ご当地伝奇百合カードバトル ヤミヨロズ・アーカイブ ―神々の相棒を探そう― 作:Linkscape
数秒にらみ合いが続いた後———
ツムギ「ではこれで終わらせましょう!! 友情の技でフィニッシュです!!!」
ツムギは急にレジ袋をかぶり、ゴルフクラブを振り回した!! プロレスでもめったに見れない奇行である!!
観客α「あの技はなんだ!?」
観客β「聞いたことがある。ゴエティアには鎮守府と呼ばれる強者4人がいると。レジ袋、カメラ、やすり、ゴルフクラブの力を持っていると……。」
観客α「なるほど……絵面は間抜けだがやってるのは『仲間の技を使う』なのか……。」
アレイスターの観客は事情をよく知らないが、解説すると次のようになる。
メルダムのレジ袋を穴をあけてかぶり、無呼吸でキャンディのゴルフクラブを振り回す。それは震動+フラッシュ機能がついており、衝撃が浸透する意識外からの攻撃となる。
キャンディ「アツい友情技なのに、お笑い技なのなんとかならない?」
ツムギ「レジ袋+視覚+ゴルフクラブ+振動の鎮守府の総決算!! 名付けて『四海文書』!この技を受けきれますか!!」
アーシエル「なんてことだああああああああああ!!! 見事なゴルフクラブ捌きです!! 鎮守府ヤミヨロズの技を全て応用している!! どこまで器用なんだこの女はあああああ!?」
ギナミス「これはすさまじい! 受けを少しでもミスれば、即死もありうる威力ですぞ!!!」
しかし……ツムギの5振りをシガラミは冷静に見ていた。
シガラミ「甘い!!!!」
シガラミが繰り出すは、正拳六連撃!!!
アーシエル「すべて相殺いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
ツムギ「鎮守府の集大成を全て返した!? どういうことですか!?」
シガラミ「日本六古窯。越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前……焼き物の六大産地だよ。そっちが鎮守府で来るなら、こっちは焼き物で返すだけだよ?」
シガラミ「名づけるなら……。『六道輪廻』かな?」
この技は六系統をすべて平等に使わないと隙ができる非常に難解な代物だった。六古窯は友達ではない。その技を殺し合って奪い合ってきた宿敵である。特に重要なのは「瀬戸」と「常滑」。瀬戸の招き猫の力で相手の攻撃を誘導し、常滑のロケット戦闘機に使われたほどの威力で相手を破壊するのだ。
ツムギ「ははっ……すごっ……。」
ビジャガ「ふうむ……。相手のツムギも中々の手練れ。我ら六古窯の力だけでは倒せない……。まあ……わしの力は届いておるようじゃがのう。」
ツムギ「ぐっ!!!」
シガラミは反撃の際、噛みつきを交えていた。
シガラミ「君にダメージを与えたのは、『備前』……。ビジャガさんの中南米の伝統が伝わっているから、ジャガーの噛みつきが浸透するでしょ?」
ツムギ「大きなダメージは無いが、上回られているのは事実……か……。」
アーシエル「どう見ますか、ギナミスさん。」
ギナミス「どちらが勝ってもおかしくないですぞwww」
アーシエル(ヨノバルちゃんならもう少しぐちゃぐちゃ言うんだけど……この人は違うのね。)
会場の皆、全員は思っていた。
「異文化交流って、面白!!!!」
***
それからも四海文書と六道輪廻の戦いが繰り広げられている。最初はビジャガの噛みつきを食らわせることができたシガラミも、だんだん当てられなくなってきている。それはツムギの読みが上回ってきているのだろう。
シガラミ「…………こいつ、戦いの中で成長するタイプか!!」
シガラミ(しかし彼女の長所と短所は少しずつ見えてきた。)
シガラミ(彼女はバランス感覚……体幹はすさまじいが……。)
シガラミ(体をねじる動きが苦手だ!! 間違いない!!)
シガラミ「そして、それは腹回りに何かギミックがある!!!」
シガラミ「『丹波』!!!!!」
シガラミの攻撃がクリーンヒットし、ツムギの衣服が破れる!!
ツムギ「………………中破ってところですね。」
しかしそれと同時に、振動ゴルフクラブがシガラミの衣服を破壊していた。
シガラミ「そのおなかの周り、どうしたの?」
ツムギとシガラミの腹回りには、明らかにへそ周りで上下に切断したかのような痕があった。
アーシエル「なんと!? 似たような傷が2人にあります!! これは運命でしょうか!?」
ツムギ「…………語るしかありませんね。」
ツムギ「青森県むつ市には、とある船がありました。」
ツムギ「それは原子力の未来を期待されてできた、原子炉を搭載した船なんですが……。漏洩事故を起こしてしまった。」
ツムギ「そして待ち受けていたのは『切断』でした。体を半分にして原子炉を取り出し、お互いに改装してまたくっつける……。名前も『未来』に変わった。」
ツムギ「原子力はみんな怖いので、最初はどこの港に帰ることも拒否されて……。そんな私を受け入れてくれたのがジャスカさんの佐世保市だった。」
ツムギ「原子力船むつ。私の御神体です。」
シガラミ「ふうん……。」
シガラミ「それは、とあるお祭りの中で起こった悲劇だった。」
シガラミ「地元で愛された鉄道会社と、輸送を手伝っていた別の鉄道会社が正面衝突事故を起こしてしまった。」
シガラミ「多くの人が死んだ。列車の先頭につけられていた、お祭りのトレードマークはぐちゃぐちゃになった。そして多くの責任は私たちに押し付けられた。それでも甲賀市はその会社を見捨てなかった。」
シガラミ「私が誰か……と言うならば……。信楽高原鉄道……とでも言おうかな。」
ツムギ「似た者同士ですかね? 鉄道と船で全然違う気がしますけど?」
シガラミ「違うなら戦わなくていいじゃん。今団体の代表としてここに立ってるのは、すごい『運命』を感じるけど。」
ツムギ&シガラミ「でも、これだけは分かる……。」
ツムギ&シガラミ「あなたは、私と同格だ!!!」
試合は最終局面へと入っていく―――