ちなみに
あっち側に立つんは俺y
2026.7/10 11:35
※さすがに無理があると思ったので、設定を一部変更しました
生物には寿命がある。これはほぼすべての生物が逃れられない宿命だ。
一説によると、生物に寿命があるのは進化によって環境に適応するためだという。
“進化”というと某モンスターゲームを思い出す人が多いかもしれないが、あれはどちらかというと“変態”に近い。
本来“進化”とは、「偶然ある特徴を持った個体が生き残り、それがたくさん子孫を残して、そうでない個体は淘汰される」というもの。
つまり「適応できた個体が生き残った」ではなく、「適応できた奴以外は死んだ」というわけだ。
その点で言えば僕は――――――
『
…暗い。
ここはどこだろうか?
というか、僕は死んだはずでは?
死ぬことを回避できたなら喜ばしいことだが…
死の淵から舞い戻ったにしてはいささか元気すぎやしないか?
周りを見渡そうと目を開ける。
何にも見えない。
…いきなり出鼻をくじかれたな。
と、ともかく状況を整理しよう。
僕の名前は朝霧久穏。29歳無職、働こうとしない、いわゆるニートってやつだ。
甘いものを食べすぎで糖尿病になって、ほっといたら手遅れになって入院して治療の甲斐なく…
あれ?これ死んだわけじゃないの?
絶対死んだと思ってたんだけど、もしかして助かった?
それか…ここが死後の世界なのか?
それにしては真っ暗だなあ。死後の世界がこんな真っ暗だとは思わなかったよ。
しかも水中とは…
どういうことかって?
うーん、何というかね、感触的に水の中っぽい感じがするんだよね。
水の中に入る経験はだれでもあるだろうし、「水の中にいる感覚」と言えば何となく分かっていただけるのではないだろうか。
まあ?死後の世界なんて誰も行ったことないんだし?
天国とか地獄とか、人間が死後に救いを求めて勝手に想像しただけだし?
極論?死んだ後に目を覚ますところは全部死後の世界っていうか?
…ふー。
誰に言ってるか自分でもわかんなくなってきたど、とりあえず落ち着いたぞ。
取り敢えずすべきは周囲の把握だろう。
五感で周囲の状況を探れば、何かしらの情報は得られるはず。
あとのことはそれから考えよう。うんそうしよう。
まずは視覚からだ。
…目を開けたり閉じたりはできるけど何も見えん!次!
聴覚! 水中っぽいところにいるからあんまり…
あ、なんか定期的なリズムが聞こえる。一応情報は拾えたね。次!
嗅覚は… 鼻の穴に水入った!?
うげ…とりあえず「水中にいる」と裏付ける証拠が手に入ったからよし。次。
味覚…食い物もないのにどう使うんだよ! 次!
最後は触覚だ。手探りで何があるか探してでもしてみますかね。
ひとまずは自分の体でも…
あれ?服着てないじゃん!?
ひん剥かれたのかな? いやーん医療関係者のエッチー。
他には何か…あれ?
…
…
…
いやちょっと待て…!?
ちょ…ちょっ…と…落ち着け…?
と、とりあえずこの件に関しては一旦保留にしておこう。
まだ
まだ慌てる時間じゃない。
情報を全部集め終わってからでも判断するのは遅くはないはず。
周りは…触れた。壁だ。
ただの壁じゃない。
やわらかくて…暖かいし…
うーん…あ!?壁から出た紐みたいなのがヘソにつながってる!
これは…
やはり…
いやでも…えぇ…?そんなことある…?
いや、でもさすがにこれだけ証拠がそろってるならそう認識せざるを得ないだろう。
僕、もしかして
赤ん坊…それも胎児になってしまったのだとわかってから体感で結構な時間が経つ。
あれからうんうん唸ってはみたものの、しょせん、今の僕はただの赤ん坊。
今の僕にできることなどあるわけがなく、まずは赤ん坊らしく眠りにつくことにした。
胎児期なんて一生に一度。
それもほとんどが子供の頃に忘れてしまう、1度きりの貴重な体験なのだ。
開き直ってしばらくは胎児生活を満喫してやろうじゃないか。
ああそうともさ。満喫して…や…る…と…も…
( ˘ω˘)スヤァ…
おそらく、昨日は夜だったのだろう。
目が覚めた時、あれほど静かだった外からたくさんの音が聞こえてきた。
「赤ちゃ~ん。げんきですか~?お母さんはげんきよ~。今日はいい天気ねぇ~。」
声が聞こえてくる。
それは母親であろう声や近所の人と思われる人の声、父親らしき人の声など様々だ。
…聞き取れた限りでは、日本語ではない。
『死ぬまでの記憶を持って赤ん坊のころに回帰した』という可能性もあったが…
どうやらそういうわけでもなさそうだ。
「じゃあテリア、僕は仕事に行ってくるよ」
「行ってらっしゃい。…気を付けてね、”お父さん”?」
「ハハハ。お父さんはまだ早いと思うけど…うん。テリアも気を付けてね?」
「は~い。」
外では男性と女性が喋っているのが聞こえる。
おそらく、この人たちが今世での父と母だろう。
「あら、アルドリフさん。おはようございます。」
「あら~。おはよ~う。」
「赤ちゃん、もうすぐでしたよね?」
「はい。そうなんですよ~。今も会える日が楽しみで楽しみで…」
「無理は禁物ですよ。落ち着いたら写真でも送ってください。」
「は~い。この子が生まれたら送りますね~。」
いわゆる、
まさか、自分が体験することになるとは夢にも思っていなかったが…
「もうすぐこの子に会えるのか…。楽しみだね、テリア」
「そうね、アビー。とびきり愛のこもった名前を付けてあげましょう?」
そんなこんなで日々を過ごしていたのだが、大きな変化があったようで…
「破水だぁぁぁぁぁ!?」
「あら~。もうすぐ生まれてくるのかしら~?」
「とりあえず落ち着い、おち、おちつちあわわわわ」
「赤ちゃんのことよりもあなたの方が心配になってきたわねぇ…」
今日は外が
何かあったのかと訝しんでいると、体がいきなり引っ張られる。
そしてそのまま狭い道に吸い込まれ――――――
広い場所へと放り出された。
そのまま体が持ち上げられる。
先ほどからの騒ぎは出産やそれに伴う準備によるものだったらしい。
無事産まれることができたようだ。
「産まれました!元気な男の子です!」
おそらく分娩室という所かな?
気づけば僕の体は呼吸をするために、意志とは無関係に産声を出し始めていた。
「かわいい子…。はじめまして…誕生日おめでとう。」
「名前、決めました。セルスリッド。この子の名前はセルスリッド・アルドリフです」
彼女が僕の新しい名前を呼ぶ。
全く知らない言語のはずなのに、
こうして僕は―――――朝霧久穏改め、セルスリッド・アルドリフは二度目の生を受けた。
『続いてのニュースです。ルミナス・トワイライト・バレンタイン永世名誉国主の罷免と逮捕を求め、「
産まれてから数時間後。
今、僕は病室でテレビを見ている。
何を言っているかは全くもってわからないが、赤ちゃんの覚えの速さはすさまじい。
そのうち分かるようになることだろう。
勉強とかは今のうちに習慣をつけておかないとまずいことになるからね。
遊びを優先する習慣なんか付いてしまうと、とても悲惨なことになる。
前世はそれで後悔したし。
ハハハハハ。
はぁ…
ところで、母親も父親も、随分髪色が派手だな。
母は赤紫の髪。
父は緑髪だ。
目の色も負けず劣らず。
母はいわゆる糸目だから瞳は見えないけど、父親は綺麗な青の瞳をしている。
それに加えて二人ともかなりの美形だ。
もしかして人生勝ち組か?
『次のニュースです。ジュラ・テンペスト連邦国で「テンペスト復活祭」が執り行われました。』
そんなくだらないことを考えているうち、いつの間にかテレビは次のニュースに移ったらしく、今度はどこかの街の様子を映し出している。
ずいぶんにぎやかだ。
何かイベントかな?
いいなぁ。僕も赤ちゃんでなければぜひ参加したい。
そんなことを考えて街中の映像を見て…
ん?
んん…??
んんんんんん…!?!?!?
違和感を覚えた。
街では祭事を行っているらしく、とても賑わっているのだが、『人間である』と判断するにはいささか異形に過ぎる人…人?がいるのだ。
緑色の肌のヤツ、人型のトカゲ、豚のような頭…いや、毛が生えてるし、イノシシか?
加えて魚頭・犬頭に果ては二足歩行の猫まで。
ニュース越しとはいえ、ファンタジーで見たような光景が目の前に広がっていたのだ。
それも一人や二人ではない。
ただ生まれ変わっただけだと思っていたが、違う。
輪廻転生なんかじゃない。
これは――――――
異世界転生だ。
まさか異世界転生などというフィクションの出来事を自分が体感することになるとはね…
もしかして魔法とかあるのかな?なんか段々わくわくしてきた。
魔法はやっぱロマンだよね。
詠唱とかいるのだろうか?
『詠唱破棄』とかもかっこいいよね!
異世界に転生したのだとわかり、これからの生活に思いを馳せているなか、
―――――ふと、今度死んだらどうなるのだろう、と考えた。
そう。
転生だ。
転移ではない。
一度死んでいるのだ。
異世界転生あるある、トラックに轢かれたことによる
“死へ向かう
死ぬ感覚もたしかに覚えている。
死んでいく時の感覚…自分が自分でなくなっていくかのようなあの感覚。
あれはダメだ。
だが、それはあくまで死という“未知”に対する恐怖。
具体的に死を知ってしまった今、きっともう
物語ではなぜ、主人公は死んだあと普通に何事もなかったかのように第二の生を謳歌しているのだろう。
死んだのに。
あんな体験をしたというのに?
まるで理解できない。
偶然、異世界転生という恩恵に預かることができたものの、また生まれ変わって違う生を歩むことができる保証など、どこにもありはしないのだ。
冗談じゃない。
せっかく二度目なんだ。
せっかくやり直すチャンスがやってきたんだ。
寿命なんかで死んでたまるか。
絶対に寿命を克服する。
魔法、医療、機械化…方法は何でもいい。
異世界なんだ。寿命を克服する方法くらいきっとあるはず。
いや、あってもらわなければ困る。
たとえ神が寿命で死ねと言おうが知ったことか。
笑顔で中指立ててやるよ。
天が決めた人生期限なんて踏み倒してやる!
そう決めて、僕は2度目の人生で寿命を克服することを誓った。
文書くより設定妄想する方が楽しくて草
でもルビもにじませるのってどうやってやるんだろう
登場人物紹介
セルスリッド・アルドリフ
種族 人間
加護 ルベリオスの守護
称号 ”異世界人” ”転生者”
ユニークスキル 『
耐性 恐怖耐性、
異世界からの転生者で、本作での主人公。曾祖母が亡くなって以来、死ぬことに恐怖を覚えるようになった。中1の夏に祖母が倒れてそのまま亡くなり、それ以来更に死に怯え始める。
好きなものは『特に無い』というより決めることができないのだが、嫌いな食べ物はキノコ類・貝類・カニエビ
前世では年に比せずして非常に低い能力の持ち主で、大学までは何とか行くことはできたものの、留年した
死因は甘味の過剰摂取による
将来の夢は寿命の克服。
前世の名前は『
※ステータスはあくまで転生直後のものです。
テリア・ルヴィ=アルドリフ
種族 人間
加護 ルベリオスの守護
称号 なし
スキル なし
魔法 〈元素魔法〉
耐性 なし
主人公の今世での母親。赤紫の髪色にオレンジの瞳が特徴だが、俗に言う糸目なのでその瞳を拝むことはめったにできない。
のんびりした性格で、夫を無自覚に振り回すことが多い。
職業はパン屋の店員。魔法は学校で少しだけ習ったが、あくまで義務教育の範囲内である。
アンブローズ・アルドリフ
種族 人間
加護 ルベリオスの守護
称号 なし
耐性:刺突耐性、打撃耐性、斬撃耐性
この世界における主人公の父親。ルミナス教教会総本山の門番として働いている。 テリアが働いているパン屋はその近くにあるため、昼休みによくパンを買っている。彼女とはそこで知り合った。押しに弱く、たれ目。
強さは冒険者ランク換算でC⁻程度。それほど強いわけではない*1が、鍛錬は欠かしていない。
…
愛称は「アビー」。
余談
僕「リドの挿絵AIさんに作ってもらうで!『赤紫の髪・青色の瞳・異世界からの転生者』…っと」
AI「ほーい(画像)」
僕「うーむ。もうちょっと少年っぽくしてほしいなあ。『もうちょい少年みを』っと」
AI「ほーい(なぜか女装している主人公の画像)」
なぜそうなる???
どっち?(透明化した文字による質問)
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