ナンジャモと!龍が如くの!何でも相談室!   作:洋菓子職人II

16 / 17
あくタイプ使いなのに本人は全然悪じゃないから好き


若きDJの悔恨と統率の真髄

「はいはーい! オルティガくんの誇り高きお悩み解決でコメント欄は涙腺崩壊中!それじゃあ、大吾さん、お次のメールにいっちゃうぞ~っ! ……おろ? ラジオネーム『ターンテーブルを回す悪党』くんからじゃんね」

 

 『堂島さん、ナンジャモさん、こんばんは。ボクはかつて、アカデミーで生徒会長を務めていた者です。

 当時、ボクは「いじめのない、より良い学校にしよう」という正義感から、非常に細かく厳しい校則を作りました。

 しかし、これが他の生徒たちから「厳しすぎる」「息が詰まる」と大猛反発を受けてしまったんです。周囲から激しいブーイングを浴び、結局、責任をとって生徒会長を辞任せざるを得なくなりました。

 良かれと思って必死に行動した結果がこれで、当時は周囲の誰も信じられなくなり、学校内で完全に孤立してしまいました。

 今はスター団の仲間たちに出会い、全体のまとめ役や、BGM・作曲担当の「DJ悪事」という名義で活動できるようになって、ようやく前を向けるようにはなったのですが……。

 あの時、ボクはどうすれば他の生徒の反発を受けずに、いじめを無くすのは高望みだとしても、減らすことができたと思いますか?

 ぜひ、数万人の巨大組織を率いる堂島さんの意見を聴かせてください』

 

 「……うぅ、これ、スター団の良心にして音楽の天才、ピーニャくんだ……。よかれと思ってやった正義の校則が、全員を苦しめちゃったの、ずっと心の傷になってたんだね……」

 

 お便りを一字一句、噛み締めるように聞き終え、静かにルカリオの頭に手を置く。大吾の表情は、まるで過去の自分自身の失敗を目の当たりにしたかのように、かつてないほど真剣で、深い共感に満ちている

 

 「……DJ悪事こと、ピーニャくん。まずは、その若さで『いじめのない、誰もが安心して過ごせる場所を作ろう』と真っ直ぐな正義感を抱き、孤独に戦ったあなたの志に、深く敬意を表します。

 ……ですが、組織のトップを預かる者として、あえて厳しい現実を言わせてください。あなたの失敗の原因は、あなたの正義が『あまりにも純粋すぎた』ことです。

 人間、誰しも汚れのない綺麗な正義を突きつけられると、かえって息が詰まり、反発したくなるものなのですよ」

 

 「う……! 純粋すぎる正義が、逆にみんなを苦しめちゃったってこと……?」

 

 「ええ。実は、東城会の歴史でも全く同じことがありました。

 かつて東城会が混乱していた時期、生真面目で正義感の強い幹部たちが、組織を正そうと厳しい規律や理詰めの正論で締め付けようとした。結果、どうなったか……。

 下の下っ端から直系組長に至るまで、不満が爆発して謀反や裏切りが相次ぎ、組織はより激しく崩壊へと向かいました。

 厳しいルール、校則で人間の行動をガチガチに縛っても、人の心の中にある悪意やいじめの根っこは消せません。

 むしろ、ルールで縛れば縛るほど、悪意は目に見えない『裏の陰湿な形』へと形を変えて、より深く実っていくだけです」

 

 「じゃあ……! あの時のピーニャくんは、一体どうすればよかったの……?」

 

 「ルールを増やすのではなく、『本音で語り合える横の繋がり』を作るべきでしたね。

 いじめを減らすために本当に必要なのは、厳罰を与える規則ではなく、いじめを見過ごさない『空気』を組織の中に育てることです。

 まずは生徒たちの不満や息苦しさに耳を傾け、彼らと同じ目線に立って、『どうすれば過ごしやすくなるか』を一緒に考える心の余裕が必要だった。

 ですが、当時のあなたは一人で正義の重圧を背負い込み、周囲をコントロールしようと焦ってしまった…。

 結果、周囲の誰も信じられなくなり、孤立してしまった…その時の恐怖と孤独、本当に辛かったでしょうね」

 

 『大吾さんの言葉が重すぎて五臓六腑に染みる』『極道のトップが言うと説得力が文字通り桁違いだ……』『ピーニャ、DJとして音楽で人を繋げられてる今、大正解なんだな』『ルカリオが心配そうに大吾さんを見つめてるの優しい』

 

 「しかし、ピーニャくん。あなたは生徒会長を辞任し、一度すべてを失った。そこからスター団という泥臭くも温かい仲間に出会い、今は『DJ悪事』として、彼らを影から支える見事なまとめ役をやっている。

 ……今のあなたなら、もう分かっているはずですよ。

 音楽、BGMには厳しいルールなんかなくても、聴く人の心を一つにし、孤独な人間の心を救う力がある!

 きみが今、スター団の居心地の良さを音楽で作り出せていることこそが、あの時の失敗から学び、あなたが何倍も大きな『真のリーダー』に進化を遂げた証拠ですよ。胸を張っていきなさい」




でもイジメられる原因が物凄く分かりやすいんだよね…
公式さえ覚えればいいのに、なんでそれが分からない。
なんて言えばまぁ…嫌われるか…と思う。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。