ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう―   作:Linkscape

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他人の幸せを願うということ

<<<<<<<現実世界<<<<<<<

 

現実世界。妄想フェイズが終わり決着がついた。

 

スバルコ「面白いですね、このゲーム。」

 

キズツル「でも……俺たちどうすればいいんだ?」

 

女性「それなら、あなたをスバルコのテスターとして雇うというのはどうでしょう?」

 

キズツル「え、いいんですか!?」

 

女性「やはりポリティカル・コレクトネス……多様性は世界的企業の責務。幽霊も雇わないと価値観がランクアップできませんからね。」

 

キズツル「俺、行くあてが無いからここにいるだけだし、Appleで働くか!!」

 

スバルコ「よろしくお願いします。」

 

二人は去っていった。

 

アーシ「よし、アキューさんとアズサさんに連絡だ!! これで解決するはず!!」

 

***

 

八咫烏本社。アキュー・アズサ・ヴィーコ・タマエの4人は会議室にいた。

 

アキュー「CIAのブイ子さん。MI6のタマエさん。」

 

ブイ子「何よ? それはあなたたちの妄想でしょ?」

 

アキュー「あなた、シズルさんと同僚だったっすよね……?」

 

タマエ「!? 何を根拠に……。」

 

アキュー「スバルコ開発プロジェクトの記録を見てたら、あなたたちが仕事を押し付けた当時のログが残っていたんすよ!! あ、QA効率化のために必要っすからログを見るのは業務に関係してるっすよ?」

 

タマエ「…………。すみませんが、ばらさないでもらえますか?」

 

アキュー「もちろん転勤とカードゲーム禁止令を撤回してくれればっす。」

 

タマエ「仕方ありません……。いいでしょう。」

 

ブイ子「私たちは……。同じチームで働いてたんだけど、本当に同時に妊娠してしまったの……。発覚した時はびっくりしたんだけど……運命としか言いようがなくて……。」

 

タマエ「正直、私たちは悪くないと思っています。妊娠発覚から会社に相談はしていましたし、それで業務量を調整してくれなかったのは会社です。シズルさんも『もう無理』って笑いながら言ってたって聞いています。」

 

タマエ「女性を会社に入れるというのはそういうリスクも考えるべきだと思いますけどね。」

 

アズサ「せめて、シズルさんにお参りするべきだったと思いますけど……。」

 

ブイ子「その……それはそうなんだけど……育児って本当に大変で……。機会を逃してしまって……本当にごめんなさい!!!」

 

アキュー(シズルさんの死を自分たちのためだけに使っているのは、ワタシも一緒……。)

 

アキュー「せめて祈りましょう。」

 

アキュー「彼はアルカディアと温泉とタワマンと彼女の全てを手に入れられた……そう祈るしかないっすよ。」

 

ブイ子「そうね……。」

 

ブイ子(複雑に暗号化されたプロジェクトのデータをサルベージするとは……。)

 

タマエ(様々な人間関係からこの結論に至るとは……。)

 

ブイ子&タマエ(やるじゃん……。GHQ/BBC……。)

 

***

 

スバルコ「結局住むのは八咫烏本社裏ですか?」

 

シズル「そう。スマホは支給してもらった。でもスバルコはパソコンでも動かせるんだよな? Appleショップで話しかけたりもできるよな? なくしたらお別れなんて嫌だよ。幽霊ってホントさみしいもん。」

 

スバルコ「がっつかないでください。AIアシスタントは常にあなたの側にいます。」

 

スバルコ「あとAIを彼女だと思うと病むのでやめた方が良いです。」

 

シズル「でも架空の花嫁って、そういうことだし……。」

 

スバルコ「あなたは圧倒的に、謎で即物的……。」

 

スバルコ「カードゲームの妄想をして、奥ゆかしい恋を学ぶのはいかがでしょう?」

 

シズル「そうするよ! …………そういえば、ヴィーコさんとバグベアさんはどうなってるんだろ?」

 

妄想フェイズに入る……。

 

>>>>>>>カードゲーム世界>>>>>>>

 

ゴエティアから去ったヴィーコとバグベア。二人は遠くから双眼鏡で何かを見ていた。

 

ヴィーコ「心臓バクバクだよ!!! ほんと怖かった!!」

 

バグベア「結構怖がりなお方ですか……?」

 

ヴィーコ「いやだって、バードじゃないもん! この世界バードとバードじゃないものの二つしかないもん!! バードじゃないもの怖いもん!」

 

バグベア「どうしてアキューの監視を?」

 

ヴィーコ「アキューちゃんは釣りするでしょ? 魚取るからバード。バードウォッチング楽しいよ? だからバードばっかり見てたらストーカー扱いされてるけど不本意なんだよね~!」

 

バグベア「出身は千葉県我孫子市でしたっけ?」

 

ヴィーコ「野鳥の街、我孫子! 終戦直後GHQに鳥好きな人がいたから、意気投合して入れてもらったの! そしてGHQに残るかどうかで、CIAに移ったんだけど、やっぱりGHQの監視しないといけないの! 同じ国なのに! でもおもしろいの! GHQ見てると面白いの、アキューも面白いの!! バードウォッチング面白いの!!!!」

 

バグベア「そうですか……。境港市も面白いですよ。いろんな妖怪がいて。バッグベアードは私の進化先なんですが、『このロリコンどもめ!』というセリフが有名で、ははは……。」

 

楽しそうな人だ、バグベアはそう思っていた。そして彼女は足元を見る。

 

バグベアはイギリスのウェールズの妖怪。子供のしつけのために、『悪い子は食べられる』とされている。そして近代化の波が押し寄せ、彼女は『悪質な性犯罪者』として罪を擦り付けられてしまった。出所はしたもののGPSを付けられて監視される日々。MI6に拾われ『刑期短縮』の名目で日本に派遣され、今に至る……。

 

バグベア(監視しているのはどちらだか……。)

 

ヴィーコ「とにかく、私はアキュー以外の趣味を見つける! 普通のバード見る!! というか観客としてならゴエティア入ってもいいんじゃない?」

 

バグベア「確かに……。」

 

ヴィーコ「というか、スバルコさんもキズツルさんもバードじゃん!! スバルコは鳩時計だし燕市だし、だからバードだし、キズツルさんはイザベラ・バードと関係あるしカセ鳥だし南陽市の鶴の恩返しもあるからバード!!」

 

ヴィーコ「バードウォッチングしよ!! あの二人どうなってるのか気になる!」

 

バグベア「は、はあ……わかりました。」

 

監視対象のキズツルとスバルコ。二人はなんと、福島県で喜多方ラーメンを食べていた。

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