帰還者、玄界の生活を満喫するってよ   作:ユンケ

13 / 13
第13話 帰還者、基地に帰還する

 

 

「……ん?降ってきたか?」

 

ハルちゃんと抱き合っていると鼻に水がぶつかった。周りを見ればベンチも濡れ始めている。

 

「ハルちゃん。一旦離してくれ。雨が降ってきたし基地に帰る」

 

袋に入っているとはいえ、ゲームが濡れるのは嫌だからな。

 

「あ、うん」

 

ハルちゃんが離れたので俺は絶牙を抜いて、ボーダーの屋上との距離を斬る。

 

同時に基地の屋上に着地して、出入口のドアとの距離を斬ってドアの前に立つ。

 

「実際に瞬間移動したけど、本当に凄いね。開けるからちょっと待って」

 

ハルちゃんはパネルに手を当てる。するとドアが開いたので中に入る。

 

「今日はわざわざ付き合ってくれてありがとな」

 

「私も楽しかったから気にしなくて良いよ。ナオ君はこれからどうするの?」

 

「この雨じゃ外出は出来ないし、ドラクエをやるつもりだ?あ、その前にボーダーのトリガーの勉強って出来るか?複数のトリガーを使って状況に応じて戦う事は知っているが、詳しい性能とかは知らないからな」

 

「もちろん出来るけど、私で良かったら教えるよ?」

 

「じゃあ頼むわ」

 

ハルちゃんならわかりやすく教えてくれるだろう。小学校に通っていたころよく勉強を教えて貰っていたからな。

 

俺とハルちゃんは部屋に戻って俺が椅子に座るとハルちゃんがモニターを操作すると、3種類の剣が表示される。

 

「じゃあまずは刃トリガーから紹介するね」

 

そう前置きしてハルちゃんは説明を始める。それによればブレードトリガーは……

 

脆いが、軽くて身体のどこからでも出し入れ可能で変形出来るスコーピオン

 

変形出来ないし、それなりに重いが、斬れ味と強度が高いレベルの弧月

 

重いし斬れ味が若干劣るが、変形出来るしシールドモード存在するレイガスト

 

この3種類だが……

 

「俺はレイガストとスコーピオンで行くか」

 

「レイガストとスコーピオン?初めて見る組み合わせだね?何で?」

 

「さっきタチカワとやりあった際はコゲツを使ったけど、絶牙に比べたら若干軽かったからな。レイガストの形を絶牙に合わせて、スコーピオンをサポートとして使う」

 

まあレイガストの重さが予想よりも重かったならば考え直すけどな。

 

「なるほどね。じゃあ次に弾丸トリガーの話に移るよ」

 

次にハルちゃんが紹介したのは弾トリガーだ。

 

特殊な効果はないが威力の高いアステロイド

 

着弾した瞬間に爆発するメテオラ

 

弾道を自在に決めれるバイパー

 

追尾性能を持ったハウンド

 

この4種類についてだが、俺としては……

 

「俺、トリオン操作能力はあまり高くないからなぁ……無し、使う場合はハウンドだな」

 

奴隷になった直後にトリガーのテストをさせられたが、遠距離攻撃の適性が低かったから、最前線で戦うように命じられたし。

 

少なくともバイパーは絶対に無理だ。弾道を設定しようとしている最中に隙を晒してしまうのがオチ。仮に設定出来ても焦って制御を失って、変な方向に飛ばしてしまうだろう。

 

「ハウンドはハウンドで難しいよ。追尾するタイミングの設定とか追尾性能の強弱の設定とかもあるからね」

 

マジか。シーザーの持つ「枝の神」みたいに自動でどこまでも追尾するとかじゃないのか。まあアレは黒トリガーだけど。

 

しかしそんなに設定があるならば一回使って、実戦で使えるか試す必要もあるな。

 

「まあそれは試してみる。これでトリガーは全部か?」

 

「ううん。他にも狙撃トリガーとオプショントリガーがあるね」

 

「じゃあオプショントリガーの説明を頼む。狙撃は素質無しだ」

 

何回か練習したが、100メートルくらい離れてる的にも余り当たらないし、適性はないだろう。

 

「オッケー。じゃあまずはシールドから話すね」

 

ハルちゃんはそう前置きして説明を始める。

 

レイガスト専用でトリオンの噴出を可能にしたスラスター

 

弧月専用で起動中は刀身を伸ばせる旋空

 

サイズ調整が可能で虚空に召喚できるシールド

 

地面や壁から強固な盾をせり出すエスクード

 

使用中はトリオンを消費して探知に引っかからないようにするバッグワーム

 

使用中は他のトリガーを使えないが透明になれるカメレオン

 

弧月専用で刀身の形を変える幻踊

 

踏むと思い切り飛べるジャンプ台を展開するグラスホッパー

 

少量のトリオンでワイヤーを射出するスパイダー

 

弾丸トリガーと併用して使い、敵に重しを撃ち込める鉛弾

 

他にもまだまだあるが、名前と効果は理解した。

 

思ったよりも敵を崩す手段があるし、悪くないな。

 

そう思いながらも俺は記録を見直して自分にとって理想的なトリガー構成を考えていく。

 

「ありがとう。トリガー構成希望は決まったし、明日開発室で話してみるわ」

 

「役に立ったなら良かったよ。これからドラクエ?」

 

「その予定だが、見るのが退屈なら上がっても良いぞ?」

 

「ううん。ナオ君の横で見てる」

 

ハルちゃんが了承したので早速起動する。

 

「ああ、この音楽、懐かしいな」

 

「ドラクエをやってなくても知ってる人は多いよね。そういえばナオ君はドラクエ5はどこまでやったの?」

 

「結婚する直前だな。だから全然進んでなかった」

 

まあウチの母親は長時間ゲームをするのを認めない人間だったからな。他の家の友だちよりあらゆるゲームで遅れていたのが当たり前だった。

 

そう思いながらもハルちゃんと話しながらゲームを進め、レヌール城を攻略を済ませて、ビアンカと別れてサンタローズに帰ろうとする。

 

「今思えばこの主人公とビアンカって、俺とハルちゃんの関係に似てないか?」

 

やっているうちに思い出したが、この後主人は悪役に拉致されて奴隷となり、10年間働かされた後にビアンカと再会する。

 

で、俺はディボロの連中に拉致されて奴隷となり、8年ぶりにハルちゃんと再開したからな。

 

「そ、そうだね。言われてみれば似てるよねっ」

 

俺がそう口にするとハルちゃんは若干気恥ずかしそうに返してくるが、若干顔が赤い。

 

「おいハルちゃん。顔が赤いが大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫だよっ、心配しないでっ」

 

そう口にするが焦っている。ハルちゃんって強がりだし体調不良を我慢しているのか?

 

「本当か?熱測るぞ」

 

俺は自分の額をハルちゃんの額に当ててみる。するとほんのりと温かいが……ん?徐々に熱が上がってきてるぞ。

 

距離を取ってハルちゃんを見ればさっきより真っ赤になっている。

 

「……大胆になってるよ。ナオ君の意地悪……」

 

ハルちゃんはそう言いながらもよろめいてベッドの上に尻もちをついてしまっている。

 

(俺は今、なにかしらの地雷を踏んでしまったのだろうか?)

 

俺は不思議な動きをするハルちゃんに疑問を抱いてしまうのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

「縁」を視る近界民、ボーダー隊員になる(作者:白豆男爵)(原作:ワールドトリガー)

人と人との「縁」が見えるサイドエフェクトを持つ近界民、リーヴ。▼玄界を偵察しに来た彼は、ひょんなことからボーダーと協力関係を築くことになる。▼これは、彼が玄界で居場所を見つける物語。


総合評価:181/評価:6/連載:22話/更新日時:2026年07月08日(水) 15:27 小説情報

「誰が座敷わらしか、俺はただの人間だよ!」全員「んなわけあるかッ!!」(作者:ティファールは邪道)(原作:ワールドトリガー)

『第一次大規模侵攻』と呼ばれることになる事件。▼東三門が壊滅し、異世界からの侵略者『近界民(ネイバー)』の存在が公になったことで、界境防衛機関『ボーダー』が表舞台へと立つきっかけとなった未曾有の災厄。▼その激闘の裏で、生還した市民たちの間で、まことしやかに囁かれている奇妙な都市伝説(噂)があった。


総合評価:204/評価:6.33/連載:3話/更新日時:2026年06月15日(月) 23:17 小説情報

那須玲に負い目のあるワイ。ヤンデレ彼女にハーレムバイパーを食らわされる(作者:遅効性すぎてオリキャラひとつがBE)(原作:ワールドトリガー)

「カナくんを二度と逃がさないために責任のおっきな状態にしておくね?」▼病弱ダブルバイパー娘、那須玲の目的▼「たすけてくださいクマさん」▼ワイ、日比谷要人の泣き言▼「無理」▼達観した巻き込まれ聖人クマちゃんさん様の一言▼知り合いワ民のオリキャラ、いわゆるよその子が出てきます。▼許可もとり、色々好き放題しております。ご了承お願いします。▼↓R18版もあるよ▼ht…


総合評価:1684/評価:8.07/連載:19話/更新日時:2026年07月13日(月) 08:30 小説情報

唯我尊に転生?上等だコラァ!ブラック企業で鍛えられた忍耐力を武器にマトモな唯我尊になってやらぁっ!(作者:ユンケ)(原作:ワールドトリガー)

気が付いたら蹴りを食らっていた。▼何事かと思えば目の前に漫画のキャラクターがいた。▼そして理解する。自分は好きな漫画の世界に転生したのだと。▼しかし転生したキャラは作中最弱候補の1人のキャラクター。▼その事実を知って絶望した主人公だったが、折角好きた漫画の世界に来た以上、弱いままでいる気はなかった。▼これは雑魚キャラに転生した男がブラック企業で鍛えられた忍耐…


総合評価:9397/評価:7.54/連載:162話/更新日時:2026年06月22日(月) 00:00 小説情報

五条悟になってワンピース世界に転生したけど、エースだけは絶対に死なせない(作者:熊々)(原作:ONE PIECE)

前世は救命医、現世は無下限呪術持ち。レイリーに拾われた俺の目標はただ一つ——マリンフォード戦争でエースを救うこと。原作改変×俺TUEEE×ハーレムの全部乗せ転生IF。


総合評価:851/評価:5.92/連載:28話/更新日時:2026年05月02日(土) 15:40 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>