「……ト……ヤマト…!!………ぬし!!」
「っ!?」
誰かに声をかけられながら何度も体を揺さぶられ、ヤマトは目を覚ました。
目の前には心配そうなモミジの顔。
「意識…飛んでたか?」
「うむ…ほんの少しじゃったがの」
「そっか……って、ナバルデウスは…!」
ヤマトは周りを見回す。
どうやら二人とも水面から打ち出され、ここは海底神殿の上部のようだ。
しかし水中から出てしまったのはヤマトとモミジの二人だけ。ならばレンとラギアクルスはまだ水中でナバルデウスと対峙しているはずだ。
「さっきから時々水の中に電撃が見える。恐らくハクが粘っているのだろう。レンはわからぬが…」
ならば直ぐに戻らねばと、ヤマトは運良く腰に帯びたままだった愛刀に手を添える。
「ぬしよ、待て」
しかしそれをモミジが止める。
ヤマトが怪訝な顔で振り返ると、目線を水中に向けたまま彼女が答えた。
「よく考えよ、ここは海の民が築き上げた要塞なのだろう?ならばあるのではないか…?対龍兵器が」
対龍兵器。まだハンターのいなかった時代に人類が龍に立ち向かうため作り上げた強力な武器。それは例えるならば大砲やバリスタ、撃龍槍などだ。
「そうか、その手があったな。…てことなら要塞の中に入らねぇと━━━モミジ、いけるか?」
本来の入口は水中にあり、ナバルデウスがいて近づけない。そうとなれば入り方はひとつ。
ヤマトの問いに対し彼女が胸元からきつく縛られた小さな皮袋を取りだして口を開くと、ふわっと数匹の蝕竜蟲が飛び出した。もしもの事があった時のため、防水性の袋に入れて持ってきていたのが功を奏したようだ。
下僕たる蝕竜蟲からエネルギーが供給され、その白銀の長髪からパシンッと深紅の稲妻がほとばしる。
拳を握りこみ、龍光エネルギーを収束させたモミジがニヤリと笑う。
「この程度の強度ならば…他愛ない」
━ドゴオオォォォォォォォォォン!!!!!
彼女が足元━━海底神殿の天井となる外壁を思い切り殴ると爆音と共に綺麗に穴が空き、二人とも神殿の中に落下する。思いのほか天井も高くないらしく、綺麗に着地できた。
「流石だな。━━━無事入れたけど…ここは…」
「何やらごちゃごちゃとしておるが…」
「━━━いや、大当たりだモミジ。たぶん撃龍槍の制御室だ」
「ほう、それは運が良かったが…大槍にも届く距離に限度があろう?どうやって大海龍をおびき寄せる?」
この海底神殿の撃龍槍は海面ギリギリに打ち出される仕組みになっているらしく、ナバルデウスをここに呼び寄せない限り確実な痛手は負わせられないだろう。それに加えて今、大海龍は正気を失ってただ暴れるだけの魔物と化している。
「奴を挑発でもして、ここにおびき寄せるしかねぇか…」
そこでヤマトはポーチの中を漁る。
たしか昔買ったアイテムが、この中にまだ入っていたはず…あった。
「これだ」
「ぬし、それは…?」
モンスターの骨を加工して作り替えたハンターの道具のひとつ。
「角笛だよ。竜の嫌がる音を奏でることの出来る道具だ」
「そんなものまであるのかや…人はすごいの」
竜の嫌がる音、という言葉に顔を少し顰めながらモミジが言う。
「だが問題は水中のレンとラギアクルスだ。まだ無事でいてくれるといいが…」
ヤマトがそう言って神殿の壁面に設けられた窓…と言うより、外を見るために空けられたのであろう人の背丈ほどの大きさもある四角い穴から水面を見た時だった。
━ドパアアアアァァァァアン
「ぅゎぁぁぁぁぁあああああああっ!?」
水面にナバルデウスの尻尾が現れたと同時に、レンが吹き飛んできた。
「!?レン!!!」
咄嗟にモミジが窓から外へと飛び出しレンを受け止めて━━その勢いにより二人そろって飛び込んできた。
「どわあああああっ!?!?」
ヤマトにも直撃。結構痛い。
「っぅ〜…レン、大丈夫かや?」
「は、はい、なんとか」
「おい俺の心配━━━」
「知らぬ」
「おいこらてめぇ」
いつものコントを繰り広げながらもレンを見れば、防具は所々がボロボロになっており不利な状況なのにも関わらず戦っていたことが分かった。
「レン悪かったな、離脱しちまって…」
「いえ、気になさらないでください…それより、ここは…??」
不思議そうにあたりを見渡すレン。
「海底神殿の中だよ、それも撃龍槍制御室」
「凄いじゃないですか!!!……どうやって入ったんですか…?」
ヤマトは上を指さす。
「モミジに天井ブチ破ってもらった」
「……」
すごいじゃろ。と胸をはるモミジとポカンと天井を見上げるレン。その状況が五秒ほど続いた。
「って、そうじゃなくて奴を誘き出すんだろ」
「おっと、そうじゃったの。…で、その角笛とやらを使って大海龍を挑発できたとして、誰がこの大槍を動かすんじゃ…?」
モミジのその言葉にヤマトが唸る。
「それなんだよな…俺が挑発してもいいんだけど、レンは撃龍槍使ったこと…ないだろ?」
「はい…」
当たり前だろう。実力もあり竜の力を宿している少年といえど、まだハンターランクは1なのだ。古龍と戦う機会など無いに決まっている。かといって、そのレンに角笛を任せるには危険すぎる。下手をすれば重傷を負いかねないのだ。それならばモミジは…となるが、狩人でない彼女に角笛は吹けないだろう。
それに、危ない役をモミジに任せるのは普通に心配だ。
「たわけ」
突然、モミジが腕を組みながらにらみあげてきた。
…どうやら久々に心を読まれたらしい。
「ホントに危険なんだぞ?それに、お前角笛吹けるのか?」
「吹けぬ」
「即答かよ…んじゃあダメじゃないか」
「そんな小道具わっちはいらぬ。咆えれば十分じゃ」
あぁ、なるほど。
たしかにモミジの咆哮ならば角笛など比にならないだろう。
「だけど…」
「ぬし」
モミジがはっきりとこちらを見ながらヤマトの言葉を打ち切る。
━わっちを信じぬのかや?
その目はそう、言っているように聞こえた。
「…わかった、お前に頼む」
お手上げだとばかりにヤマトが言うと、モミジはその言葉を待っていたとばかりにニカッと笑う。
「うむ、請け負った」
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ナバルデウスの挑発役をモミジに任せたヤマトは、レンと二人で撃龍槍の点検を行っていた。
「レン、そっちの方はどうだ?」
「問題無いみたいです!!」
「よし、これなら動くな…旧式なのが何とも心配だが…」
現在の船や砦に備え付けられている撃龍槍は、射出のスイッチレバーを引いて作動させる物がほとんどだ。
しかし、はるか昔 海の民達が作り上げたこの要塞に備わっている撃龍槍は一昔前まで使われていた固い大きなスイッチをピッケルなどで叩いて作動させる…という旧式のもの。現代の形より力が必要なうえ、スイッチを作動させてから槍が飛び出すまで時差が生じる。そこの逆算が上手くいかないとタイミングを外し、この要塞にあの巨体が突っ込んでくることになる。そうなれば三人まとめて大怪我━━下手をすればあの世行きだ。
「チャンスは一回だ。命掛けろよ、レン」
レンに気合を入れさせるため少し脅し気味でヤマトは言う。しかし…
「えぇ、分かっています。僕の事を嫌わずに受け入れてくれて、しかも信頼までしてくれるお二人になら…命だってなんだって掛けられます」
出会ってまだ間もない少年は、笑いながら答えた。
それに内心驚きながらも、ヤマトは冷静に頷いて答えると最後の点検箇所をチェックする。
どうやら長らく使われていなかったのにも関わらず全く問題は無さそうだ。
━━これで準備完了。
「モミジ!!!いいぞ!!!」
ヤマトは撃龍槍発射口のすぐ横の窓に立つと、天井に開けた穴から屋上に上がって待機していたモミジに叫ぶ。
モミジが声を出さずに頷き、すぅ、と大きく息を吸い込む音が聞こえ━━
━ウオオオオォォォォォォォォォォォン!!!!!
海底洞窟内の壁に反響して耳を貫く咆哮。すぐにそれに応えるかのように水面が揺れ、モミジの咆哮が終わる前にナバルデウスが水面から飛び出した。
その身体は所々焼け焦げたような傷があり、水中でラギアクルス━━ハクが奮闘していた事が見て取れた。
物凄い速度でこちらへ突っ込んでくる大海龍に対しヤマトはピッケルを抱え、ギリギリまでタイミングを測る。
しかし…
大海龍はただ飛び出しただけではなかった。水中にある岩柱を破壊し、その破片を自分を挑発した者…モミジへ向かって飛ばしてきたのだ。咆哮を終えたばかりのモミジはその攻撃に咄嗟の回避ができない。
「っ!!!モミジ!避けろ!!!」
撃龍槍のスイッチを押さねばならず、その場から動くわけにはいかないヤマトが思わず叫び、モミジは何とか避けようと後ろに跳ぶ━━が、砕かれ鋭利な刃物と化した岩石は既に彼女の眼前まで迫っていた。
ダメだ、間に合わない━━
━━━━刹那。
レンが動いた。
「"黒曜拳法"ッッ!!!」
そう叫び、ヤマトでさえ目で追えない速度でモミジの前に躍り出たレンの姿が、以前モガ村で見た爆砕竜のそれになる。そして。
「【飛龍拳ッッッッ!!!!!】」
上段に構えた拳を目にも止まらぬ早さで振り下ろす。
今にもモミジに直撃しそうだった岩石が、目の前で爆散した。
あれが…レンが授かった半竜人としての力...!
なんて威力だ。
ヤマトは内心驚愕するが、直ぐに気を引き締める。既にナバルデウスは神殿の目の前まで来ていた。
あと、少し━━━
━━━━━━━━━今。
ここぞというタイミングで、力いっぱいピッケルを振り下ろして、スイッチを押す。
「いっけええええええええええええ!!!!!!」
巨大な槍が高速で射出
その切っ先は━━━━
見事に大海龍の脳天を貫いた。
━━ガアアアアアアアアアアアアアッッ!?
一撃必殺の攻撃をもろに受けた大海龍が悲鳴をあげて怯んでいると、水中から青白い電撃がその身体を突き抜ける。
ハクによる追撃だ。
『滅びろ大海龍!!!貴様はここで終わりだ!!』
その強力な電撃により身体から煙をあげながら、ナバルデウスはゆっくりと水中に沈んで行った。
「やったん…でしょうか…」
「うむ、もう大丈夫じゃろう。━━━━さっきはすまなかったの。レンのおかげで助かった」
不安げに呟いたレンの言葉に、モミジが頭に手をポンと添えて返答する。
彼はそれに対し、はにかんで応えた。
「モミジ、奴を挑発してくれたお前も良くやってくれたよ。怪我がなくてよかった」
「うむ。ぬしもな━━━無論、ハクも」
モミジは神殿の窓から、水面に浮上しこちらを見ているラギアクルスを振り返る。
『我は大したことなどしていない。』
「謙遜するでない。海中でずっとぬしが大海龍を引き付けていてくれなければ、先程の作戦は成功しなかった。」
モミジの言葉はその通りで、ヤマト達が撃龍槍の調整を行っている間、ずっと白海竜がナバルデウスを引き付けていてくれたのだ。
『…いずれにせよ、奴は死に、海に平和が戻った。貴様ら……いや、君たちが居なければ出来なかったことだ。感謝する』
「いいって、俺らも頼まれていたことだしな。」
『そうか…では我はこれからこの海を少しずつ、以前の姿に戻すため尽力するとしよう。ここで別れだ。』
「うむ、元気にの…ハク。」
『あぁ。━━━姫こそ、元気で。
………ヤマト。レン。』
白海竜が、初めてヤマト達の事を名で呼ぶ。
「ん?」「はい?」
『姫を頼む』
「………あぁ。任せろ。な、レン」
「はい!!!」
その三人(?)のやり取りに、モミジは気に入らないとばかりに口を尖らす。
「わっちはそんなに頼まれるほどか弱く無いわ!!!」
『そうか…?今回かなり危なっかしい場面が見えた気がしたが』
「ななな何を言うかハク!!!そんな事は!!」
「うん、ハクの言った通りだ」
「ぬしまで!?…れ、レンはそんな事も思わぬだろう??」
「えと、そ、そうですね…ただ、敵に向かって突っ込むのはどうかと思いましたけど…」
「…へ?」
まさかレンまでそんな事を言うと思わなかったのか、モミジは今までに無いくらいポカンとした顔をする。
「はははっ、なんだその顔!!」
『ふっ、この様子では姫もまだまだという事だな』
「笑うでない!!!」
海底神殿に響く賑やかな声。
生態崩壊を起こしていた海は平和を取り戻し、これからはハクが元の美しいモガの海に戻していってくれることだろう。
そんな思いを胸に抱き、嬉しくも少し寂しい別れをしたヤマト、モミジ、レンの一行は村への帰路についたのであった。
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「…で。なんだったんだありゃ」
モガ村、ヤマト達のハウスにて。
先の戦闘でモミジを岩石から救ったレンに対し、ヤマトが唐突にそんな質問をした。
モミジもその横で、同じようにレンをじっと見つめる。
「ええと…"あれ"…のことですか」
「あぁ、"あれ"だ。」
レンもそれだけで何を聞かれているのかわかったらしい。
ナバルデウスがモミジに対し砕けた岩石を飛ばした時、咄嗟に反応のできなかったモミジを襲う岩石を、レンがブラキディオスの半竜人の姿になり【拳】で砕いたのだ。
━━【黒曜拳法!!!】
【飛龍拳ッ!!】
「えぇと…ですね、…うん。ヤマトさん達には話しておかないとですね」
そう前置きをしたレンが話す。
「お二人には以前ご説明した通り、僕は人ではなく砕竜ブラキディオスの父に育てられました。その教育の中で、父は僕に自衛手段としていざとなったら力を使えと教えてくれました。その時に習ったのがさっきの戦闘で僕が使った"黒曜拳法"です。……こんな説明で大丈夫ですか?」
レンが、不安そうに聞いてくる。
「あぁ、ありがとう、大丈夫だ。…それにしても…正直目を疑ったよ。お前、あの姿ならかなり強いんじゃないか」
ヤマトが思ったままの気持ちを口にする。
あの時のレンの力は、たった一殴りで巨大な岩を破壊したのだから。
しかし、そこにモミジが口を挟む。
「じゃが…あの力を使って戦うというのは…少しリスクが高すぎる…違うかや?」
「はい、その通りです。確かに強力な力ですが、狩場などで使用すれば誰にその姿を見られるかわかりません。…今のご時世、半竜人なんて信じてくれる人はほとんど居ませんから、忌み子とか化け物などと言われて処刑されるのがオチなんです…」
なるほどな、とヤマトは心の中で納得する。
ヤマトがモミジと出会った際も、村へ帰る時にその耳や尻尾を隠させた。
人間に獣の耳や尻尾が生えているなど、普通に考えてありえないからだ。仮にそのような姿の者がいたら、先のレンの言葉のように[化け物]と称されてその場で殺されるか、この国を収めている国の騎士団に連行されるだろう。
「まぁ、とりあえずお前のその力のことは分かった。俺もここまでモミジと一緒に旅をしてきて、"そうゆうもの"には慣れてる。だから俺らの前では変に隠すなよ」
そう言ってヤマトはレンの額を優しく小突く。
「ありがとう…ございます」
反応があまりにも普通すぎて意外だったのか、レンはぽかんとしたまましばらく固まっている。だがこちらはモミジと出会ってからのこの短い期間に、今までは伝承上の話だと思っていた事に数多く直面して来たので、そこまで驚くことではなかったのだ。
「それで?」
不意にモミジがそう問いかけてくる。
「うん?」
「ドンドルマの娘から頼まれた依頼はこれで達成じゃろ?…戻るのかや?」
「あぁ、明日辺り、この村を出る予定だ」
元はと言えばモミジの頼みで始めたこの旅だ。今回の一件は、その旅の途中での寄り道のようなもの。モミジは急いでも仕方が無いと言うが、あまりゆっくりもしていられないのだ。
しかし、明日この村を出る前にヤマトは聞いておきたいことがあった。
「レン」
「はい?」
「ここに…残ってもいいんだぞ。」
実は二人はナバルデウスとの戦いから戻ってきて直ぐに、レンにこの旅の目的、改めてモミジがどうゆう者なのか、ヤマトが滅龍姫シノノメ ユズカの弟子であり実弟だということなど、全ての事情を話してあった。
それを踏まえてヤマトはそう聞いたのだ。
「ここは、お前の父さんが眠っている場所に一番近い。正直、あの墓場だっていつ何に荒らされるか分からない。ならお前はここの村に残って、あの墓を見守りながら暮らしてもいいんじゃないかと思う。どうだ?」
「…ありがとうございます。僕も、そう考えたんですけど…」
「けど…?」
「僕、ヤマトさんとモミジさんに、何かしらで今回のお礼をしたいと思ってるんです。最初の出会いの時から、何から何までお世話になったし…初めて面と向かって僕を一人の人間と認めてくれた…そんなお二人に、なにか出来ないかなって…そこで、お二人が話してくれました。モミジさんはお兄さんを見つけたいんだと…ヤマトさんは、そんなモミジさんを助けたいんだと。その話を聞いて僕は、それしかないって思ったんです。」
そこまでを言い終えたレンが一度言葉を止め、そしてハッキリとした口調で続ける。
「ヤマトさん、モミジさん。…僕をあなた方の剣として。盾として。お供させては頂けませんか。」
13歳。
それがこの少年の年齢だ。
ヤマトがこの歳の頃は、まだユズカに甘えていただろう。それが、この少年は…。
「いいのか。…戻ってこられない可能性だってあるんだぞ。この旅路、これから先何があるかわからない。」
今回のナバルデウス戦。"また"狂竜ウイルスが関与していた。モミジにはまだ直接話してはいないが、彼女ももう分かっているだろう。
牙狼の一族を襲った黒蝕竜はまだ生きていて、更には古龍たちを"喰っている"。
そうとなれば、この先、本当に何があるかわからないのだ。
「はい。覚悟の上です」
真っ直ぐな瞳。
「本当にわかっておるのかや?…死ぬかもしれないと言う事じゃぞ。」
「ハンターなんて常に死と隣合わせですから」
モミジの言葉にも一切揺らがない。
…ここまで覚悟を見せつけられたら、もうヤマトたちも折れるしかなかった。
「分かった。なら一緒に来てくれ、レン」
「うむ。頼りにしておるぞ」
二人からそう言われると、レンはいつも通りパァっと目を輝かせてペコりと深くお辞儀をするのだった。