英雄伝説・光の剣神 作:光の剣神
単刀直入に今目の前で起きた事を言おう。エル・プラドーに乗り魔煌兵に挑んだのだがまさかの一撃で消滅。あまりにもあっけなく終わってしまい驚きを隠せない。これなら生身でも十分倒せたぞ。騎神に乗っての初戦闘だったから出来る限り乗り慣らして置きたかったのだが……まぁいい。あまり被害も出なかったからな。
「降りるぞエル・プラドー」
『承知。素晴らしい剣だった』
「ありがとう」
エル・プラドーに褒められながら操縦席を降りる。魔煌兵を倒したのでオスギリアス盆地を纏っていた異様な気配が消え霊脈も安定。どうやら当たりの様だ。
「お疲れヴィクト。いやぁ見事な一撃だったね。もしかして生身でも行けたとか?」
「恐らく問題なかったかと。3人で連携すればエル・プラドーの力を借りずに済んだかもしれません」
「まぁ、次からは気を付けよう。ひとまず安心ーーー」
と言いかけた時だった。何処からともなく聞き覚えのある声が脳内に響き渡ったのは。
『何が安心じゃぁぁ!!!魔煌兵が起動している時点で大問題に決まっているじゃろうがぁぁぁ!!!』
「「「!!!」」」
頭が割れそうになるほど大きいローゼリアの怒鳴り声。どうやら相当お怒りの様だ。彼女は俺達の目の前に姿を現すと米神に青筋を立てなかが詰め寄ってくる。
「どういう状況じゃ?どうしてエル・プラドーがいる?というか魔煌兵如きおヌシ1人で事足りるじゃろう」
「おいおい。そんなに一気に聞くな。最初から説明する」
この場であった事を一通り説明。ローゼリアは聞き終えると最初にレイヤに説教。後にルーチェにも軽く雷を落とし俺も少し怒られる。俺もレイヤもこの年で説教されるとは……今回ばかりは俺も悪いしな。
「して。どうしてこうなる前に妾に言わない?」
「俺達で大丈夫だと判断したから」
「……結果は?」
「……魔煌兵の力を甘く見て不要な力を奮ったな」
「その割にが一撃だったようじゃが?」
「まぁ……意外と脆かったからな」
いい意味で甘く見ていたかもしれない。最初の霊圧で怯みさえしなければ3人の力で乗り越えられただろう。
「まぁ良いわ。3人が無事だったことを確認できたし。次からは気を付けるのじゃぞ」
「了解。ついでに色々頼まれてくれるか?」
「指輪と剣じゃな。剣の方は暗黒時代の遺物じゃからヌシが持っておけ。指輪の方は調べておく」
それは助かるな。しかし暗黒時代の遺物か。あの大剣は中々の代物。いつか弟子を取った時に託すとしよう。そうだ。せっかくローゼリア態々出向いた事だし、今日はここで野宿する予定だがら誘ってみるか。
「ローゼリア。今日はここで野宿する予定だがどうする?久しぶりにレイに会ったから話ぐらいあるだろう?」
「まぁ色々あるが……ってここで野宿か?」
「ん?この後何も起きないか調べる為だが?念の為エル・プラドーに結界を張って貰って誰にも入れないようにする」
「いや……まぁ良い。何かあっても対処できるじゃろ。折角だから妾も付き合う」
それじゃあ準備するか。背後にいるレイヤは嫌な顔をしているが既に日は沈んでいる。今からミルサンテに戻るのもあれだし、この後何も起きないか確認する必要もある。お化けの類が出ても大丈夫だろう。
「よし。レイは火を焚いて。俺とルーチェで晩食を作ろう」
「了解です。お母さんはどうします?」
「ふむ。妾は指輪について調べる。ちと付き合えヴィクトリア」
「分かった……と言いたいが、この指輪外れない」
「「「え……?」」」
3人は『嘘だろ?』と言わんばかりの視線を向けてくる。実はローゼリアが来た時に外そうと試みている。しかし外れなかった。ローゼリアは再び青筋を立てながら近づいてきて右腕を掴む。
「ルーチェよ。晩食が出来たら呼んでくれ」
「は、はい。その優しくお願いしますね」
「それはこやつ次第じゃな。ほれ行くぞ」
「……おぅ」
素直に引っ張られルーチェ達とは少し離れた場所に行く。近くにあった石に座らされ、右手に嵌めてある指輪に触れる。魔力を流したり、擦ったり、色々と調べたりするが何も反応が無かった。
「反応なしだな」
「そうじゃの。じゃが何かあったらすぐに言え。強引にでも引き抜く」
「了解だ。それと……迷惑かけたな」
「今更じゃ。それに妾も色々と苦労を掛けている。だから気にするな」
「そうだな……っと。良い匂いだ。そろそろ戻ろうか」
「うむ。久しぶりに楽しむとしようか」
ローゼリアと共にルーチェ達の元へと戻るのであった。
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焚火を囲って晩食を済ませた後。俺はぐっすり眠ったルーチェを膝に乗せて火の番をしていた。他の2人……レイヤとローゼリアはお酒を飲み騒いだ後プツリと切れ爆睡。ルーチェがとても呆れていたが……今日は完徹だな。1人寂しいが背後にいるエル・プラドーが起きているのでまだましだ。
「済まないな付き合わせて」
『気にするな。あれだけ騒げば仕方なかろう。それにそなたと魔煌兵との戦いを復習したいと思っていたからな』
「復習って……何かあったか?」
『うむ。そなたの異能が少し目覚め我と同調した。あの光はその証。加えて我を蝕んでいた
「……呪い?」
呪いとはなんだ?聞いたことないぞ。それにエル・プラドーが呪われている事を始めて聞いた。それに呪われている感じも無かった。聞くべきか悩むが今まで黙っていたという事は知らなかったのか?今は置いておこう。
「で……あの光がまずいのか?」
『案ずるがいい。むしろ力となる。問題はまだ目覚めたばかりで開花した時にどう扱うかだ』
「それは一緒に考えよう。その目覚めた異能を自在に引き出せないといけないし」
『そうだな。その指輪も含めて我も考えよう』
指輪か……結局ローゼリアでも分からなかったし……でも騎神なら分かる可能性が出て来るか。期待し過ぎないようにしよう。
「ん……お父さん?」
「おっと……起こしたか」
ルーチェが起きる。少し声が大きかったかもしれないな。優しく頭を撫でると、ルーチェは嬉しそうに微笑みながら瞼を閉じ眠りにつく。
(やれやれ。ここまで懐かれるとはな。レグラムに帰りにくい)
リアンヌやシオンなら察してくれるだろうが親父は怖い。この年で6歳の娘がいるとなると……あぁ、あまり考えないようにしよう。
「でもそろそろ戻らないとな……銀の騎神も見てみたいし」
『ふむ。銀が目覚めているのか。我も起動者に会ってみたいものだな』
「……じゃあ帰るか。流石に君は里だけど」
『心配いらぬ。そなたとつながっている以上は共有出来る』
「それ初耳だけど?」
それってこの半年の事も知っているんだよな?レイヤが余計な事に首を突っ込んだ事や、山中で魔獣の群れと鬼ごっこした事とか。恥ずかしいのだが……エル・プラドーは全部知っているのか。
「今更だよな。一緒に旅をする以上は隠し事出来ないし」
『そなたが隠し事などあり得ぬだろう。レイヤもルーチェもだが』
「そうだな。さて……俺も休むよ。レイとローゼリアを起こして置いてくれ」
『承知。ゆっくりと休むといい』
エル・プラドーに後を頼み、薪を足してから眠りにつくのであった。
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次の日の朝。夜が明けると同時に起き、結局起きる事の無かったレイヤとローゼリアを叩き起こす。2人に不満そうな視線を向けられるが、2人より早くに起きていたルーチェが雷を落とす。久しぶりに見た光景だな。この事についてはいつもの事なので置いておこう。
俺達は片づけを済ませ次の目的地を決めようとしていた。元より宛ての無い旅だが目的はある。起動者になる前は剣を極める旅だったが、帝国を巡り少しずつ変化していくのを見てその原因を突き止めようと思った。その為には様々な人と繋がりを持つ必要がある。その為の人助け。俺が好きなのもあるが……。それは置いて置き。
オスギリアス盆地に来たのもローゼリアから聞いたから。その結果魔煌兵が出現。他の場所もあり得るならば向かわないといけない。だが今は異変が起きている場所はないらしい。そうなると暫くブラブラしないといけないのだが……。
「レグラムに帰るのは嫌だなぁ……」
「何かあるのですか?」
「ふふっ!修羅場だよね?おじ様がルーチェの事を聞いたらどう思うのかな?」
「修羅場とは?」
「ルーチェはまだ知る必要はない。知らないでくれ」
余計な知識をつけて悪い子に育って貰う訳にはいかない。ルーチェは真面目なのでレイヤが余計な事を教えても問題ないと思うが……父親としては非常に困る。
「どのみち戻らないという選択肢はない。出来る限り遠回りし帰ろう。言い訳は考える」
「大丈夫。ボクも協力するから」
「(それが一番怖いのだが……言わないでおこう)期待しないでおこう。ローゼリアは里に帰るのか?」
「うん。エル・プラドーと戻る。指輪を調べておく。近い内に顔を出せ。定期的に見ておかんと心配じゃからの」
「分かった。元気でな」
「必ず顔を出します。お体に気を付けて下さいお母さん」
ルーチェはローゼリアに抱きつき、ローゼリアは優しく受け止め頭を撫でる。それからローゼリアは里に帰って行き俺達もレグラムへと向かうに出会った。