化身は恩に報いるために繰り返す。   作:つゔぁい

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前回に引き続き回想。
読み飛ばし推奨。死にます。BAD ENDなので。


第8話 追憶 仮面の正体と、ありえた過去 後編

”おはよう、アヤ…今日は、何人来てる…?”

 

「…おはようございます。今日は…ヒナさん、ミカさん、ホシノさん、大きい方のシロコさん、ユウカさん、カヨコさんだけです…。新しく増えてはいません。変わらず皆…肉体と精神が限界で。万全に戦えるのがシロコさんと私だけとなっております…」

 

”…そっか。ごめんね、先生が不甲斐ないから…皆には、アヤには迷惑をかけるね…”

 

 

此方を気にして申し訳なさそうな表情をする先生。そんな先生の左腕も既にシャーレのスーツに通っておらず、動くたびに袖口はひらひらと寂しげに揺れ動いていた。

 

残った生徒も大なり小なり変わらず。ヒナさんは翼と右腕を失い、ミカさんは歩くための両足を失った。ホシノさんは守るための盾を持つ左腕を失い、ユウカさんは両目と聴覚を失っている。

カヨコさんに至っては右腕だけ残し、手足の全てを失い未だ意識は残らず。

未だ五体満足で動けるのは何故か影が発生しないこの世界の異物である私と、シロコさんのみとなっていた。

 

もはやキヴォトスは学園都市としての機能はなく、全員影に置き換わるまで秒読み段階まで来ていた。それでも、最後を共にするならと生き残った生徒達が最終防衛線であるシャーレに立てこもり、希望を求めて避難してきた生徒を受け入れるシェルターを構築する。

 

一体全生徒の中でどのくらい生き残り、今も恐怖に震えているか分からない。それでも先生は希望を一切捨てず、毎日通信で呼びかけているが、それも恐らく今日まで。シェルターの入口が持たないこともあり、私達のタイムリミットが迫っている事を皆理解していた。

 

 

「もう…すぐそこまで来たみたいだね。先生は…意識のないカヨコちゃん背負って地下に逃げて。アヤちゃんとおっきなシロコちゃんはユウカちゃんと先生の護衛をお願い」

 

「そんな…ホシノ先輩まで……私が!私も一緒に戦うから…置いていかないで!」

 

「体はおっきくなったのに、シロコちゃんはまだまだ後輩だね。おじさんはもう守ることは出来ない。だからシロコちゃんとアヤちゃんが守るしかないんだ。そのための時間稼ぎは先輩であるおじさんに任せて?」

 

”ホシノ…!!今からでもみんなで逃げよう!だからそんなこと言わず…”

 

「それはダメだよ先生。あそこは確かに広いかもしれないけど、この人数が生き残れるだけの物資も、生産もできないよね。それにもし生き残って逃げ込んできた生徒がいた時、外の様子が分かる生徒がいなきゃダメだとおじさんは思うなー」

 

”……ごめん、ホシノ…ほんとうに、ごめん。そして…頼んだよ、相棒”

 

 

 

「…任されたよ、相棒。もし次が、また会えたら相棒に。いや…今度はお嫁さんに立候補しようかな…うー、こんなのやっぱり柄じゃないよぉ!恥ずかしいから早く行った行った!」

 

「小鳥遊ホシノ…あなた一人でカッコつけすぎよ。流石に片腕ではあの高速リロードはできないでしょう?二人合わせれば一人分の腕になるわ。…だから私があなたのサポートをする。代わりにあなたが私のサポートをお願いするわ」

 

「それなら私が固定砲台をするよ!これでも私って遅滞戦闘は得意なんだ!」

 

”ヒナにミカまで…!………ごめん”

 

「先生、こうゆう時は謝るのではなく、笑って礼を言うものよ。貴方が…教えてくれたじゃない。だから生きて。少しでも長く…小鳥遊ホシノじゃないけど、私も次があれば…頑張ったねって頭をなでて褒めて欲しい」

 

「じゃあ私は今要求しようかな!…あなただけのお姫様を……また恐怖で間違いそうになる私が正しく進むために。ぎゅって抱きしめて欲しいな…それだけで私は戦える。命を懸ける価値があるから」

 

”3人とも…。次だなんて言わず今……”

 

 

1本しかない腕で最後になるであろう生徒を抱きしめようとする先生。しかし運命は残酷なようで、彼女たちに最後の別れの時間をこれ以上与える気は無いようだった。

 

突如吹き飛ばされる入り口のバリケード。そこにはこの事件の重要な情報を命がけで届けてくれたゲーム開発部の姿。そしてその後ろには同じくゲーム開発部の天童アリスの姿をした何かが、愛銃のスーパーノヴァを抱えて発射の余韻に浸っていた。

それによって突撃してくるここに来るまで先生と絆を培った生徒達。流石に無視はできずにここに残る宣言をした最強の3人が迎え撃つ。

 

 

「先生!行って!!せめてあのでっかい銃を持った生徒は何とかする!だから生きて…!」

 

「あの時は先生を守り切れず膝をついた私をとても呪ったけど、今度は違う。次は無傷であなたを逃がして見せる!」

 

「あぁひどい!せっかく抱きしめてもらえそうだったのに!!くぅ~この恨み、はらさでおくべきかー!!」

 

”うん……ありがとう”

 

 

意識のないカヨコさんを背中に結び付け、生徒を置いて地下への非常階段を走り出す先生。

その表情は見えないが、かつてないほど自身の不甲斐なさに嘆いているのはここに居る誰しもが理解できた。…いつも見えた大きくて頼りがいのあるその背中が、泣いているように小さく見えたから。

そんな先生に続く私は物言わぬ生きた亡骸と化したユウカさんを背負い、道中の敵をシロコさんに撃退してもらう。そして私たちは正真正銘最後の砦。場所はクラフトチェンバーのある始まりの場所。そして今回…私たちの終わる場所。そこに逃げ込んだ私たちは入り口を厳重なロックで閉じ、事実上上で押し留めている3人の少女との別れが決定した。それでも先生は涙を流すことはしなかった。ここには生徒がいるから。自身がが先生であるという最後の矜持のために。

 

 

到着して暫く誰も言葉を発することはなかった。ただただ、己の装備を点検し、現実逃避するシロコさん。しかしそれも上階から聞こえた戦闘音が聞こえなくなり静かに泣きはじめる。

 

私はというと、この間も遠隔で外部兵器を起動し、可能な限りシャーレに近づく生徒の形をした何かを抹殺する。罪悪感などない。これまでも必要に迫られれば圧倒的な火力で生徒を亡き者にしたことは幾度となくあった。

 

だがどうだ。今回のそれは只々増悪の感情が強かった。なぜ?どうしてもそれが理解できなかった。神の視点を持つアヤからすれば何に成り果てようと、どれだけ小さな者であろうと矮小なる生命に変わりはなく、そこに優劣もなければ感情もわかないはずだった。

唯一の例外はそこで絶望に心が折れそうになっている大人だけであり、それ以外に感情を抱くなど殆どなかったのだ。

 

今回の騒動。幾度となく襲い来るキヴォトスの危機。それによって齎される先生の生命の喪失。そのたびに繰り返されるこの世界。だが何千万と常人ならば気が狂う程の回数を繰り返してようやく勝ち取った先生の死なない世界。運命に勝った、そう思った。だが運命というのはどこまでも運命であるらしく、のどかな日常は謎の怪奇現象に打ち砕かれたのだ。

 

似たような事なら何度もあった。この世界は先生の死亡、もしくは全生徒の喪失によって世界がリセットされる。恐らくシロコさんがやったのもこの方法だ。生徒の神秘という奇跡が目の前で鎮座する謎のオーパーツ…クラフトチェンバーに溜まり、キヴォトスを再創するというもの。

もう一つも一応あるにはある…がどちらにせよ犠牲無しで世界を創造するなどできない。それこそ最上位の神でなければ。

 

だからこそ、もう一度再走するため…リセットするために私は行動する。

どうあがいてもこの世界は終わりなのだ。であればさっさとこの世界に見切りをつけて、次の世界に望みを託そうかと思う。

 

リセットするには異分子であるシロコさんを除き、目の前で意識のないカヨコさんとユウカさん。恐らく最後の二人を殺して神秘を世界に還元すれば破壊と創造が完了する。

きっと目を覚ませばいつもの裏路地からスタートするだろう。そう思い、愛用の携帯型ブローニングM2を構える。だがいざ発射しようという時、どこからか放たれた銃弾により照準がブレてしまった。

 

私はそちらを先に排除するため、銃弾の発射された方向を見やる。シロコさんとやり合うのは骨が折れるな、なんて考えて見たのにそこにいたのはなんと狐面を被った少女、ワカモさんだった。

 

 

「やっと…合流できた……かと思えば、はぁ…ぐぅ…!貴女は何をしているのですか…」

 

”ワカモ!?”

 

「はい…あなた様のワカモです…遅くなり…申し訳ありません…」

 

”酷い怪我…喋らないで!”

 

 

血をだらだらと垂らし、体の大半が赤黒く影にのまれかけているような様子のワカモ。

入り口は重厚な扉でロックされているのも関わらず、どこからか現れたこの少女。しかし侵入経路は彼女の血の跡が教えてくれた。

それは通気口だった。彼女はボロボロになりながらその体を狭いダクトに押し込み、何とか辿り着いたのだろう。…そういえば始まりの日、彼女は認証パスを突破していないにもかかわらずこの部屋にいたことがあった。恐らくはその時に見つけた侵入経路なのだろう。

 

だが前回と大きく違うのは凡そ戦闘などできそうにないボロボロの身体。その体で私を止めようというのだからこれには面倒だ、という気持ちが心配より勝る。

そんな状態で私に敵意を向けるものだから、先生も必死に止める。シロコさんは私のしようとしていることを察して静観の構え。

 

どちらにせよ、ワカモさんも生きていたとあっては殺さなければ世界がリセットされない。せめて楽に殺してあげようと銃口を向けるが今度は先生がその体を彼女と私の間に入れる。

 

 

”アヤ…それは私が先生である限り見過ごすわけにはいかないよ。銃を下ろして落ち着くんだ”

 

「……………」

 

「良いのです、あなた様…今の対応で…私は凡そ理解しました…どちらにせよ私は助かりませんし、せめて…彼女に呪いをかけたく存じます…」

 

”そんなことない!そんなことを言わないでほしい、ワカモ!ここにはクラフトチェンバーもある!きっとなんだってできる…!だからそんなこと…そうだ、ワカモは私のいう事なら何でも聞くって言ってたよね…だから……”

 

「ふふ…先生は私の言葉を覚えて…下さったのですね……感無量とはこの事…ですがお許しください。このワカモ…最初で最後、あなた様との約束を…違えます」

 

「先生…その生徒に触っちゃダメ。その生徒は…もう影にのまれてる…触ってると恐らく先生も影にのまれるから」

 

”どうしてシロコまで…どうしてみんな先生の話を…聞いてくれないんだ…どうして…”

 

「アヤさん…そしてそこのアヌビス…答え合わせを…いたしましょうか」

 

「それが最後の望みであるのなら」

 

「時間もありませんし…要点だけ……この世界は…繰り返されていて…リセットするために…私達生徒の命が…必要なのでは…ありませんか」

 

「…………………」

 

”…どうゆうこと…?”

 

「原理や理屈は…わかりません…ですがそこのアヌビスは…キヴォトスの悉くを殺して…このキヴォトスに来たと…そう聞いております。そして今のアヤさんの行動…放っておいてもそう遠くない未来に命を落とすであろう生徒を…態々手にかけようと…しました。それを止めるそぶりも見せなかった彼女の様子から…何か意味があるのではないかと…げほっごほっ!」

 

 

口から大量の血を吐き出し、苦しそうに推理を口にするワカモさん。少しでも楽になるため、狐のお面を外し、呼吸を整える。

一見その荒唐無稽で突拍子のない考えは、死にゆく彼女を見つめる私たちにとって核心を突くものであり、また正解であるが故に口を噤む。

 

 

”無理しないで、ワカモ…アヤ、今の話は本当なの?”

 

「………………」

 

”答えて”

 

「…そうだとも。私はこの世界を何度も繰り返し、そのたびに世界の滅びを見てきた。この世界もそんな繰り返される物語の一つに過ぎない」

 

「多分、本当。私の知っている世界に彼女はいなかったし、生徒を殺しつくす事で始まる世界があるんだと思う。それが再創造であれ、別次元であれきっかけになってるのは間違いないと思う」

 

”そっか…もしかして最後にこの部屋に逃げ込んだのはリセットするため…?”

 

「いや、それは偶然。生徒が全て死んだ時点で自動で起動するものだから。ただ、再創が始まる前にサンクトゥムタワーとクラフトチェンバーの両方を失うと難しくなる。だから防衛の意味も込めてここを要塞化してある」

「答え合わせはこれで終わりでいいかな、狐坂ワカモ。世界は既に終わりが始まり、軋みを上げている。あとは君達3人が死ねば()が始まる事だろう」

 

”そんな…!”

 

「ふふ…見くびらないで……ほしいものですね。アナタの正体は…終ぞわかりませんでした。…何百、何千、何万とどれほど繰り返せば…そこまで曇った目をできるのか分かりません。…逆に言えば、それだけ経験しておきながら…今この滅びを()に活かそうしないのは何故でしょうか」

 

「狐坂ワカモ。知ったような口を叩くな。どれだけ経験しても変数ひとつで大きく変わる。ここで何を知ろうが―――」

 

「あなたは何も分かっていません!!それだけの知識と経験をして!また同じ滅びを経験をしたら今と同じく諦めてリセットをするというのですか!アナタは…なんのために…!げほっごほ!!」

 

 

突如激昂し、私の胸ぐらを掴みながら力の限り叫ぶ彼女は、消えようとする命の灯を燃やしてそのすべてをぶつけに来る。

 

 

 

「……………」

 

「取り乱しました…私が言いたいのは…リセットする前に…せめて有用な情報を持って行くべきです…」

 

「そうは言うが狐坂ワカモ。調べるにしても今更…」

 

「見くびらないで。そう…言ったはずですよ。あるではないですか…目の前に情報になりそうなものが…」

 

「……?」

 

「鈍い…ですね。あるでしょう…実験が出来るお誂え向きの…被験者が…あなたの目の前に」

 

「正気か?」

 

「正気も何も…私は最初から先生との愛に生きる狂い人です…先生と添い遂げるのは……この世界の私でなくとも構いません…だからこそ!すぐに諦めるアナタに…呪いを残します」

 

「諦めないで。私が…愛する先生と添い遂げる世界を…観測しなさい…世界は違えど、その狐坂ワカモも、私なのでしょう。だ…から…!どのような絶望的な状況に陥っても…求めることを……諦め……ないで…」

 

 

 

最後に力尽きて私の胸ぐらを掴む手が冷たい床に落ちる。今この瞬間、先生を愛した一人の生徒が終わったのだ。

そして奇しくもこの生徒の魂の訴えは、藤城アヤの精神に多大なる影響をもたらす。

少女の愛用していた狐のお面。床に転がったそれを手に取り、血濡れのまま残した彼女の代わりに装着する。

 

何処までも足掻くために。彼女の呪いとの望みのために。

 

その後骸と化したワカモの身体を解体して、仮説を立ててシロコ協力の元、外の影を捕まえては実験を繰り返した。それによって得られた情報。それだけで命を使った少女たちは報われたことだろう。

その情報を忘れないよう、心の奥にしっかりと記録したアヤは立ち上がる。今度こそこの世界を終わらせるために。

 

 

 

「行くの?」

 

「ああ。世話をかけた」

 

「そんなことない。気にしないで。私は別次元の存在だからあなたのループについていくことは多分できない。再創造と同時、無かったものとして扱われると思う…だからこれだけは言っておくね」

 

「次もまた…絶望しながら貴女のいるキヴォトスに来ることがあったら。その時はよろしくね。出来れば私の先生も助けて欲しいけど…」

 

「その辺は保証できない。だがこちらに来てからは歓迎しよう、砂狼シロコ。達者で」

 

 

大きなシロコさんと別れて、最後に先生と死んだように眠る二人の生徒の元へ顔を出す。

ユウカさんは最早意識があるのかないのかも分からない。彼女は優しすぎたのだ。日々消えていく友人や後輩。そしてその悲鳴を聞いたのは一度や二度ではなかった。最終的には精神を病み、戦闘によって視覚と聴覚を失ったことで、己の殻に閉じこもりヘイローが付いているにもかかわらず、一切の反応を示さなくなってしまった。

 

もう一人のカヨコさんも最初こそ意識はあったが、便利屋68の3人が影として表れてシャーレに襲撃しに来たのを見て、眠ってしまった。元々出血で弱った体に追い打ちのような形で彼女の大切がもはやこの世界にないのだと理解し、世界を閉じてしまった。きっと二度と目覚める事は無いのだろう。

 

そんな二人の世話を甲斐甲斐しく行い、あの時の自分のありえた成れの果てと同じく()()つもりで最後を待っていた。その姿は死期を悟った老人の様でありながら、希望に燃えた矛盾を孕む雰囲気を纏っていた。

 

 

”シロコとお別れしてきたの?”

 

「ああ。次の私もよろしくと言っていた。まったく、君たち人間には驚かされる。悠久を生きる私にとってこのような事は幕間の一幕だというのに。…学ばぬ憐れな生き物かと思っていたがこのように魂の輝きを見れるとは思わなかった」

 

”そっか。アヤも楽しめたのならこの世界に意味はあったのかもね”

 

「存分に」

 

”……一つ、約束してくれないかな”

 

「言ってみるといい」

 

”君が誰なのかは分からない。だけどどんなことがあっても、君は私の大切な生徒だ”

 

”だから、どうか。君は君の…アヤの幸せを求めてこの先進んでほしい。あ、それと次の私もよろしくね?あんまりイジメちゃダメだよ、泣いちゃうから!”

 

「一つではなかったのか。…まぁいい。言われずとも私は私の為に繰り返している。せいぜい楽しくやるとも。最後のお願いは聞けないのだがね」

 

”そんなぁ!……はは、また同じとこで会おう。いってらっしゃい!”

 

「………いってきます」

 

 

最後に笑う先生に背を向け、横たわる二人を撃ち殺した。

するとこれまでうんともすんとも言わなかったクラフトチェンバーが大きく発光し、全てを飲み込む。慣れ親しんだ光景だ。だが今回は少しぼやけて見える。理由など分かり切っている。しかしこれは、この感情だけは私だけの大切な気持ちだ。そうなってしまった。だから誰にも教えない。

 

ふと手元に違和感を感じ、視線を下げる。そこには先ほどまで握られていた狐の面。

 

 

(まったく…こんな所でも収穫があるとは思わなかった。覚えていろよ、狐坂ワカモ)

 

 

ループの際、持ち物の繰り越しが出来ると情けなくもここで知ることが出来た。

これが知れただけでも値千金の情報だ。次の攻略が楽になるが…どうして今まで気が付かなかったのだろうと悲しい気持ちにもなった。

 

 

(さて、次はどうやって攻略チャートを組もうか。今度からは装備を固めるため、トリニティを拠点にしてもいいかもしれない)

 

 

既に悲しみの感情は無く、新たに得た知見を組み込むことで胸がいっぱいとなっていた。

その気持ちの変わりようこそ、人でなしであると理解するのは随分先の事であった。

そんなことも分からない私は、いつもと変わらない裏路地へと立っているのに気が付き、早速とばかりにトリニティへ向かうのだった。




回想はこれで終わり。一つの世界の終わり方。
次回から本編に戻る予定です。


Q:主人公ちゃんの武器?

A:神秘(以下略)のせいで大口径主義。本編では持ち出していないが携帯する愛銃はブローニングM2の短砲身にカットしたモデル。セイアに(以下略)

Q:クロコと主人公ちゃんだけ影がない?

A:この世界の生徒ではないので。システムに認知されておりません。

Q:主人公ちゃんの口調?

A:取り繕う理由もなくなったので。普段はあえてふざけているけど、中身はこんな感じ。
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