帰還者、玄界の生活を満喫するってよ   作:ユンケ

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第9話 帰還者、起きる

 

 

「んっ……」

 

目を覚ますと知らない天井だった。周りを見ると可愛らしい柄の布団が被せられていた。

 

身体を起こすと銃声が聞こえてくるのでベッドから降りて音のする方向に向かうと……

 

「おー、起きたのかね」

 

ユウちゃんがゲームをしながら挨拶をしてくる。蟹の形をした時計を見れば朝の7時だった。

 

「おはようユウちゃん。どうやら寝落ちしたみたいだが運び込んで貰って悪かったな」

 

「トリオン体だし、全然問題ないよ〜。まずは朝ごはんを食べてきたよ。確か昨日、朝の分も買ったんだよね?」

 

「ああ。部屋にある」

 

「じゃあ食べておいで。それが終わったらナオ君が呼び出されるまでポケモンをやろうじゃないか」

 

「了解。楽しみにしてる」

 

俺はユウちゃんに頷いてから部屋を出ようとした時だった。その前に扉が開いて金髪の男子が入ってくる。

 

「あれ?お前例の帰還者君だろ?何でウチの作戦室にいるんだ?」

 

「昨日売店でユウちゃんと話しててゲームに誘われた」

 

「で、朝まで柚宇さんに付き合わされた、と?」

 

「いや、俺は途中で寝てしまった」

 

「ゆっくり寝てたし、朝ごはん食べたらポケモンやるんだ」

 

「へ〜……そうなん……柚宇さん?」

 

と、ここで金髪はポカンとした表情を浮かべる。

 

「どした〜、何かあったのかね?」

 

「いや、その……昨日に比べて凄い綺麗になったというか……」

 

金髪は恥ずかしそうにユウちゃんに話しかけるが、ユウちゃんも昨日俺の絶牙によって女として魅力を引き出されたからな。

 

そう思っていると……

 

「うん、ナオ君に生身の身体を隅々まで開発されて、女としての魅力を引き出してもらったんだよ」

 

ユウちゃんがそう答える。隅々というか部位の一部じゃないのか?脂肪と髪と肌くらいだし。

 

「はぁ?!お、お前柚宇さんに手を出したのか?!」

 

すると金髪は目を見開いて俺に詰め寄ってくるが、実際ユウちゃんに絶牙を使ったし……

 

「出したけど、それがどうかしたか?」

 

「なっ?!そ、そこは幼馴染の綾辻ちゃんじゃないのかよ?!何で柚宇さん?!」

 

「ハルちゃんにも手を出したけど、ハルちゃん以外にも手を出しても良いだろ。実際ハルちゃんとユウちゃん以外にカコ、クサカベ、ヒヤミ、ツキミにも手を出したけど、皆満足してくれたぞ」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

金髪が更に叫ぶが、コイツは何なんだ?さっきから意味がわからん

 

「お、お前、7Pしたって事かよ?!」

 

「は?ナナピー?何だそれ?」

 

「っと、近界暮らしが長かったんだったな。ようは6人の女子と性行為したのかって事だよ」

 

は?性行為?

 

「するわけないだろ。お前は何をふざけてるんだ?」

 

「いやお前、柚宇さんの身体を隅々まで開発したって言ったじゃねぇか」

 

開発……なるほどな。そういう事か。

 

「開発と言ったが、性的な意味じゃない。俺の黒トリガーは物質、現象、感情などあらゆるものを斬る能力だが、その能力でユウちゃん達の身体にある不純物や余分な脂肪を完全に斬って、魅力を引き出したんだよ」

 

「あ……そういうことだったのかよ!じゃあ柚宇さんの言い方が問題じゃないっすか!」

 

「いや〜、軽い冗談だったけど、思ったよりも面白い結果になって良かったよ〜」

 

ユウちゃんは笑いながらそう言ってくる。どうやら金髪を揶揄っていたようだ。

 

「勘弁してくれよ。本気で信じちまったよ。まあでも女子6人と肉体関係を持つなんてあり得ないか?」

 

「そうか?俺を傭兵として雇った国の中には嫁を5人以上持つ王子、美男を10人囲ませている黒トリガーを持つ女選手とかいたぞ」

 

「日本じゃ恋人が1人なのが基本なんだよ。というか傭兵?奴隷じゃなかったのか?」

 

「奴隷から解放されてから傭兵をやっていたんだよ。というか名前を聞いていいか?」

 

さっきから俺は内心じゃコイツを金髪と呼んでいるが、話す際に名前を知っておきたい。

 

「あ、悪い悪い。俺は出水公平。柚宇さんと同じ太刀川隊ってチームの一員だ」

 

「キド直次だ。帰還に伴ってキドの親族扱いになった。好きに呼べ」

 

「んじゃ直次って呼ぶわ。お前も好きに呼べ」

 

「じゃあいずみんはどうかな〜」

 

「わかった。よろしくいずみん」

 

ユウちゃんにそう言われたのでいずみん呼びしたら嫌な顔をされた。

 

「出水か公平にしろ」

 

「じゃあコウヘイだな。済まんが俺は朝ごはんを食べに行くから失礼する」

 

「食堂行くなら案内するぞ」

 

そう言われる。昨日売店で買った物を食べようと思ったが……

 

「じゃあ頼むわ」

 

折角だから好意に甘えるとしよう。早いうちに基地の把握をしておきたいからな。

 

「じゃあ私も行こうっと」

 

ユウちゃんが同意するので3人で廊下に出て歩き出す。

 

「しかしあらゆる物を斬るなんてぶっ飛んだ黒トリガーだな」

 

「否定はしない。これまでに黒トリガー使いを20人近く屠ってきたが、俺の絶牙より強いものはなかった」

 

「20?!マジで?強過ぎだろ?!」

 

「まあな。やっぱり元の人間の精神の強さの差をわけると思う」

 

「精神の強さ?」

 

「ああ、俺の黒トリガーは奴隷時代に奴隷を纏めていたリーダーが作ったもので、リーダーは15年近く奴隷として過ごして、憎しみが人一倍やった」

 

リーダー以外にも先輩達が作った黒トリガーは桁違いだった。10年以上奴隷をやっていたからだろうけど。

 

「なるほどね〜、アレ?ナオ君、昨日黒トリガーを2本持ち帰ってきたらしいけど、少なくない?」

 

ユウが首を傾げながら聞いてくる。

 

「倒した黒トリガー使いを20人とした場合、5本くらいは破壊してしまったな。で、残りの15本は俺を雇った国々に渡したな」

 

「え?自分のものにしなかったの?」

 

「しない。雇われた以上、国の兵士と同じ扱いだ。そんな俺が黒トリガーを殺して自分の懐に入れるのは国に対する裏切りだからな」

 

奪取を依頼されておきながら、自分の懐に入れたりしたら、信用も失うからな。傭兵になる条件として、ある程度働いたら遠征艇を使わせるという内容もあったし、怪しい行動は取るわけにはいかない。

 

「後、個人で沢山の黒トリガーを持つと色々面倒だからな」

 

「あ〜なるほど」

 

絶牙のみ使っている俺を引き入れようとしてくる国は沢山いたからな。これで他に2つも持っているのを知られたら益々面倒なことになっていただろう。

 

ユウちゃんとコウヘイが納得したように頷くと、同じタイミングでエレベーターがやってきたので、俺達が乗り込む。

 

ユウちゃんが1階のボタンを押すと勢いよく降り始め、やがて動きが止まる。

 

そしてドアが開くと……

 

「あ、ナオ君。出水君に国近先輩もおはようございます」

 

出てきたのはハルちゃんだが、余りの美しさに昨日と同じようにドキドキが生まれてくる、

 

 

「や、やべぇ……破壊力やば過ぎだろ……」

 

「同じ女子なのにドキドキしちゃう……」

 

コウヘイとユウちゃんもハルちゃんの美しさにドキドキしている。

 

 

 

改めて俺はとんでもない物を作り出してしまったのだろうか……

 

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