四番隊の一般隊士、実は卍解持ちの激強死神でした   作:獅子論

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死神代行消失してない編始まりました。


ここからオリジナルな感じになりますので。
嫌いになる方も多くなるかと思います。


ご自身の許す範囲でご覧下さい。


盤上の迷子、あるいは未知の風

「八神さん……!? なんであんたが現世にいるんだよ。四番隊の仕事は良いのか?」

 

 

一護が驚きつつも、いつものジト目で尋ねる。

 

 

 

「ひどいなぁ少年。

僕は今、正当な現世出張の手続きを終えて、

美味しいラーメン屋さんを探しに来ただけだよ?

……そしたらさ、僕の可愛い教え子に、随分と懐かしい

『死神代行証』を見せびらかしてナンパしてる

不審者を見つけちゃってね。」

 

 

 

 

星は白衣のポケットに手を突っ込んだまま、

退屈そうに銀城を見据えた。

 

 

 

「……誰だ、あんたは。」

 

 

 

 

銀城は引きつる顔をどうにか取り繕い、

一歩後ろに下がりながらクロスネックレスに手をかけた。

 

 

 

 

(死覇装に、四番隊の白衣……。ただの救護班の死神か? いや、だが……この妙に底が知れない気味の悪い気配は何だ……。)

 

 

 

 

 

銀城たち『XCUTION』の情報網は、

主に現世と一護の周囲に限られていた。

瀞霊廷の最深部で起きた藍染捕縛の「真の立役者」が、

目の前にいるだらしのない四席だとは、

銀城は露ほども知らなかったのだ。

 

 

 

 

 

「僕はただの通りすがりの四番隊員だよ、銀城くん。……でも、君たちが裏でこそこそ一護の力を狙って計画を立てていたのは、なんとなく風の噂で知っているよ。一護が力を失ってボロボロになったところを、甘い言葉で救うフリをして、その力を根こそぎ奪い取る……。なかなか悪量なシナリオを考えていたみたいだけど、残念だったね。この少年、見ての通りピンピンしてるから。」

 

 

 

「なっ……!?」

 

 

 

 一護が目を見張る。

 

 

 

「おい、銀城! あんた、俺の力を奪おうとしてたのか!?」

 

 

 

 

「チッ……!!」

 

 

 

 

 正体不明の四番隊員に計画の骨子を言い当てられた銀城は、激しい焦りから大剣(大羽織)を具現化させようとした。

交渉が決裂した以上、この気味の悪い死神ごと一護をここで消すしかない──。

 

 

 

 

──だが。

 

 

 

「動くなよ、迷子。僕の領域(現世)で、

あんまり勝手に暴れないでくれる?」

 

 

 

 

キィィィィィィン…………。

 

 

 

 

星が刀を抜く素振りすら見せず、

ただ指先を銀城に向けた瞬間。

 

 

 

 

路地裏の空間そのものが、一瞬で翡翠色の高密度な『風の檻』によってロックされた。銀城の完現術の光が、その圧倒的な風の質量によって、物理的にかき消されるようにして収束していく。

 

 

 

 

 

「が、はっ……!? 霊圧が、練れ、ない……ッ!? なんだ、この風は……ッ!!」

 

 

 

 

 

銀城はその場に膝をつき、呼吸を奪われてガタガタと震え出した。ただの四番隊員のはずの男が放つ、理解不能な理不尽な力。銀城の脳内に、計り知れない混乱と戦慄が駆け巡る。

 

 

 

 

 

「八神さん、待ってくれ!」

 

 

 

 

 

一護が慌てて二人の間に割って入った。

 

 

 

 

「一護? 邪魔するなら君も一緒に大人しくさせるよ?」

 

 

 

 

「違う!……いや、違わねぇけど、あんたが今ここでこいつを消しちまったら、俺は何も分からないままだ。……銀城。あんた、元・死神代行なんだろ。浮竹さんたちの……瀞霊廷の、何に絶望してそんな真似をしようとしたんだ。」

 

 

 

 

一護の瞳には、かつての迷いはなかった。

星との地獄の特訓を経て、圧倒的な力と精神の余裕を

手に入れた一護は、ただ敵を倒すのではなく、

同じ「死神代行」としての因縁を、

自分の力で受け止めようとしていた。

 

 

 

 

 星は、そんな一護の真っ直ぐな瞳をしばらく見つめていたが……やがて、ふぅ、と小さくため息をついて指先を下げた。

 

 

 

 

「……はぁ。本当に、お人好しだね、君は。

……分かったよ。僕はラーメンでも食べてるから、

あとは君の好きなようにしなよ、少年。」

 

 

 

 

星の気配がいつもの飄々としたサボり魔に戻り、

銀城を縛っていた風の重圧がスッと霧散する。

 

 

 

 

激しく咳き込みながら、「あの野郎、一体何者なんだ……」と星を睨みつける銀城。しかし星はすでに興味を失ったように近所のラーメン屋を探そうとしている。

 

 

 

一護は、引き上げた黒き霊圧を静かに右腕に纏わせ、

銀城に真っ直ぐに語りかけた。

 

「銀城。あんたたちの組織、案内してもらうぜ。

あんたたちの『絶望』、俺が力ずくで全部聞いてやる。」




星と一護と銀城の邂逅。

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