四番隊の一般隊士、実は卍解持ちの激強死神でした   作:獅子論

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医療のプロとして、全力を尽くす。

自分の好きな状況をひたすら書いてました。






白十字の戦場、あるいは狂瀾の裏の真実

藍染隊長の「死」を発端として、瀞霊廷は完全に狂気に狂っていた。

 

 

あちこちの隊舎から天を衝くほどの凄まじい霊圧が爆発し、隊長格同士が刃を交える未曾有の内乱状態。

 

 

 

──だが、そんな狂乱の戦火から最も遠い場所にある四番隊舎は、別の意味で地獄と化していた。

 

 

 

「次の負傷者、こちらへ! 止血が先です!」

 

「八神くん! こっちの十一番隊士の霊圧が危険な状態に……っ!」

 

「分かりました、勇音さん。そっちは僕が抑えます!」

 

 

 

押し寄せる無数の怪我人の対応に、四番隊士たちは総出で追われていた。

 

 

星は、四番隊の一般隊士としての職務に徹していた。

運び込まれる死神たちの傷口へ的確に回道を施し、時には烈風の隠密操作で暴走する霊圧を密かに鎮めていく。

 

 

 

「ふぅ……八神くん、本当に手際が良いね。君がいてくれて、私、すごく助かってる……。」

 

 

 

処置の合間、額の汗を拭いながら勇音がポツリと呟いた。

 

 

戦況への恐怖で張り詰めそうになる中、隣で淡々と、けれど完璧に自分を支えてくれる星の存在が、

今の勇音にとって最大の心の拠り所だった。

 

 

 

「勇音さんが的確に指示を出してくれるからですよ。さあ、休む暇はなさそうです。次が来ました。」

 

 

「う、うん……! がんばろうね!」

 

 

星のちょっとした言葉にドギマギと頬を染めながらも、勇音は嬉しそうに頷き、再び回道の光を紡ぎ始める。星にとっては、この甘酸っぱくも平穏な四番隊の空気こそが、何よりも守る価値のあるものだった。

 

 

やがて夜が訪れ、患者の搬入がひと段落ついた頃。

 

 

星は卯ノ花隊長に呼ばれ、夜の静まり返った四番隊長室へと足を運んでいた。

 

 

 

中に入ると、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っており、

卯ノ花は月明かりの差し込む窓辺で、静かに茶を啜っていた。

 

 

 

「お疲れ様でした、八神くん。今日のあなたの働き、実に見事でしたよ」

 

 

 

「恐れ入ります、隊長。僕はただ、運ばれてくる怪我人を治療していただけですから」

 

 

星はいつものサボり魔の仮面を被り、頭を掻いた。

 

 

 

だが、卯ノ花は茶碗を置くと、ゆっくりと星の方へ振り返った。その瞳には、昼間の聖母のような微笑みではなく、すべてを見透かす「元剣八」としての深い冷徹さが宿っている。

 

 

 

「──先ほど、藍染隊長の『遺体』の検視を終えました」

 

 

 

部屋の空気が、ピりりと張り詰める。

 

 

 

「……そうですか。刺され方が酷かったと聞きましたが」

 

 

 

「ええ。ですがね、八神くん。」

 

 

卯ノ花は音もなく星へ近づくと、その耳元へ顔を寄せ、微かな吐息と共に囁いた。

 

 

 

「あれは……死体ではありません。あれほど精巧で、魂魄の細部まで作り込まれていながら、

どこか『決定的な違和感』がある……まるで、別の何かの能力で五感を騙されているような、奇妙な感覚です。」

 

 

 

星は表情を変えなかったが、内心で小さく口元を緩めた。

 

 

 

(さすがは卯ノ花隊長だ。他の誰もが騙される中、

彼女だけは、プロとしての直感で『違和感』に気づいたのか)

 

 

 

「私一人の見立てでは、まだ確証は持てません。ですが……瀞霊廷を揺るがしているこの大嵐の裏には、まだ誰も気づいていない『巨大な陰謀』が隠されている気がしてならないのです」

 

 

 

卯ノ花は星の目を真っ直ぐに見つめ、試すように微笑んだ。

 

 

 

「──八神くん。あなたは、この違和感について、何・か・知・っ・て・い・ま・す・ね?」

 

 

 

大人の色気と、強者ゆえの圧倒的なプレッシャー。

 

 

普通なら息を詰まらせる場面だが、星はフッと肩の力を抜き、

いつもの一般隊士らしいのんきな笑みを浮かべてみせた。

 

 

 

「さあ、何のことでしょう。僕のような一般隊士には、隊長閣下の検視結果なんて難しすぎて分かりませんよ。……ただ。」

 

 

 

星は一歩下がり、丁寧に一礼する。

 

 

 

「どんな陰謀が裏で動いていようと、この四番隊の医療室(ここ)を荒らす不届き者が現れたなら──その時は、僕の『風』と『雷』が、跡形もなく吹き飛ばして見せますよ。」

 

 

 

それは、直属の隊長である卯ノ花烈への、星なりの最大のリスペクトと誓いだった。

 

 

 

卯ノ花は一瞬だけ目を見開いた後、くすくすと嬉しそうに、心底愛おしそうな笑みを漏らした。

 

 

「ふふ……本当に、頼もしい部下を持ちました。

ええ、夜も遅いですから、もう下がりなさい。明日も忙しくなりますよ。」

 

 

 

「失礼します。」

 

 

 

部屋を出た星は、静かな廊下で夜空を見上げた。

 

 

あちこちで隊長たちが血を流し、藍染が裏で糸を引いている。

物語はいよいよクライマックスの双殛(そうきょく)の丘へと進んでいく。

 

 

 

(泳がせておくのも、そろそろ終わりだ。愛染惣右介、101年ぶりの再会を楽しみにしてろよ)

 

 

 

腰の『迅雷烈風』が、主人の意思に応えるように、深夜の闇の中で静かに、けれど苛烈に鳴動していた。




言葉遊びが出来るって強者感出ていて子供の頃から好きなんです。



次回は刀を抜くかもしれません。

頑張って書きます!
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