化身は恩に報いるために繰り返す。   作:つゔぁい

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回想のお話。狐面の少女と失われた世界。
本編には特にかかわりのない閑話。読み飛ばし推奨。
まぁまぁ長い上、BAD ENDルートなので生徒が死にます。アナタの推しが死ぬかもしれないのでNGな人はブラウザバックをお願いします。
前編後編に分かれます。


第7話 追憶 仮面の正体と、ありえた過去 前編

”あれ?そのお面ってどっかで見たことある気が…”

 

 

アヤ達は諸々あってブラックマーケットの闇銀行を襲うという、アビドススナオオカミの習性を真似ている時、突入直前に先生が()()()()狐のお面に興味を持つ。

それによってアヤは足を止め、銀行への突入から先生の護衛として残る決断をする。

 

先生から見れば、何気なく付けたボロッちい狐のお面だ。だがしかし古く傷だらけでも、しっかりと管理され、大切に扱われていると分かる最近見た気がするお面。

視覚的にはただのボロイお面だ。シャーレで出会ったあの少女と同じお面でも、どこかで売っているお面として、同じものを接点のないはずの二人が所有していることに何の不思議もない。

 

それでも気になってしまう。大切に扱われているのは分かっても、明らかにここ数十年程度の間に作られたものではないのが分かるからだ。それほどまでに、狐のお面には深みがあったのだ。

 

 

 

「んぇ…、流石先生。良く見てるね。そーよ、これは災厄の狐、ワカモちゃんの付けている狐面だよ?ただこれは特級呪物だけど!」

 

”あ、やっぱり?なんか見覚えあったんだよね。とても大切にしてるように感じたけど呪物なの?”

 

 

「特級呪物」仮面の奥で笑っているであろう少女は口にした言葉。確かにその年季や深みから、強ち冗談でないと感じるほどの何かがある。

で、あれば猶更そのような負の塊のような物を大切に扱っているのか。

それは()しか知らない大人には理解できない感情。

勿論、同じく()を生きる本来の持ち主である狐坂ワカモも知る由もない。

この狐のお面の現在の持ち主は()に生きてはおらず、()()に生きているが故に、理解するなどできない。

 

 

「そうだよ?これはねぇ、私のお宝アイテムその壱。祝福の呪いという相反する混沌。原初の一つであり感情の枷。えへへ~、まぁでも先生バカだから分かんないよ、きっと」

 

”事実陳列罪は法で禁止されてるよ?でもまぁ、大切なのは伝わるかな”

 

「否定しないの草超えて森。なつかしいなぁ…くひひ……」

 

 

中の様子を確認しながら自然体で会話する先生とは逆に、完全に意識ここにあらずでにやける少女。そんな少女の既に掠れつつある記憶。目と鼻の先では白昼堂々銀行強盗が行われているのに、先生の護衛も忘れて追憶に耽るのだった。

 

 

 


 

 

 

「ソレ」はどこからともなく現れた。ある生徒は扉を開けたらそこに。ある生徒は木陰の裏に。

違う生徒はロッカーの中に。別の生徒は空から突然。またある生徒は下水の側溝から。

ありとあらゆる生徒から寄せられる目撃証言と被害報告。証言はすべての生徒が同じ。

 

顔のない赤黒い生徒。何処の誰かも分からない。それでも何となく理解できる。

 

じっとこちらを見つめる人型の何か。それは自分であると。

 

最初の内はただのドッキリやデマとして処理されたそれ。一部の噂好きの生徒や怪談に詳しい者はこのような摩訶不思議な現象を好機と捉え、面白おかしく話した。

しかし面白おかしく話していたのも束の間。目撃証言を出していた生徒達が失踪し始めたのだ。

この現象も相まって噂はさらに加速し、こう呼ばれ始める。

 

ドッペルゲンガー、と。

 

事実おきている事件は有名な話と同じく、自分のような姿をした赤黒い影を見た、と報告した生徒はただの例外もなく姿を消した。失踪時期に多少の差はあれど、生徒市民、さらには自立性のあるドローンまで。

 

やがてあまりの発生率の多さから、シャーレに捜査権が委託される。

そのころからだろうか。普段は青く、綺麗で澄んだ空が、あの時の様に真っ赤に染まったのは。

次々に消える生徒。比較的戦闘力…もとい自己解決が得意な、武力に優れた生徒も役職の高い者も関係なく姿を消す。まるで解決策や対策が浮かばない。そんな時、血の跡が付いたビデオカメラと一つのUSBメモリーがシャーレ1階の郵便受けにねじ込まれる形で入っていた。

 

数々のキヴォトスの危機を救ったシャーレの先生。その先生に、まるで最後の力を振り絞って届けられたであろう、何かの痕跡。打開策もなく、ただ要職の生徒が集まっては被害報告を読み上げるだけになっていたシャーレの会議室にて、それが再生される事となる。

 

 

 

”みんな、今日は集まってくれてありがとう。このビデオカメラとUSBメモリーは今朝、シャーレの郵便受けに入っていたものだ。中身の確認はしていないが、この不可解な事件が起きている最中だ。悪戯で血痕のついた物を乱暴に送ってくるとは思えない。何かしらの大切な情報が入っていると信じて、再生、情報の共有を行いと思う”

 

”信じているとはいえ、誰が置いて行ったのかも、中のデータの内容も一切不明だ。届人も何故か入り口のカメラに写っていなかった。だから今から再生するものに危険性が一切ないとは言えない。視聴することを強制するつもりはないので、各々自己判断で検討してほしい。また、辞退したとしてもそれを責める事は一切しないし、問題のない内容であれば後日メールで送らせてもらう”

 

”…5分後に再生を開始するよ。それまで各々休憩と残るかどうかの判断をしてほしい。……じゃあまた5分後に”

 

その言葉を残して、先生は会議室を後にし、私も外の空気を吸いに缶コーヒーを片手に1階エントランスに来ていた。

 

疲れと焦燥感故か、普段の先生からは凡そ結びつかないほど余裕のない喋り方。先生としては当初、一人で再生しようと思っていた。当たり前だ。このような事件が頻発するキヴォトスで突如血濡れの郵便物。先生は生徒にはああ言ったが、およそロクでもないのは分かり切っていた。だからこその警告であり、覚悟の猶予を設けたのだと思う。

 

ではなぜ一人で見なかったのか。それは私の他に1人の生徒と、信用できるが信用できない大人に助言されたためだ。

 

一人は体調が良くなったとはいえ、いまだ万全とは言い難い百合園セイア。彼女はエデン条約の一軒以降、予知夢という特別な力を失う代わりに、勘が鋭くなったという。そんな彼女が親友の一人を失い、絶望に打ちひしがれていた中で連絡をくれたのだ。

 

もう一人は気に入らない大人だが、こういったお手上げの事態には何かと役に立つ男、黒服だ。

最初こそこの失踪事件への関与を疑ったが、彼は契約を守る男だ。アビドスでの一件以来、生徒に手を出すような行動はしないと()()している。

 

そんな男が言うには、犠牲は一旦覚悟すべきであると。既に犠牲になっている生徒を助けられるかは不明であるが、これ以上の被害を少しでも少なくすることを望むのなら、届いた映像を要職の生徒に見せ、全学園、全生徒の団結を促してきた。

それを見れば不良の生徒や、イマイチ機能していない連邦生徒会、エデン条約以降微妙に火花が散ったままのトリニティとゲヘナ。さらには普段どのような事が起きようとも隙に振舞うことの多い癖の強い生徒達。そんな彼女たちが纏まるであろうと。

 

そう言われてしまっては彼にどのような思惑があれ、先生も四の五の言っていられる段階は過ぎていた。

だからこその覚悟の時間。どのような内容であっても、大人である先生意外に受け止める強制力も責任もないのだ。

 

最後にすっかりぬるくなったコーヒーを飲み干し、スマホをチラ見する。……そろそろ指定の5分が経とうとしていた。最悪会議室には誰も残っていないかもしれない。それならそれで仕方ないと割り切り、会議室に戻る。するとどうか、ただの一人も離席した様子がなく、真剣なまなざしで先生を見ていた。

 

 

 

”…ありがとう。こんなに残ってくれて私は嬉しい反面悲しく思うよ”

 

「何を言い出すかと思えば…先生。私達は彼方に救われてきた。であれば今度は私たちが先生を助ける番よ。そ、そうでなくとも風紀委員長としてこの状況を座して見てるなんてできないから…」

 

「そうね、ミレニアムとしてもこのまま引き下がるのは出来ません!ただでさえ技術職の生徒やノアが行方不明なんですもの。早めに状況打破しないとインフラの維持が出来なくなるわ!」

 

「…アビドスも同じ。今回私たちに行方不明者は出ていないけど、これからでないとも限らないからね。おっきいシロコちゃんも協力してくれてるから、私達も出来る事をしたい」

 

「RABBIT小隊、FOX小隊も同じく。こちらも欠員は出ていませんが、シャーレに常駐し作戦に参加したいと考えています」

 

「……私も同じだよ。折角日常に戻って、またみんなで笑い合える日々が戻ってきたのに、ナギちゃんが居なくなって…セイアちゃんも倒れて…もう二度とあの時の様な事は繰り返したくない」

 

「あなた様の役に立つことこそ、私にとって生きる意味そのものですから」

 

「…そこの七囚人の言うことに同意するのも癪だけど、ここに居る理由なんて一つしかない。ユカリモも…」

 

 

口々にここに残る言い訳をする生徒達。この世界で先生が育んで絆と信頼の証だった。

だが、彼女たちの表情は、すぐに曇る事となった。

 

 

”じゃあ…再生するよ”

 

 

先生の一言と共に再生され、スクリーンに映し出される映像。それを見て本当の意味での事態の重さを理解するに至る。

 

 

 

『お姉ちゃん、ちゃんと撮れてるの?それ』

 

『うーん、わかんないけどエンジニア部が作ったっぽいものだし、大丈夫じゃないかな?』

 

 

動画に映っているのはゲーム開発部のミドリ。撮影者は声と会話から察してモモイだろうと検討が付く。

そんな二人は部室の前に転がった壊れたロボット。普段ウタハが愛用している「雷ちゃん」が持っているのを見つけて、好奇心から録画を開始したらしいと分かる。

 

 

『ウタハさん、愛用のロボットから離れてどこ行ったんだろうね』

 

『うーん、インスピレーションを求めて旅に…って違うか』

 

 

最初こそ不思議がる様子であった2人だが、彼女が制作意欲に駆られて物作りのために一人攻防に籠ることは珍しくもなく、今回もそうであろうと高をくくり特に心配もせず、恥ずかしがるユズも交えて日常を収めていく。―――そんな時だった。

 

 

『ん…?お姉ちゃん、なにあれ?』

 

『なぁにミドリー?ん……人…?やば、ついにユウカの妖力が黒く可視化して見えるようになった!?』

 

『さ、3人いるから違うんじゃないかな……』

 

『……なんだろう…すごく鳥肌が立つ…』

 

『ねぇ、お姉ちゃん…あれって、今噂になってる”ドッペルゲンガー”じゃない…?』

 

『最近話題の失踪事件の奴?ないない!ありえないって!』

 

 

その正体不明の存在に気味悪がるミドリとユズ。それとは裏腹に、あくまでガセネタとして明るく笑い飛ばす普段通りのモモイだったが、そんな彼女の表情を凍らせる出来事が録画される。

 

 

『あ、アレってノア先輩じゃない?珍しく走ってるけど…』

 

『!?ゲーム開発部!に、逃げてください!!』

 

『わっ、びっくりした。あんな大きな声出せたんだー。ノア先輩の後ろにも黒いドッペルゲンガー?がいるけど動くんだね、あれ』

 

 

呑気に撮影するモモイ。その先では普段からは想像もできないほど必死に走り、逃げろと叫ぶ生塩ノアの姿。

だが呑気に撮影を続けた先でノアが転び、誰しもが初めて聞く悲鳴を上げ―――夥しいほどの血を流し影にのまれ血と一緒に…消えた。

 

 

『は………?な、何今の…?』

 

『う、うそ…だよね?何かのドッキリ……?』

 

『噂は本当だった…?だとすれば…』

 

 

目の前で突如引き起こされたあまりにも凄惨な光景。さしものモモイと言えど、これを噂のデマゴギーではないと理解する。

そして噂の中身を反芻する。赤黒い自身と似ていると感じた影の出現。そしてその末路。今しがた目撃した心優しい先輩の言葉と結果。廊下の先で佇む3つの赤黒い影。脳が理解すると同時、自身の置かれた危機から足が震え、大量の発汗、動悸により映像のブレが生じた。

―――有り体に言ってしまえばパニックになっていた。

 

 

『う、うぁぁぁぁぁああああ!!』

 

『ふ、2人とも逃げるよ!!』

 

『に、逃げるってどこに!?アリスやケイは…!!』

 

『ミドリ落ち着いて見て!あそこの黒い影は私達3人分!噂通りなら大丈夫なはず…!だから今は…シャーレに逃げよう!!せめて…情報を渡すために!先生なら…きっと!!』

 

 

やがて3人は走り出し、必死故にブレブレな映像は地面とモモイの足だけを映す。

しかしビデオカメラを届けた時、彼女らの姿はなかった。その意味するところを理解してか、先生や集まった生徒たちの表情は暗い。なにぶん交友の広かった少女たちだ。あのワカモでさえ、何も話さないが握りしめた手からは血が滴っていた。

だがもっとも見ていられなかったのは親友が映像の奥で惨たらしく、悲鳴を上げて消えて行ったのを目撃したユウカだった。さしもの彼女も受け入れられないといった形で椅子に座り込み、俯いてしまう。しかし現実はさらに過酷な現実を突きつける。

 

映像はD.U行きの電車に乗り込み、息を整えて暫く経った頃。「ソレ」はまた現れる。

 

 

 

『はぁ…はぁ…電車に乗って暫く経つし、流石にこの速度には追ってこれないのかな…』

 

『アリスやケイ…ユウカも無事だといいけど…』

 

『3人はきっと大丈夫…だと思う。心配ではあるけど…今は先生に頼ろう。この現象、今日まで笑い話にしかなっていないって事は、シャーレでも正確に事態を把握できてない可能性がある…と思う』

 

『だとすれば…監視カメラには映らないってことだよね。それくらいは調べてるだろうし、運悪く全て死角でって事はないだろうし…』

 

『じゃあこのカメラ…ウタハ先輩が作ったのかな…映ってるし。なんとしてでも”コレ”は届けなきゃ……………ミドリ』

 

『えっ、何……うそ…』

 

『そんな…どうやって…』

 

 

上手く映っていないが、3人の声色。それが意味するところは、高速で移動している筈の電車の中にあの影が現れたのだろうと察することは容易かった。

 

 

 

『二人とも、出来るだけ先頭の車両に行って。私がなんとかしてみるから、”これ”お願いね』

 

『何とかするってどうするのさ!?一緒に逃げようよ!』

 

『さっきのこと覚えてる?ノア先輩が襲われた時。銃、当たってたよね。じゃああれは影なんかじゃないと思う。それに、万が一ここで全滅すると、頼みの綱であるシャーレに…先生にそれを渡せなくなる』

 

『いやだよ!!お姉ちゃんを失ったら…わたし…!!』

 

『わがまま言わない!そうでもしないと助かる命も助からないよ!こんなところで言い争いしてる時間も惜しいんだよ!ここは私に任せて先に行って!!……えへへ、これ言ってみたかったんだ。ユズ、ミドリの事、お願いね』

 

『いやぁぁぁぁああああああ!!!』

 

 

 

恐らくユズに羽交い絞めにされたのであろうミドリ。ゆっくりとモモイのいる車両から離れ、やがて銃撃戦が止むと次に聞こえてくるのはモモイと思われる悲鳴。ロクに何も映らないブレブレの映像に誰も何も言えなくなる。

 

その後、モモイの奮闘虚しく追いつかれた二人は先頭車両から走行中にもかかわらず飛び降り、怪我をしたことが分かる。怪我の程度は分からないが、出血している。もしかしたらUSBメモリーに付着していた血痕はこの時の怪我が原因で付いたものかもしれない。

その後も録画状態が続きD.U地区内で追いつかれ、今度は任されたから。部長として。そんなことを言ってユズが時間稼ぎをして、一人ぼっちのミドリはついにシャーレの入り口前に到着する。

 

そんな彼女も、最後には襲われ悲鳴を上げる。だが2人の犠牲がそうさせたのか、使命感に駆られたのかは分からない。襲われながらも彼女は諦めなかった。

 

彼女は本来キヴォトスに住まう人間には効果の薄い、どこにでも売っている手榴弾。それを襲われ、掴まれた右足に押し付ける。すると飲み込まれた足は、まるでキヴォトス特有の防御力を無視するかのように弾け飛び、爆風で距離を稼ぐ。

その勢いそのままに、録画していた画面は薄暗いものへと変わる。恐らくは郵便受けの中の映像だろう。それから聞こえてくるミドリのものと思われる悲鳴。それが収まると映像は受け取りに来たアヤの顔が映るまで変わらず、映像が終わった。

 

 

 

「うっぐおぇぇぇぁ…!」

 

”ユウカ…!”

 

「…こんなのってないよ…あんまりだよ…!」

 

 

映像が終わり、耐えられなくなったユウカはその場で吐瀉物を撒き散らし、先生がその介抱へ回る。映像から、親友の末路を悟ったミカもその場で崩れ落ち、他の生徒も似たような状況であった。しかしそんな中でも感情を飲み込んで冷静な生徒はいた。

 

 

「状況は…分かりました。事の重さも。彼女たちがその身に変えても伝えた値千金の情報。時間を無駄にするわけにはまいりません。嘆くのは後になさい。一刻も早い解決のためこの狐坂ワカモ、協力しましょう」

 

「同意だ。今は一刻も早く原因究明と事態解決に時間を使うべきだ。…rabbit1。いつまでショックを受けている。SRT所属であればどのような状況でも冷静でいろ」

 

「どうしてそんなことを言うの!?貴女達は大切な人が行方不明になっていないからそんなこと言えるんでしょ!?かけがえのないものを失って嘆いて何がいけないの!!」

 

「トリニティの子を支持するわけじゃないけどさ、おじさんも大切をなくしたら冷静でいられないと思う。だから今この時は冷静になる時間って意味でも必要なんじゃないかな」

 

「ミカさんもホシノさんも冷静になってください。お狐様方は嘆くなと言っているんじゃないんです。目の前で文字通り命がけで私たちに伝えることが出来た大切な情報。泣くことも後悔することも後でいくらでもできます。今は命を散らした彼女たちの想いに…報いるべきだと。そうでなければ、嘆いている間に失われるのは次の大切な人かもしれない。時間は待ってなどくれないのですから」

 

「分かってる…分かってるけどっ!どうして…狐の子は感情を出してくれないの……」

 

「…時間の無駄のようですね。やはり協力など私には合わないようです。貴方様…私は外でさらなる情報を集めてまいります。御用があればこのワカモ、いつでも馳せ参じます」

 

 

 

結局その後、まともに話し合うことなどできず、解散となった。

そして数日が経ち、分かったことがある。

 

ひとつ、黒い影は交戦がある程度可能な事。しかしそれの戦闘力は本人の力を大幅に超えており、単騎での撃退はほぼ不可能であること。

 

ふたつ、陰には一定以上距離を開けると、近くにもう一度現れる事。これにはテレポートのような能力でどのような閉鎖空間であっても上空であっても変わらなかった。

 

みっつ、影は元の本人しか取り込めない事。取り込むことは出来なくとも、ヘイローの破壊自体は可能な事。

 

よっつ、触れられた時点で生徒本来の防御力が一瞬で失われ、詰みであること。格闘戦は絶対避けるべきであること。

 

いつつ、吸収された生徒は数日後、なにくわぬ顔で現れる事があること。その生徒は自我があるように見えず、積極的にヘイローを破壊しに来る敵対行動をとる事。

 

 

これらのことが分かった。勿論これには犠牲もあり、当初集まっていた生徒も数を減らしていたのだった。

 

 

 

 




全員ここで死ぬんだよ!

Q:ビデオカメラなのにUSBメモリー?

A:エンジニア部だよ?

Q:主人公は色彩撃退経験あり?

A:1億と2千万を超える試行回数の中で何度か。これはその後に起きたキヴォトスの危機の一つ。
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