもさもさした髪をした、さえなさそうな眼鏡女性である。
ヴィーコ「私はずっとアキューちゃんをウォッチングしてたけど……GHQ、サボりすぎじゃない?」
アキュー「…………。」
ヴィーコ「MI6と組んで、ゴエティアの監視は私たちがしようってことになった。だから私たちがゴエティアの運営は引き継ぐわ。」
彼女たちが監視しようとする理由は、ヤミヨロズの戦闘力が高いからだ。皆平和主義者だから何とかなっているが、『みんながガチって戦っていれば第二次世界大戦では圧勝していた』と言われている。だからこそ、その戦闘力が分かるゴエティアは貴重な場所なのだ。
アキュー&アズサ「…………。」
???「悪いけど―――」
ヴィーコ「?」
アーシエル「運営である私たちを通してくれないかしら?」
アーシエルが現れた。その表情は少し怒りを含んでいる。
ヴィーコ「GHQ/BBCよりCIA/MI6の方が良いわよね? シンプルな話として、私たち2人の方が面白い運営ができるわ? コネが段違い。」
ヴィーコ「CIA絡みの結構な選手をダイレクトで引っ張ってこれるわよ? アキューちゃんじゃ無理でしょう? 例えば、ヨミユリさんとか聖ちゃんとか。」
アーシエル「別に隠すものじゃないし、手伝ってくれるならいいけど、二人の仲を引き裂くのはダメなんじゃないかしら? そして二人は諜報じゃなくて、個人的な協力に過ぎないわよ。」
ヴィーコ&バグベア「なら、戦うか―――? アキュー/アズサが。」
ヴィーコ&バグベア「CIA/MI6の私と!!」
アキューとアズサは恐怖している。アーシエルもそれは分かっていた。
アーシエル「運営として勝負したいのでしょう? 面白い試合(マッチ)を持ってきてください。」
ヴィーコ「いいわよ? じゃあ……。」
バグベア「私たちが戦えばいいでしょう? スパイの二大巨頭が戦うの、どう考えても面白いですからね……。」
ヴィーコ「それでは! GHQとBBCは仲良くするのは止めてね! イギリスとアメリカの窓口は一元化したいから!」
二人は帰っていった。
アーシエル「本当に、二人ともよく頑張ったわね……。」
アキュー「本当にごめんなさいっす! ヴィーコさんはワタシの……。」
アズサ「バグベアさんは私の……。」
二人「トラウマの相手で、戦うことができないんです……。」
アーシエル「ヴィーコはCIAで、バグベアがMI6……。」
アキュー「そうっす……。CIAはアメリカの諜報組織。GHQよりも完全に上位の組織っす。昔は同僚だったんす。GHQが表向きに廃止された時に一緒に働いてたヴィーコさんはCIAに引き抜かれて、ワタシはGHQに残ったっすよ……。それ以降ずっと彼女はCIAとしてワタシを監視してるっす……。」
アキュー「もうストーカーっすよ……。バードウォッチング好きらしいんすけど、私をバード扱いしてるっす。マツモトキヨシによくいるっす!!」
アズサも切り出す。
アズサ「バグベアさんは優秀で、イギリスの諜報機関、MI6に雇われたという話を聞いていますね。そしてバグベアはバッグベアードの進化元なんですが……。」
アズサ「陰キャコロシアムってあるじゃないですか? いじめられっ子同士を戦わせる奴。その関係でバグベアと戦わされたことがあって、ボコボコにされて『バグベアにも負けるのか』と笑いものにされて……。彼女も悪くはないけど……。」
アーシエル「安心して。」
アズサ「何がですか?」
アーシエル「2人が因縁の相手と戦ってトラウマを乗り越える、みたいな話にはしないわ。たぶん実力的にできない。勝つことは難しい。」
アーシエルも多くの試合を見てきた。多少の実力差は見抜ける。
アーシエル「別に戦わなくていい。ただあなたたちは面白いマッチを組めればいいの。」
アーシエル「だから……。あなたたちが一番面白いと思うマッチは何かしら?」
アキュー「正直自分たちの戦い、アキューVSアズサが一番面白いと思ってるっす。」
アーシエル「軸はイギリスVSアメリカ、妖怪VS機械だったわよね。」
アーシエル「そこに何か、別の対立軸を足せないかしら?」
アキュー「じゃあアメリカから探してみるっす。」
アズサ「私はイギリスから!」
アーシエル「頑張って! それじゃあ解散!!」
<<<<<<<現実世界<<<<<<<
現実世界。
ツムギ「アキューさんとアズサさんが引き裂かれようとしている……現実と同じですね。」
アーシ「その話もよく聞かせてください。」
ツムギ「二人はゲームのQAと販売で、それなりにゲーム関係にはいれたんですけど、沖縄支社と北海道支社に転勤させられそうで、それが何かの腹いせと言う説もあって、もうめちゃくちゃです!!」
アーシ「そして、解決するためのカードゲームも封じられてると……。これが一番やばい……。」
ツムギ「社内の人間はプレイ禁止です。」
アーシ「…………。ごめん分からない。どうすればいいんだ?」
ツムギ「ただ敵?は明確です。ゲーム販売部門部長の『熊虫(くまむし)タマエ』部長と、ゲームQA部門部長の『松本ブイ子』部長です。これらのことは全て彼女たちが仕組んでいます。」
アーシ「わかっててもカードゲームをやってくれないんじゃ、意味はないなあ……。そしてこの二人は面識あるんですか?」
ツムギ「無いのを装っている感じがしますね……。元々は同じチームあったという噂もありますが。仲悪いわけでもないのに、何を隠しているのか……。」
***
アキューとアズサは本社で仕事をしている。そして今までにないほど、疲れ果てていた。
アキュー(まずい、まずすぎる!! 最近ブイ子さんが部長になってから、異常に目の敵にされている気がする!!)
アキューだけ異常に細かい活動記録を提出させられたり、パソコンにログ計測装置を仕込まれたりなど、いわゆる『マイクロマネジメント』を受けている。挙句の果てには沖縄支社に転勤……何らかの悪意を感じていた。
アズサ(タマエさんは私の何が気に食わないのかしら? 異常にセクハラしてくるんだけど気があるの? もしかして自分がセクハラを止められないから、身を案じて北海道支社に飛ばそうとしてるとか? だとしたら大きなお世話なんだけど……。)
アキュー&アズサ(とにかく……これは……。)
アキュー&アズサ(相手にだけ、正体を明かすしかないな……。)
二人は八咫烏の食堂に集まった。この時間帯には誰もいない。
アキュー「会えるのは最後かもしれない。だから会いに来たんすけど……。」
アキュー「単刀直入に聞くっすよ? ガチであなた、BBCの潜入取材員っすよね?」
アズサ「それはカードゲーム内の設定であって……。」
アキュー「私はGHQのスパイっす! 現実でもそう!! あなたも正体を明かしてほしい! この流れだと明らかにBBCっすよね!?」
アズサ「…………。」
アキュー「タマエさんとブイ子さんは間違いなく……。」
???&???「業務時間中に何をやっているんですか?」
アキュー&アズサ「タマエ/ブイ子さん!!」
タマエ「仕事に戻って? あなたの行動はすべて監視してるから。」
アキュー「あなた……CIAっすよね? そしてタマエさんはおそらく……。」
タマエ「何を根拠に言ってるのかしら。そしてそれが事実だとして、あなたにできることは何一つないわよ。」
タマエ「仕事に戻ってください。」
アキュー「ぐっ……。」
***
深夜までアキューは働かされていた。終わったのは午前2時。今まではホワイトだったのに、異常性を感じる過重労働だ。
アキュー「この無駄な仕事……。明らかにアズサさんと会話させないために工作している!! アズサさんはこれから夜勤に入るって……。これは…………。どうすればいいっすか……?」
ツムギ「アキューさん!!」
アキュー「ツムギさん! どうしてこんな夜遅くまで!? あなたの部署は残業は少ないはず!!」
ツムギ「待ってたんですよ!! 私が二人の橋渡しになります!!」
アキュー「ありがとう……ありがとうっす……。」