四番隊の一般隊士、実は卍解持ちの激強死神でした   作:獅子論

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継承の儀、あるいは重なる黒き装甲

「──おい、黒崎。手加減したら、

お前のそのデカすぎる器ごと、俺たちの力が暴走して消し飛ぶぞ。」

 

 

 

 

XCUTIONのアジトの空間が、雪緒の完現術『デジタル・ハザード』によって、現実から隔離された広大なデジタル空間のバトルフィールドへと変貌していた。

 

 

 

 

銀城空吾が大剣を構え、その背後にリルカ、ジャッキー、ギリコがそれぞれの完現術を完全に発動させて並び立つ。

彼らの瞳にあるのは、裏切りや憎しみではない。

自分たちを縛り続けてきたこの異質な力(呪い)を、

信頼する黒崎一護という男にすべて託し、

普通の「人間」に戻るための、魂を賭けた決死の覚悟だった。

 

 

 

 

「分かってんだろ、銀城。俺が手加減なんかするわけねぇ。」

 

 

 

対峙する一護は、すでに卍解──『天鎖斬月』状態。

 

 

 

断界の修行で限界まで引き上げられた黒き霊圧が、

一護の周囲の空間をパチパチと歪ませている。

 

 

 

 

「行くぞ、みんな!! 俺たちのすべての過去を、こいつに叩きつけるんだッッ!!」

 

 

 

 

銀城の号令とともに、

XCUTIONの全力の連携が一護へと襲いかかる。

 

 

 

ジャッキーの『ダーティ・ブーツ』が地殻を砕くキックを放ち、ギリコの『タイム・テルズ・ノー・ライズ』によって速度と威力を数倍に縛られたリルカの『ドールハウス』の砲撃が、全方位から一護の視界を埋め尽くす。そして中央からは、銀城の放つ、超巨大な完現術の斬撃が空間ごと一護を両断せんと迫る。

 

 

 

 

 

「──ッ、上等だッッ!!」

 

 

 

 

一護は逃げない。

それどころか、そのすべての猛攻を

真っ向から受け止めるべく、天鎖斬月を両手で構えた。

 

 

 

 

「全部、俺が引き受けるって言っただろぉがぁぁッッ!!!!」

 

 

 

 

 

ドガァァァァァァァァァァンッッッッ!!!!

 

 

 

 

デジタル空間そのものが崩壊しかけるほどの、

絶大なるエネルギーの激突。

 

 

 

 

銀城たちの完現術の光が、一護の黒き死神の霊圧と激しく混ざり合い、渦を巻く。

一護の圧倒的な「器」が、彼らの虚の力を、

自身の死神の力の上へと強引に、

かつ綺麗にレイヤリング(積層)していく。

 

 

 

 

光の渦の中心で、一護の『天鎖斬月』の姿が、

見たこともない漆黒の変貌を遂げていた。

 

 

 

 

本来の黒い死覇装の上から、首元、両腕、

そして斬魄刀の刀身に至るまで、完現術によって編み上げられた、スマートで強固な『漆黒のフルブリング装甲』が重なっていく。死神の力と完現術が完全に融合した、文字通り現世最強の新たなる卍解の誕生。

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁッッ!!」

 

 

 

 

一護が一振り。

 

 

 

 

 

ただの素振りの風圧だけで、

迫っていた銀城たちの完現術のエネルギーが、

霧が晴れるように一瞬で跡形もなく中和され、霧散した。

 

 

 

 

「……嘘、でしょ……?」

 

 

 

 

リルカが呆然と声を漏らす。

 

 

 

 

銀城たちの手元を見ると、彼らの完現術の武器や装飾が、

光の粒子となってハラハラと消えていく。

身体の中にあった「虚の力」が、

一護の融合卍解の圧力によって、ただの一つの傷も残さず、

綺麗に根こそぎ引き剥がされたのだ。

 

 

 

 

 

「……ハ、ハハ。本当に、とんでもねぇお人好しだ。」

 

 

 

 

 

銀城は、自分の手のひらを見つめ、

そこに何の霊圧も残っていないことを確認すると、

へたりと地面に座り込んだ。

その顔には、生まれて初めて見る、

肩の荷が下りたような晴れやかな笑顔があった。

 

 

 

 

 

「俺たちは……ただの、人間になれたんだな。」

 

 

 

 

 

「おう。お疲れさん、銀城。」

 

 

 

 

 

 

一護は融合した漆黒の装甲を解き、

いつものぶっきらぼうな笑顔で銀城に手を差し伸べた。

 

 

 

 

これ以上ない、完璧な救済の完了。

 

 

──だが、この感動的な光景を、

デジタル空間の「外」から冷徹に見つめる、

一筋の不穏な影があった。

 

 

 

「素晴らしいね。まさか本当に完現術の譲渡を成功させるなんて。……でも、少し困るんだよね。僕の計画が、

勝手に書き換えられてしまっては。」

 

 

 

デジタル空間が解除されたアジトの入り口に、一振りの刀を携えた男──月島秀九郎が、静かに佇んでいた。




雪男の譲渡どうしよ。
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