四番隊の一般隊士、実は卍解持ちの激強死神でした   作:獅子論

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後書きです。


凶星の帰還、あるいは二度目の天秤

──空座町決戦の、まさに直後。

 

 

断界の門が勢いよく開き、数ヶ月(現世の時間で数時間)

におよぶ命がけの修行を終えた黒崎一護が、

凄まじい霊圧を纏って飛び出してきた。

長くなった髪、そして斬魄刀と右腕が融合したような、

「能力を限界まで引き上げて制御した」姿。

 

 

 

「藍染……っ! どこだ、決着をつけ──」

 

 

 

一護は息を荒くして周囲を見渡したが、そこにいたのは、血まみれで倒れている隊長格と、地面にひっくり返って白目を剥いている死神姿の藍染。そして、呆然と佇む浦原喜助たちだった。

 

 

 

「……え? 終わってんの?」

 

 

 

 

一護が拍子抜けした声を上げる。

 

 

 

 

「終わってます。」

 

 

 

 

浦原が、いつになく疲れ切った顔で、

仕込み杖を突きながら短く答えた。

 

 

 

「誰が、やったんだよ……?」

 

 

 

 

「四番隊の、サボり魔さんですよ。」

 

 

 

一護の脳裏に、かつて自分の虚化を文字通り床にめり込ませたあの男の笑顔が浮かび、一護は「……あいつ、本当に何なんだよ」と天を見上げるのだった。

 

 

 

 

【一番隊舎・総隊長室】

 

 

 

 

──そして舞台は、瀞霊廷へ。

 

 

 

藍染惣右介の捕縛という大勝利の裏で、瀞霊廷は別の「意味」で大きく揺れていた。

 

 

 

 

護廷十三隊のほぼ全滅の危機を救った、一人の四番隊員。

 

 

 

 

その男、八神星は、今や一番隊舎の重苦しい空気の中で、総隊長・山本元柳斎重國の正面に立たされていた。山じいの五大骨をへし折るような鋭い眼光が、星を射貫く。

 

 

 

 

「……八神星。現世の決戦において、お主が下した功績は、三界の歴史に刻まれるべき大勲功である。それは認めよう。」

 

 

 

総隊長はドン、と木杖を突いた。その声音には、怒りよりも、もはや隠しきれない「呆れ」と「畏怖」が混ざっている。

 

 

 

「──だが、お主。あの『卍解』は何事じゃ。」

 

 

 

 

「何事、と言われましても。ただの四番隊の護身術ですよ、総隊長。」

 

 

 

星はいつも通り、白衣のポケットに手を突っ込んだまま飄々と言ってのける。

 

 

 

「白々しい嘘を吐くなッ!!」

 

 

 

 山じいの怒号が一番隊舎を震わせた。

 

 

 

「世界の法を書き換え、大気そのものを必中の雷に作り変える卍解……『星海轟嵐(せいかいごうらん)』。現世にいた浦原喜助や四楓院夜一、さらには京楽たち複数の隊長格がその全貌を目撃した! もはや『一般隊士のフリ』など通じると思うておるのか!」

 

 

 

それはそうだ。世界を救った最強の天災が

「ただの四席なので薬草干します」などとサボり続けたら、

組織の示しがつかない。

 

 

 

「総隊長、言ったはずですよ。僕はただ、四番隊の静かな日常(平穏)を守りたいだけだって。藍染が僕の日常に手を伸ばそうとしたから、ちょっと本気で片付けただけです。

……それなのに、また僕を一番隊の直轄にしたり、五番隊の隊長にでも据えるつもりですか? 僕は御免ですよ、そんな面倒くさい仕事」

 

 

 

星の瞳の奥に、スッと冷徹な『嵐の凪』が宿る。

 

 

 

 (これ以上僕の平穏を脅かすなら、総隊長相手でも……)という無言の圧力を、山本元柳斎重國も確かに感じ取っていた。

 

 

 

「……ふん。お主を隊長格に据えれば、他の隊長たちのプライドが粉々に砕け散るわい。それに、お主のような『劇薬』を縛る鎖など、十三隊の役職には存在せぬ。」

 

 

 

総隊長は深くため息をつき、目を閉じた。

 

 

 

「特例じゃ。お主の役職はそのまま『四番隊四席』に据え置く。ただし──今後は十三隊の最高最重要の『切り札(特等遊撃戦力)』として扱う。普段はサボろうが四番隊で薬草を干そうが不問とするが、ひとたび三界の存亡に関わる危機が訪れた際は、その『星海轟嵐』を以て敵を討て。……これでよいな?」

 

 

 

「……。破格の条件ですね。さすが総隊長、話が分かる。」

 

 

 

星はフッと口元を歪め、いつもの気怠げな笑顔に戻った。

 

 

 

役職は四番隊四席のまま、完全なる「自由」と「公認のサボり権」を手に入れたのだ。

 

 

 

「では、僕はこれで。勇音副隊長が、僕の報告を待っていますから。」

 

 

星がひらひらと手を振って総隊長室を去っていく。

その背中を見送りながら、総隊長は一人、小さく呟いた。

 

 

「……藍染を超越したバケモノが、四番隊の小娘の後ろで満足しておるのだから、安いものか。……これからの現世は、黒崎一護と、あの男が守る。しばらくは平穏が続くじゃろうて……。」

 

 

 

だが、山じいのその予測は外れることになる。

 

 

一護が力を失わなかったこの新しい世界。

星という絶対の盾を持つ瀞霊廷に向けて、闇の奥底から、

千年の怨恨を抱いた『滅却師の王』が、

すでに牙を研ぎ始めていた──。




ってな訳でこれからも四番隊四席で活動する事にしました。


更木剣八とか毎日来そうですね。

次回、四番隊の仕事に復帰。
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