転生した先は少し不思議な世界でした。   作:ひみつ道具職人

2 / 2
ここでこれ使ったらいいんじゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラえもんがやってきた。

 

 

 

俺がドラえもんと初めて出会ったとき、意外にも未来に対する不安や恐怖ではなく、喜びの感情が渦巻いていた。あれほどストーリーを変えることに不安を抱いていたのに、ドラえもんが来たらお後戻りはできないと思っていたのに…

 

結局のところ、それらの感情よりも未来への期待感やいよいよ原作が始まるというワクワク感の方が大きかったということだろう。それに俺自身ももう吹っ切れたのか、ドラえもんとも仲良くさせてもらっている。

実際俺がストーリーに関わりたいと思っていたのも事実だし、もうこうなったら自分の気持ちに正直になろう。

 

 

ただ、原作を尊重したい気持ちもあるが…

原作や映画のストーリーが変わるかもしれない影響で、あの5人を始めとした他の人たちにも危険が及ぶかもしれない以上、そんなことは言っていられない。

極力原作を尊重しつつ、何か変化があれば介入するようにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラえもんがやってきてからおよそ1か月が経った。

 

それで何か変わったかと聞かれれば……

 

 

 

 

 

 

 

「のび太さんにいじわるすると、私が許しませんッ!」

「「うわぁぁぁぁぁっ!」」

 

「ちょっと!何もそこまでしなくても」

 

 

 

 

 

 

 

変わりすぎだよ……

以前までも色々と濃い人たちに囲まれていて退屈しなかったが、ドラえもんが来て以降、比較にならないほど町が騒がしくなった。

 

この前はころばし屋によってジャイアンとスネ夫をはじめとしていろいろな人が転ばされていたし(自分含む)

 

 

さらにその前は自然観察プラモシリーズによってスネ夫の家が恐竜に破壊されていたし

 

 

そうそう、一週間前は声紋キャンディー製造機で作ったキャンディーをなめたジャイアンが、色々あってテレビ出演を果たし、全国のお茶の間にあの悪魔の歌声を響かせるという国家存亡の危機ともいえる事件が発生した。

 

 

まだドラえもんが来てたった1ヶ月だが、体感的にはとてつもなく濃密な1ヶ月だった。

 

確かに退屈はしないが、こうも絶え間なくイベントが押し寄せると疲れの方が上回ってくる。

 

ちなみに先ほど暴れまわっていたのはかの有名なロボ子である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最近宇宙ターザンつまんなくなったよな~」

 

「そうそう。セットとかいかにも低予算丸出しで~」

 

 

 

 

 

僕です。守です。

そろそろドラえもんのいる日常にも慣れてきた。

ただいまジャイアンとスネ夫と駄弁りながら歩いてます。

 

 

「守はどう思うよ。宇宙ターザン」

 

 

宇宙ターザンかぁ

 

 

「俺はセットより脚本に不満があるね。あれじゃ子ども向けじゃなくて子ども騙しだよ」

 

宇宙ターザンを応援しているのび太には悪いがこれは譲れない。宇宙ターザンなる番組がこの世界に存在しているのは知っていたが、見てみると子ども向けとは思えないほどの強烈なメッセージ性のある作品だった。あれは子どもたちが熱中するのもわかる。

 

 

そう思っていたのだが、ここ数ヶ月はストーリーも絵作りも以前より劣化してしまっている。普通に楽しみにしていたのに非常に残念だ。

 

 

 

「ん?あれドラえもんじゃね?」

 

「ほんとだ」

 

 

そうして歩いていると、ドラえもんが向こうから走ってきた。

 

 

「どうしたんだ?ドラえもん」

 

「のび太くんが、裏山で遭難しちゃったんだよ!」

 

 

そういって走り去っていこうとするドラえもん。

 

 

「……! ちょっと待ってよドラえもん!」

 

 

「な、なに?」

 

 

「これこそ僕たちが求めていた冒険とスリル!行くぞ!のび太を探しに!」

 

そういうスネ夫、ジャイアンも乗り気のようだ。

 

 

 

このエピソード…覚えてるぞ。

のび太救出決死探検隊だ。

小さくなってラジコン飛行機に乗って遊んでいたのび太が、そのまま裏山に墜落して、他の4人でのび太を助けに行くというストーリーだったはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

「よしドラえもん。ガリバートンネルを出してよ」

 

 

「?なんで?」

 

「のび太が小さくなったんなら、僕たちも小さくなった方が探しやすいでしょ!」

 

 

「わ、わかった…」

 

 

 

スネ夫の圧に負けたなドラえもん。

まあ冒険がしたいって気持ちもわからなくはないけど。

 

でも、これはちょうどいい機会だ。

この話の冒険はスケールが小さく、だが適度に危険も含んでいる。

俺がストーリーに関わったらどんな変化が起こるのか。劇場版のストーリーの前に把握することができる。

 

……試してみるか。

 

 

「のび太を探すならたずね人ステッキを使ったら?」

 

 

 

「……?たずね人ステッキって……。ああ!なるほど!ドラちゃんが前に使ってた杖みたいなやつね」

 

さて、どうなる?

「だめだめ!せっかくの冒険が台無しじゃないか」

「そうだぞ!お前には男のロマンというものがわからないのか!」

 

 

 

やっぱりこうなるよな。

まあ2人の気持ちはわかるよ。

俺もどうせなら大冒険を経験してみたいし。

でもなぁ~

劇場版という未曽有の危機に対処するためには必要な事なんだ。

分かってくれ2人とも。

 

……そんなこと言っても白い目で見られるだけだろうし、ここは説得するか。

 

 

「気持ちはわかるよお二人さん、でもよく考えてくれ。いまの俺たちは5cmにも満たない存在だ。そんな状態じゃカエルやトカゲのような爬虫類やネズミなどの小動物、それどころか昆虫よりも脆くて弱い生物だ。」

 

「もし動物や昆虫につかまりでもしたら、生きたまま顔や内臓を貪り食われ……」

 

 

「も、もういい!わかったよ。安全に行こう」

「あ、ああスネ夫の言うとおりだ。ネズミのエサになるのはごめんだぜ……」

 

 

よし!説得成功。

 

 

「そのことだけど、あれはレンタル品だから今持ってないよ」

 

「え゛⁉」

 

 

 

まじかよ…

けど、原作やアニメでもドラえもんの道具はレンタルや使い捨てが多いとは言われていたな…

 

 

「それなら○×占いとかスパイ衛星カメラは持ってる?」

 

「ごめん。それもちょっと…」

 

 

まじかよ。

思っていた以上に常備している道具が少ないぞ……

どうするか…

 

 

 

「ねえ。今気づいたんだけど、どこでもドアを使えばいいんじゃないかしら」

 

「「あ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いよ~ドラえもん。」

「いや~ごめんごめん」

 

 

 

あのあと、どこでもドアを使い無事にのび太を見つけ出した。

 

 

「あーあ。せっかくの冒険の機会だったのにな~」

「もったいねぇことしたよなー」

「まあそう言わないで。また機会はあるよ。」

 

 

 

まあすぐに訪れるだろうけどね。

それにしても、盲点だったな。まさかどこでもドアとは。

ファン目線として、ニッチな道具や概念系の道具で解決しようとばかり思っていたけど、そういう思考だとメジャーどころの道具が思い浮かばないか…

もっと道具の知識を深めて視野を広げるべきだ。今度ドラえもんに手伝ってもらおう。

 

それはそうと、今回の収穫は大きかったな。

非常時に出せる道具には限りがある。よくファンの間で言われているように、ソノウソホントやあらかじめ日記などの概念系を出せば楽に終わるということはなさそうだ。

一方、どこでもドアを使って一瞬でエピソードが終わったということは、修正力というものが働いているわけでもないようだ。

 

これなら万が一予想外の事態が起きてもひみつ道具を使って対処できる。

まあギガゾンビとかの未来人はどうするかって問題はあるけど……

 

 

 

まあいいや!

今日はもう疲れた。未来のことは未来の俺に任せよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はスネ夫の家に呼ばれた。

またどうせ自慢だろう。

もういい加減慣れたものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕たち人類が、この地球上に出現するはるか以前の話。ざっと1億年も昔の時代。

まぁ、とにかくすっご~く大昔の白亜紀と呼ばれる時代。地上は恐竜の天下だったわけ」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。