ナンジャモと!龍が如くの!何でも相談室!   作:洋菓子職人II

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こんな幸せがあっても良いですよね…
桐生ちゃん、ずっと頑張ってきたんですから…


伝説の兄弟分!

「おはこんハロチャオ~!あなたの目玉をエレキネット!ドンナモンジャTVの時間だぞ~っ!神室町の漢たちがカチこんできてパルデア全土を爆笑と涙の海に沈めた、あの伝説の電撃コラボシリーズ……なんと本日!記念すべき第5弾として、記念すべき最初のゲスト、あの『伝説の龍』がスタジオに戻ってきてくれましたじゃじゃじゃーーーん!!」

 

「……桐生だ。ナンジャモさん、数カ月ぶりだな。……ん? なんだか今日のあんたは、いつも以上に落ち着きがないというか、ニヤニヤしているな。……俺の顔に、何かたこ焼きのソースでもついているか?」

 

 「あはは! なんでもない、なんでもないじゃんね~!たださ、今日のドンナモンジャTVは、1ヶ月ぶりに来てくれた桐生ちゃんに、ボクから『最高にエレキトリカルな特大サプライズ』を用意したのよ!……それじゃあ、カメラの向こうのみなのもの、そして桐生ちゃん、心の準備はいい?本日の本当の超、超、超ビッグゲスト……お入りくださーーーい!!!」

 

 「サプライズ……? 誰だ、真島のアニキか、それとも大吾か……

 

 「……よぉ、桐生。随分と遠いところまで遠征に来てんじゃねえか。……待たせたな」

 

 「……に、錦……? 嘘だろ……俺は、幻覚でも見ているのか……? お前は、あの100億の事件の夜に、ミレニアムタワーの爆発とともに、確かに……!」

 

 『うわあああああああああ!!!! 錦山彰キターーー!!!』『え!? 生きてたの!? 1作目のラストで死んだはずじゃ……!!』『桐生ちゃんの目がガチで泳いでるwww』『涙が……涙が最初から止まらないんじゃが……』『全龍が如くユーザーが絶叫した瞬間』

 

 「幻覚じゃねえよ、一馬。本物の錦山彰だ。ミレニアムタワーで死にかけたのは本当だがな、九死に一生を得て、これまで色んな事情があって潜伏してたんだよ。

 ……おい、一馬。お前、俺が本当に死んだと思って、勝手に一人で感傷に浸ってんじゃねえぞ。

 あの日……お前が俺の車に乗って行ったせいで俺は歩いて下山する羽目になったの忘れたか?

 全てが終わった後、車のなかで柏木さんのトラウマを思い出して一緒に絶叫しただろ?」

 

 「……あぁ。あの時、俺はお前を置いて、車でさっさと下山した……。俺は真夜中の山道を進む中、結構奥にお前を置いてきちまったことを思い出して…空気が一瞬抜けたこともあった…。錦……お前、本当に……本当に、生きてたんだな……!!」

 

 「……なんてな…さっきから『九死に一生を得て潜伏してた』なんて勝手に生きてる設定にしてるが……実はそうじゃねえんだ」

 

 「あ、あぁ? どういうことだ、錦。お前は今、目の前に、生身の肉体を持って立っているじゃないか」

 

 「これまでは、ただの『幽霊』として、向こうからお前たちの修羅場を静かに観察することしか出来なかったんだ。

 あの夜、俺の命は確かにあそこで終わったからな。だけどな……このパルデアの世界と、俺たちの世界が不思議に混ざり合ったことによって、ゴーストタイプのエネルギーだか何だか知らねえが、こうして実体として、桐生、お前の前に姿を現すことが出来るようになったんだよ」

 

「えええっ!? 奇跡の生存じゃなくて、パルデアの不思議なパワーでゴーストの魂が一時的に『実体化』したってこと!? さすがゴーストタイプのジムがある地方、世界のバグり方がアヴァンギャルドじゃんね!」

 

 『ゴーストタイプの実体化!?!?』『でも生きてるか死んでるかなんて関係ねえ、二人が会えたことが奇跡なんだ!』『幽霊としてずっと桐生ちゃんを見守ってたの、切なすぎるだろ……』『パルデアの世界線、本当に神すぎるな』

 

 「幽霊……。そうだったのか……。だが、たとえ幻や一時的な実体だろうと構わない。お前のその手の温もりは、間違いなく俺の兄弟分の、錦のままだ。……ずっと、俺を見ていてくれたんだな」

 

 「あぁ、ずっと見てたさ。お前がハラバリーに抱きついて感電したり、真島のアニキが足つぼで死にそうになってるのも全部な。……あ、ちなみに桐生。数カ月前に大吾の野郎がゲストに来た時、お前がアサガオの子供たちのために冷や汗を流しながら不器用にカレーを作ってたっていう恥ずかしい笑い話を暴露しただろ?」

 

 「……!そうか…そういうことか…大吾は俺の最も信頼している相手って言ってたが…まさか…」

 

 「ハハハ! そのまさかだよ!あの世から大吾の枕元に立ってな、『一馬はドスには怯えないが、子供のカレーのジャガイモ相手に滝のような冷や汗を流す男だ。あいつに親の不器用さを教えてやれ』って、俺が直々に教えてやったんだよ! 役に立っただろ?」

 

 「大吾さんのあの神アドバイスの黒幕、錦山さんだったーーーーー!!!幽霊になってまで桐生ちゃんの恥ずかしいカレー話を仕入れて、東城会の六代目にスピリチュアルな通信で伝授してるとか、過保護な兄弟分がすぎるじゃんね!!」

 

 『大吾のカレー話の仕入れ先、まさかの枕元のお告げwwwww』『錦山さん、あの世でも桐生ちゃん大好きじゃん(笑)』『全てが綺麗に繋がって伏線回収された!!』『同接がついに前人未到の【520万人】を突破!!! ドンナモンジャTV世界一じゃんね!』

 

 「……お前という奴は、あの世に行ってまで俺のプライベートを大吾に暴露していたのか。だが……おかげであの時、ナンジャモさんの未来の悩みを救うことができた。……ありがとな、錦」

 

 「お前が笑顔になれたなら、俺が霊界から暴露した甲斐もあったって訳だ。さあ、ナンジャモちゃん! 同接も500万を超えて最高の祭り状態だ!幽霊の俺でも、一馬の隣にいる間は無敵だからな! パルデアの若い衆たちの悩み、俺たち『伝説の兄弟分』が真っ正面から白黒つけてやるから、次のお便り持ってきな!」

 

 「…ううん……大吾さんのカレー話の黒幕が錦山さんだったなんて、全ての伏線が回収されてボクちゃん涙がとまらないじゃんね…!みんな! 二人にはきっと、ボクたちには分からない10年分以上の『積もる話』があるはず! ボクは少しマイクを外して、裏でハラバリーにオレンのみでもあげて見守るから、二人の熱い空間を楽しんでね★」

 

 『ナンジャモ氏、空気読みの天才かよ』『二人の時間を作ってくれてありがとう』『同接530万人突破……! 全パルデアの夜が息を呑んでる』

 

 「…ありがとな…ナンジャモさん。…錦、お前に見せたい『相棒』がいるんだ」

 

 桐生が腰のモンスターボールを静かに投げると、スタジオの裏口から、ネオン輝くハッコウシティの夜空へ向かって、雄叫びを上げながら巨大なギャラドスが姿を現した。その威圧感は凄まじいですが、桐生の横に並ぶと、どこか信頼しきった様子でどっしりと構えている

 

 「へぇ……。これが前の配信で真島のアニキが言ってた、お前の相棒のギャラドスか。おい、一馬。お前、こいつを『コイキング』の時に捕まえたんだろ? ……もしかして、俺の背中にある『登竜門の鯉』の刺青でも思い出して、他人の気がしなくて捕まえたのか?」

 

 「……いや、違う。あいつらが滝を登って龍になるのを夢見ているのは知っているが、勝手な人間の都合で、あいつらを必死に生きている群れから引き離すわけにはいかないからな。俺から無理に捕まえにいったわけじゃない」

 

 「あ? だったらなんで、そんな凶暴そうなギャラドスが、お前の隣で大人しく相棒面してここにいるんだよ?」

 

 「こいつはな……海が荒れ狂う嵐の夜に、一人で傷だらけになりながら、それでも世界を睨みつけて牙を剥いていたんだ。

 その目を見た瞬間、俺は……昔の、神室町の闇の中で、何の後ろ盾もなく二人だけで牙を剥いて突っ走っていた、俺とお前の若い頃の目と同じだと気づいた。

 だから俺は、こいつの覚悟を真っ正面から受け止めたんだ。力でねじ伏せるのではなく、お前の孤独は俺が背負う、とな。……そうして、こいつは俺の旅の相棒になってくれたんだ」

 

 「…クハッ……。相変わらずお前は、どこまでも『桐生一馬』だな。不器用で、お人好しで、傷ついた奴を放っておけねえ男だ。こいつもお前のその『背中の龍』に惚れ込んだんだな」

 

 『鯉の刺青じゃなくて、二人の若い頃の目……(号泣)』『桐生ちゃんがギャラドスを相棒にした理由が格好良すぎる』『ギャラドス、嬉しそうに桐生ちゃんに頭を寄せてるぞ』

 

 「ああ。……ところで、錦。お前はパルデアに来てから、ポケモンは捕まえていないのか? お前なら、どんなポケモンを相棒にするのか気になるが……」

 

 「…いや、俺はもう死んでる身だからな。この世界のポケモンを捕まえて、あいつらの未来を縛る権利なんて俺にはねえよ。……だけどな、桐生。俺が捕まえたポケモンはいないが、この世界で、俺をここまで『導いてくれたポケモン』ならいるんだ」

 

 桐生:「導いてくれたポケモン……? 一体、どんなポケモンだ」

 

 スタジオの窓の外、満月が輝く夜空を見上げながら、静かにその名を口にする…

 

 「……『ルナアーラ』っていう、大きな美しい月の翼を持ったポケモンだ。このパルデアの世界と俺たちの世界が混ざり合った時、そのルナアーラが、『役割を終えた魂を、現世のふさわしい場所へと導く存在』として、あの世にいた俺の魂を、お前がいるこのスタジオまで運んで実体化させてくれたんだよ。……桐生、お前に、もう一度だけ会わせるために、な」

 

 ナンジャモは裏でマイクを握りしめ、涙をボロボロこぼしながら声を殺して泣いていた…

 

 「ルナアーラ……月の使者、か。……錦、じゃあお前は、これからずっと俺のそばに……」

 

 「いや。この配信が終われば、ルナアーラの導きの力も切れる。……俺はまた、お前の目には見えなくなる。 元の、ただの幽霊に戻るんだよ」

 

 「……そうか。この配信の終わりが、お前との本当の、最後の別れの時間になるんだな」

 

 「別れじゃねえって言っただろ、桐生。見えなくなるだけで、俺はこれからもずっと、向こうから…あの世から、お前の生き様を、お前がアサガオの子供たちのために冷や汗流してカレーを作る姿を、ずっと見守り続けてるんだからな。

 だから、一馬……泣くな。最期まで、俺たちの『最高に格好いい、最高の兄弟分の時間』を、笑顔で世界中に配信してやろうじゃねえか!」

 

 「……あぁ。お前の言う通りだ、錦。最後まで、俺たちの(ケジメ)を通そう」

 

 『ルナアーラ……魂を導く伝説のポケモン……!!』『配信が終わったらまた見えなくなるなんて切なすぎる(大号泣)』『二人の覚悟の笑顔が、世界で一番美しくて格好いい』『ハッコウシティの夜空に、本当に大きな月とルナアーラの影が見える気がする……』『同接はついに【540万人】を突破……! 誰もがこの奇跡の瞬間の終わりを拒んでいる』

 

 「さあ!ナンジャモさん、今度こそパルデアの若い衆たちの悩み、俺たち『伝説の兄弟分』が真っ正面から白黒つけてやるから、お便り持ってきな!ビシッ解決してやるぜ!」




感動の再会といえばあの人に任せます。
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