歓迎会の準備が完了し、鳳翔が提督の部屋に呼び掛けに行った。
「提督くん。歓迎会の準備出来ましたよ」
だが、返事がない。ただの屍のようだ。いや死んでないけど。てか死んでたら学園モノじゃなくてサスペンスだし。で、鳳翔は仕方ないので勝手に上がることにした。一応ノックして中に入る。
「失礼しますよ。提督く…」
寮の紹介が終わってから提督、舞風と別れて小一時間、小一時間しか経っていないのに提督の部屋はすごかった。いや汚いとかじゃなくて、もう春だというのにコタツ、テレビにはプレ3が繋がれていて、本棚にはONE PIECE、NARUTO、ドラゴンボール、トリコ、北斗の拳、デスノート、ワンパンマン、ギャグまんが日和……その他etcの漫画がアホみたいに並んでいた。なぜかすべてジャンプ作品、てかよく見たらジャンプ自体もある。で、当の提督は布団の上で片手にサムライウサギの単行本を持って寝息をたてていた。
「…………」
思わず絶句する鳳翔、だがすぐに自分を取り戻すと、提督を起こす。
「あの、提督くん?少しいいですか?」
「んあ……ほ、ほーしょうさん……?おはよーございます……」
やだちょっと可愛い、と頬を赤く染めつつも鳳翔は起こした。
「はいおはようございます。それで、この部屋はなんですか?小一時間の間になにがあったんですか?」
「………ふぁ?暇だったから持ってきた荷物まとめてついでにBOOKOFFで漫画買ってきただけですよ……」
なにか言おうと思ったのだが、もういいやと思い別のことを注意する。
「外出する時は言ってくださいこれから…」
「すいやせん…で、なんか用ですか?」
「歓迎会の準備が出来ましたよ」
「あー…了解です……」
で、鳳翔は食堂に戻り、提督は着替えた。着替え終わると、のそのそと一階の食堂へ降りる。食堂の扉の前では舞風が待機していた。
「あ、やっと来た提督!遅いよ!」
「寝てた。で、いつ入ればいいの?」
「えーっと、合図があったらとか言ってたけど…ていうか寝てたの!?」
すると、中からどうぞと声がする。で、舞風が元気良く中に入り、提督も後から続く。その瞬間、クラッカーが見えたが、何個かスコッと不発の音。
「おい!これしけってんぞ!」
「新しいの買えって言わなかった!?」
「このチキンまだ生だよー!」
「勝手に食べるなって言いましたよね!?」
おいスッゲーグダグダだぞと思いつつも黙ってる提督。そのまま10分くらいグダグダが続いた結果、結局普通に席に座った。鳳翔がにこにこ笑顔で言った。
「では二人とも、改めて艦これ学園寮へようこそ」
で、食事開始。
「やっほー舞風ー!」
とたとたと寄ってきたのは陽炎。この外見で今年から大学一年である。
「あ、お姉ちゃん!」
「よく合格出来たわね」
「不知火お姉ちゃんも!」
あ、不知火と黒潮も一応大学生である。
「この子、お二人の妹さんですか?」
寄ってきたのは古鷹。
「そうだよー。舞風っていうんだ」
「よ、よろしくおねがいします!」
「私は古鷹、よろしくね」
と、まぁ舞風は姉妹の力でどんどん馴染む中、提督は一人黙々と飯を食う。が、すぐ横に誰かが座ってきた。
「楽しんでるか?」
「楽しめてるわけねーだろ。誰一人に知り合いがいないんだよ?気まずくてやってら…ていうかお前誰?」
「木曾だ。お前と同じ高一だ」
「てことは、お前も今日からこの寮に?」
「や、俺は中学からこの学園に通ってるからな。ずーっと鳳翔さんにお世話になってる」
「しかしあれだな。男俺しかいないって聞いてたけどいたんだな俺以外に」
「……一応聞く、誰のことだ?」
「お前だよ」
「OK。殺す」
「はぁ!?ちょっ…なんで……」
てなわけで、俺の学園生活が始まった。