元自衛官、学園都市で教師になる    作:風間しんや

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第二話

 

砂で覆われた土地、

鳴り響く銃声

それは〝学校〟の校庭で起きていた

 

「〝シロコ先輩〟!受け取ってください!」

 声が響き、少女――砂狼シロコはドローンから投下されたマガジンを受け取る

「ん、ナイスタイミング」

 彼女はそういい、空になったマガジンを捨て、リロードする

「……うう、コイツらしつこすぎ!」

 と猫耳の少女が声を荒げる

「ほらほら、アビドス高校!いい加減私らに学校をよこしなって!」

 ヘルメットをかぶった少女が銃を撃ちながら言う

「〝先生〟はまだ!?」

 と再度、猫耳の少女が叫ぶと

「それが、取りに行くって言ってどこかに……」

 とオペレーターらしき少女が動揺しながら答える

「はぁ!?」

「まぁまぁ、〝セリカ〟ちゃん落ち着きなって」

「そんなこと言ってる場合!?〝ホシノ〟先輩、前!」

 とピンク髪の少女――小鳥遊ホシノはバリスティックシールドを構え攻撃を防ぐ

「まぁ、先生がケガしないところにいるなら良いんじゃないですか?」

 とガトリングガンを構えた少女――十六夜ノノミが言う

「……そ、それはそうなんだろうけど!」

 とセリカが悩みながら言うと

「よ〜し!追い込んでいくぞ!」

 と敵側から声が響く

敵側の全員が武器を構え彼女達へと向ける

「まずい!!」

 と全員が思ったその時

 

「スモーク散布!」

 その声の後その敵側の周囲に白色の煙が立ち込めヘルメットの少女達は視界を失う

「な、なんだ!?」

 するとその人物は武器にマガジンを装填すると車両から降り、駆け出す

「……!」

 銃声が響きそして、ヘルメットの少女達の声が響く

「うぎゃ!?」

「うわっ!?」

 それから数人の声が響き、その煙の中から誰かが出てくる

 しかしその人物が分かると全員安堵する

「信也先生」

 シロコは彼の名を呼んだ

 

 

 学園都市キヴォトス

 日本のはるか東、南鳥島よりも少し奥に位置するそこは、いくつもの学校が集まり、まるで一つの学園が一つの国家のように成り立っている巨大な都市だ。

銃を手にした女子高生たちが、日常の中で戦いと隣り合わせの生活を送っている。

 そこへ赴任してきたのは元自衛官――高橋信也だ

 彼は一度教師であったが、自衛隊へ入隊した、その理由は定かではないが、その経験は彼へ大きな影響を与えた

 そして彼は何か覚悟を決め、また教師へと戻ってきた

 

そんな彼の赴任先であるキヴォトスでは様々な問題が起こっていた

 

 キヴォトスを束ねる行政機関――連邦生徒会の生徒会長の失踪

 

 数ヶ月後に控えた「エデン条約」なる条約の調印式

 

 など様々だ

 そして先生はそんな何かしらの問題を抱えている学園の一つ、

「アビドス高校」

 へ訪れていた

 

  アビドスへ向かう数日前

「というわけで、先生、あなたにはこれからキヴォトスで起こっている問題解決のために動いてもらいます。」

「了解」

 シャーレ執務室で連邦生徒会生徒会長代行を務める七神リンから説明を受けていた先生

「先生の過去と経歴を調べさせてもらいました、ですが、すぐに大きな仕事をしてもらうわけにも行きませんし、まずはこちらをお願いします」

 

 リンから与えられた仕事はアビドス自治区にあるアビドス高等学校からの救援要請だった、武器弾薬が枯渇しかけているため補充をしたいという内容だった

 

「あっつ〜」

 先生はスーツを着崩し半分しかない水のペットボトルを片手に歩いていた

「不用心だったなぁ……」

 彼はアビドス自治区が砂漠地帯であることは知らなかった、もっとも、キヴォトス全域を覚えたわけでもないが……

 そして彼は準備が足りず行き倒れそうだった

「…………人気が無いにしても、さすがにあの方法はこんなとこじゃしたくないな……」

 と呟きながら歩く先生

 だが次第に視界がぼやけ、足もふらつきそして数歩もしないうちに地面へ倒れ込む

 

それから約1日経過して――

 ロードバイクに乗った少女が先生の前に止まる

「……、死体?」

 その少女――砂狼シロコは道路に横たわる死体(?)を見つめる

「うぅ……、……ず」

「ん、生きてる」

 するとその死体は動き出す

「……み、水……を……」

「水?、……ん、私ので良ければ」

 そういいながらシロコはロードバイクに取り付けていた自分の水筒を差し出す、先生はそれを掴み飲み始める

「…………ぷはぁ!生き返るぅ!」

 多少やつれながらも顔色が少し良くなった先生、しかし少しするとまたへニャリと地面に倒れる、直後グゥとお腹がなる

「…………」

「……ん、担いでいくね?」

とシロコは言うが

「いや、大丈夫!」

 と言いながら起き上がる先生、だが直後足元がふらつき地面へ倒れ込む

「……やっぱりお願いします」

 と先生は頼む、シロコは頷く、すると

「……あ、待って。……。えっと……さっきまでロードバイクに乗ってたから……そこまで汗だくってわけじゃないけど、その……。普段は学校のシャワー室を使うの。予備の服もそこにあるし……。」

 と少しモジモジしていると

「気にしないよ、(汗の)匂い好きだし」

と先生は犯罪まがいなことを言うが先生は単に汗の匂いが好きなだけである 

「……うーん、ちょ、ちょっとよくわからないけど……気にならないなら、まあいいか。」

「それじゃ……。」

シロコは先生を背負う

「しっかり掴まってて。」

 

 

 アビドス自治区アビドス高等学校 廃校対策委員会室

「し、シロコ先輩が死体運んできた!?」

「落ち着いて、セリカちゃん!?」

 先生を担いだシロコが入ってくるなり委員会室は騒がしくなる

「ん、この人は生きてる、それと、お腹空いてるみたい」

「お腹が?けど食料なんて……」

 とノノミは首を傾げる

「ひ、ひとまずなにか食べるものね!」

 と言い、セリカは自分のバックの中を探る

 

 数分後

「なんかごめんね……色々迷惑かけたみたいで」

 セリカが持っていたエナジーバーで生き返った先生は申し訳なさそうに言う

「いえ……、それで、あなたはなぜアビドスに?」

 赤色の眼鏡をかけた少女――奥空アヤネは尋ねる

「ええっと……あった、連邦生徒会よりアビドス高等学校の弾薬補充の要請を受けてきました、連邦捜査部シャーレの先生だ、よろしくね」

 その言葉を聞き互いに顔を見合う彼女たち

「連邦生徒会……」

「え、ちょっと待って!弾薬の補充!?やった!アヤネちゃん!」

 と猫耳の少女――黒見セリカは飛び跳ねる

「良かった……連邦生徒会からも見放されたのかと」

 とアヤネはホッとしたように言う

 それを見ていた先生は

「それだけ大変な状況だったんだね……」

 それにノノミが答える

「はい、最近は襲撃も多くて次耐えられるかどうかって時だったんです」

「襲撃?」

 と信也は首をかしげるが

「あ、早くホシノ先輩にも知らせてあげないと……あれ?ホシノ先輩は?」

シロコに遮られる

 

「委員長は隣の部屋で寝てるよ。私、起こしてくる。」

するとセリカはある人物を起こしに行く

すると突然、銃声と爆発音が響く

「わわっ!?武装集団が学校に接近しています!カタカタヘルメット団のようです!」

 敵を確認したアヤネは言うそれにシロコは顔をしかめる

「あいつら……!!性懲りもなく!」

すふとセリカはホシノを連れて走ってくる

「ホシノ先輩を連れて来たよ!先輩!寝ぼけてないで、起きて!」

ホシノと呼ばれた少女は眠そうに言う

「むにゃ……まだ起きる時間じゃないよー。」

「ホシノ先輩!ヘルメット団が再び襲撃を!こちらの方はシャーレの先生です。」

 アヤネは急ぎ足で説明を簡単に済ませる

「ありゃ〜そりゃ大変だね……あ、先生?よろしくー、むにゃ。」

 ホシノは変わらず眠そうに答える、それにセリカは

「先輩、しっかりして!出動だよ!装備持って!学校を守らないと!」

 ときつく言う

「ふぁあー……むにゃ。おちおち昼寝もできないじゃないかー、ヘルメット団めー。」

 ホシノはやる気を出したように目を開く

「すぐに出るよ。先生のおかげで、武器と補給品は十分。」

「はーい、みんなで出撃です☆」

 シロコの言葉にノノミは応じる

アヤネと先生以外は教室を走って出る

 アヤネは先生の方を見て言う

「私がオペレーターを担当します。先生は……」

 すると先生はアヤネの言葉を遮り言う

「少しの間任せてもいい?」

「え!?ですが、外は危ないですよ!」

 アヤネは驚きながら先生を止めようとするが

「……大丈夫、体は丈夫だから」

 と先生は言い、教室を出ていく

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