「そういえばエル」
「どうしたの~ナツメちゃん?」
「その髪…動きづらくないの?」
床に引きずるほどのエルの長髪を指してナツメは問いかける
「う~ん…確かに邪魔だなって思うことはあるけど…」
「お母さまの言いつけで切っちゃダメなんだ~」
「でももう慣れちゃったし、全然大じょうっ!
自分の髪に足を絡めとられエルは勢いよく倒れる
「エル!大じょうっっっ!?
心配して駆け寄ったところでナツメも
「いってってぇ…」
「ナツメちゃん大丈夫?」
エルは何事もなかったかのようにナツメを心配する
きっと彼女は転び慣れているのであろう
「うん、なんとか…やっぱりその髪、どうにかしない?」
「でも切っちゃダメってお母さまが…」
申し訳なさそうにエルはつぶやく
「だったら結んじゃうのはどう?」
「結ぶ…?何を…?」
「髪の毛をだよ…ほら、こんな風に」
ナツメは自身の横髪の三つ編みを握ってゆらす
「…!素敵!ナツメちゃん!」
三つ編みを握る手を両手で握り、鼻先が触れ合うかどうかの距離まで近づけたナツメの瞳をまっすぐ見つめる
「え…える…ちかいよ…」
「私の髪も結んで!そんな風に!」
「ね!お願い!」
「わ…わかったから…いったんはなれて」
かくしてエルの髪を
……………………
「それで、三つ編みでいいんだよね?」
「うん!ナツメちゃんとおそろいがいいなぁ」
「分かった、任せて!」
足元に細心の注意を向けながら、部屋からくしを用意する
「とりあえず、そこに座って」
「は~い」
ナツメに
ナツメも椅子を寄せて近くに座る
「よし、始めるよ」
エルの髪を上からゆっくりと丁寧に
「…」
その間、やることのないエルは、一生懸命なナツメをじっと眺める
「…!」
ふと、左右にフリフリと揺れるしっぽに目がいく
「……」
リズムよく揺れる
「…エル?どうかし…
モフッ
「…!」
エルは席を立ち、ナツメの
「すご~い!ふわふわ~!きもちいい~!」
「ちょっエル…くすぐったいから辞めて…」
「え~だって~気持ちいいんだもん」
「ダメだってば…もう!」
そう言って自身のしっぽを引き戻す
「あっ!」
「もう…ビックリしたよ…」
「だって…触って欲しそうにユラユラしてたから…」
「もう勝手にしっぽ触るの禁止!」
「じゃあ許可取るから!触らせて!」
「ダメ!」
「そんなぁ…モフモフがぁ」
「ダメなものはダメ」
「うぅ…モフモフ…」
「…」
「…もぉ、しょうがないなぁ」
エルのションボリとした瞳に押し負ける
「触っていいの!」
即座にしっぽにのばされたエルの手をナツメは止める
「ただし、髪をいじるのが終わってからね…」
「…はーい」
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