四番隊の一般隊士、実は卍解持ちの激強死神でした   作:獅子論

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いよいよ現代に舞台を移そうと思います。

黒崎一護と星が、どう絡んで行こうかと年甲斐も無くワクワクしています。


風雷の爪痕、そして黒い旅禍の訪れ

魂魄消失案件から数日、流魂街の騒がしさが嘘のように、四番隊舎にはいつもの平穏な時間が流れていた。

 

 

「八神くん、そ、その……さっき調合してくれた薬湯、すごく完璧だったよ。」

 

 

「ありがとうございます、勇音副隊長。……って、なんでそんなに遠くから話しかけてるんですか?」

 

 

廊下の曲がり角から、顔だけを真っ赤にしてこちらを覗き込んでいる勇音に、星は苦笑した。

 

 

あの日、隊長室の前で距離が急接近して以来、

勇音は星と目が合うたびに「ひゃぅっ」と変な声をあげて

逃げ出すか、こうして必要以上にドギマギするようになっていた。

 

 

(まぁ、あの距離感で意識してくれてるなら、一般隊士としてサボる口実も作りやすいし、悪くないか……)

 

 

星は腰の『迅雷烈風』を揺らしながら、四番隊の平和な日常の仕事をのんびりとこなしていく。

 

 

 ──だが、星が守ったこの静寂の裏で、歴史の歯車は確実に狂いながらも、怨念を孕んで進んでいた。

 

 

 無断外出による『原因不明の重病(致命傷)』を隠蔽し、

暗い自室で何十年もの歳月をかけて肉体を再生させた

五番隊副隊長──藍染惣右介。

 

 

彼が再び表舞台に立ち、五番隊隊長へと上り詰めた

その執念の裏には、生涯消えない激痛と共に刻まれた、

あの『狐面の男』への凄まじい猜疑心と執着があった。

 

 

(あの日、私の完璧な計画を叩き潰した、あの風と雷の怪物……。未だ正体は掴めぬが、崩玉の完成は間近だ。

中央四十六室も、十三隊の駒もすべて私の掌の上。

次こそ、私の完璧な世界を──)

 

 

 

藍染が復讐と野心を燃やし、密かに計画の修正を終える頃。

 

 

 

──尸魂界の時歴史に残る大事件が起こる。

 

 

【現代】

 

四番隊舎のいつものサボり場所。

 

 

101年という長い年月が経っても、八神星は相変わらず

「冴えない一般隊士」のまま、のんびりと空を眺めていた。

 

隣には、少しだけ大人びたものの、相変わらず星の前ではウブにドギマギしてしまう副隊長の勇音の姿がある。

 

 

「八神くん、またこんなところでサボって……。

隊長に怒られちゃうよ?」

 

 

立場上の注意の後にお茶と少量のお菓子を差し出す。

 

 

「頂きます。やっぱり勇音さんの持ってくるお菓子は最高ですね。」

 

 

 

「も、もうっ、お世辞言っても仕事は減らないんだからね!」

 

 

 

 

真っ赤になって怒る勇音との、変わらない甘酸っぱい日常。

 

 

 

 

──しかし、その平穏を引き裂くように、十一番隊の伝令神機から、尸魂界全土を揺るがす『緊急警報』が鳴り響いた。

 

 

 

 

『緊急伝令! 緊急伝令! 瀞霊廷内に侵入者あり!』

 

 

 

 

『繰り返す! 檚衣街(じょういがい)より、巨大な霊圧を持つ複数の【旅禍(りょか)】が侵入! 現在、十一番隊が交戦中──ッ!!』

 

 

 

 

 空気が、一瞬で変わった。

 

 

 

 

ルキアの処刑、藍染の不穏なマーク、そして現世から乗り込んできたオレンジ色の髪の少年──黒崎一護。

 

 

 

 

「旅禍……!? 嘘、瀞霊廷の結界を破って入ってきたの……っ?」

 

 

 

 

勇音が驚愕に目を見開く。

 

 

星は食べかけのお菓子を口に放り込み、

ゆっくりと立ち上がった。腰の二本の刃が、

これから始まる巨大な嵐を予期するように、微かに鳴動する。

 

 

(何が起きた?いや、何かが起ころうとしているのか?

だが、僕の平穏は、守らせてもらう!)

 

 

 101年前に一度叩き潰してやった陰謀が、再びこの四番隊の平穏を脅かそうとしている。ならば、やるべきことは一つだけだ。

 

 

「行きましょう、勇音さん。怪我人がたくさん出そうです。……僕たちの仕事の時間ですよ。」

 

 

 

 

「──うんっ!」

 

 

 

 

ドギマギする関係性はそのままに、最強の一般隊士と、

彼を信じるピュアな副隊長。

 

 

二人が歩む『ルキア奪還編』の幕が、

今ここに切って落とされた。




次回、現代組との接触書きます。
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